最近、燃料電池自動車の開発が進んでいますが、今朝の新聞に『政府は来春から家庭用燃料電池に補助金制度を導入の予定。また、松下電器産業は、7月から発電効率を高めた小型燃料電池の性能や安全性を確かめる実証実験を開始』という記事がありました。
「燃料電池?」とお思いの方も多いのではないでしょうか。燃料電池は化学反応を利用して電気を取り出す「化学電池」の仲間で、水素と酸素の化学反応によって電気を得ています。
中学生の頃、理科の時間に「水の電気分解」の実験をしたことがありましたね。確か、電気が通りやすくなるように、水酸化ナトリウムを加えた薄い水酸化ナトリウム水溶液を作り、その中に立てた2つの電極間に電気を通すと、それぞれの電極に水素と酸素が発生するという実験でした。思い出していただけたでしょうか?
水に電気を通し酸素と水素を作る。この逆の反応は、酸素と水素を反応させて電気と水を作ることですが、燃料電池はこの原理を使って発電しています。水素という燃料さえ補給してやれば、ずっと自力で発電し続けることができるため、燃料電池と呼ばれているのです。
燃料電池は火を燃やすのではなく、酸素と水素が持っているエネルギーを直接、電気エネルギーに変えることができるため、発電効率が良いそうです。
ガスコンロでお湯を沸かすとき、まわりの空気も暖かくなることからも想像できますが、現在の発電所は、発電効率がだいたい35%、残り65%のエネルギーは、利用されずに排熱となって海へ捨てられています。また、発電してから、長い距離を送電される途中で、電線の抵抗によっても1割くらいの電気が失われてしまっています。
では、電気を使うすぐ傍で発電できればどうでしょうか?電気を送電するときのロスも小さいですし、発電時に発生する熱をお湯として利用することができます。ここが、家庭用燃料電池の良いところなのです。
家庭用燃料電池は、発電効率が30%ぐらいですが、排熱利用効率が50%、一次エネルギーの80%を利用することができるという優れものなのです。
参考:http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080428