今日は「土用の丑の日」、うなぎの蒲焼を楽しみにしておられる方も多いことでしょうね。
この蒲焼になるうなぎの殆どが養殖うなぎ。
九州や四国の河口付近で、ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」を捕獲し、養殖し、成魚にしたものです。
勿論、卵から成魚までを人工的に育てる「完全養殖」にも挑戦していますが、効率が悪く、とても商用化できる段階にはないそうです。
何故でしょうね。
そもそも、うなぎは、川と海を行き来する回遊魚。
「シラスウナギ」は黒潮に乗って南の海から河口付近にやってくるのですが、成魚は産卵のために再び大海原の“どこか”に消えていくのだそうです。
その上、うなぎは、卵から小さなシラスウナギが生まれるのではなく、オタマジャクシがカエルになるのと同じように「変態」する魚だそうです。
先ず、孵化した受精卵は、透明な柳の葉っぱのような形をした「レプトセファルス」と呼ばれる仔魚になり、
その後250日を経て変態を始め、約20日でシラスウナギになります。
シラスウナギは変態後約30日でエサを食べ始め、成魚へと成長するのだそうです。
そんなことから、育つ環境もわからず、どんなエサを与えれば良いかもわからず、、、
受精卵からシラスウナギになるまで人工的に育てることはとても難しいそうです。
しかし、このたび朗報が届きました。
東京大学大気海洋研究所の塚本教授は水産総合研究センターなどの研究チームと共同で、36年間追い求めてきたニホンウナギの受精卵を、西マリアナ海嶺付近で、採集することに成功しました。
うなぎの天然卵の採取は、世界初となった2009年5月に続き2回目のことです。
今回の成功によって、今まで謎に満ちていた受精卵やレプトセファルスの生育に適した環境やエサを作り出すことができれば、完全養殖の実用化も商用化も可能ですね。
早くそういう日が来てほしいですね。
塚本教授の36年間の地道な研究ありがとうございます。
乱獲や値段のことを気にせずに、うなぎを食れる日が確実に近づきました。