最近、時々耳にするオイルサンド。
サンドウィッチやクリームサンドのような食べ物なら嬉しいのですが、残念ながらそうではないようす。
オイルサンドは黒くて粘り気があって冷えると固まる油を含んだ砂岩です。
採掘しやすい石油が枯渇しつつある今、この「油を含んだ砂」は注目を浴びているのですが、手放しでは喜べないことも多いようです。
原油の確認埋蔵量にオイルサンドの分を含めると、カナダはサウジアラビアに次いで世界第2位の産油国になるそうです。
そのカナダのアルバータ州ではオイルサンドの露天掘りが行われています。
オイルサンドを採掘するためには、木々を切り払わなければなりません。
1バレル(約160リットル)の油を摂るのに、土砂などの表土を平均2トン、オイルサンドを2トン採掘します。
このオイルサンドに数バレルの80℃ほどの熱湯をかけて、砂に付着した粘っこいタール状の油(ビチュウーメン)を抽出し、さらに、高温高圧処理を行うか、水素を加えことで、より軽質な油を得ることができます。
この過程で出た汚染水は貯水池に流され、今では貯水池に総面積は洞爺湖の2倍弱に及び、渡りの途中のカモの群れが貯水池に飛来し、油にまみれになったこともあるそうです。
森を壊し、大量のエネルギーを消費しながら得られるオイルサンドからの油。環境面からも経済面からもいろいろな波紋を呼びそうです。