「スーパーカブ」はホンダが誇る50ccバイク。1958年8月の初代モデル「スーパーカブC100」の発売以来、今年で50周年を迎えます。現在まで世界15ヵ国16拠点で生産され、延べ160ヵ国以上で販売され、今年の4月にはカブシリーズとして世界生産累計6000万台を達成しました。
と言っても、「スーパーカブってどんなバイク?」と、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっとご覧になったことがあると思いますよ。
銀行の人が外まわりの時に、郵便局員の人が配達時に、おまわりさんが巡回の時に乗っているバイク、かなりの割合でスーパーカブなのです。アジア諸国でも庶民にとってなくてはならない「日常の足」となっているようです。
そんなスーパーカブ、「そば屋の小僧さんが片手でも運転できる、手の内に入る小さなオートバイをつくろう」と言うホンダ創業者の本田宗一郎氏の呼びかけで、57年の正月から開発が始まったそうです。
左手レバーのクラッチ操作をなくし、右足でペダルを踏みこめば変速できる「自動遠心式クラッチ」を生み出し、左手でおかもちを持って運転できるようにしました。
心臓部には、荷物を載せて坂道も上れるパワーがあり、燃料代も安い、4サイクルエンジンを開発。タイヤは「大きくて、でこぼこ道も走りやすい」と、規格外の17インチを特別に作らせ、デザインも女性がスカートでもまたぎやすいようにしたそうです。
昨年10月からオートバイにも排ガス規制が施行されました。
ホンダ技術陣は、この厳しい規制をクリアするため、エンジンの排ガスをきれいにすべく、技術的にもコスト的にも難しいと考えられていた燃料噴射装置を採用し、外観をそのまま残しつつ、進化したスーパーカブを創りあげました。テスト走行での燃費は約110km/ℓ。エンジン付き乗り物の中では世界一の燃費を誇り、環境にやさしいバイクに生まれ変わりました。
「スーパーカブ」は、本田宗一郎氏を始め、多くの技術開発者の情熱と努力に支えられ、これまでの50年間同様、これからも、世界中で愛用され続けることでしょう。