2008年9月7日日曜日

首都高速道路の「溶岩パネル」による壁面緑化

東京の年平均気温は、過去100年で3.0℃の上昇、他の大都市でも平均2.4℃上昇したそうです。気温上昇の原因には、地球温暖化やヒートアイランド現象が考えられます。

ヒートアイランド現象の原因としては、ビルや自動車からの排熱、アスファルト舗装や建物表面の蓄熱、建ち並ぶ高層ビルによる微風化などが考えられます。特に夏場は、空調の使用が増え、その排熱でヒートアイランド現象が更に進行します。

そこで、東京都では、ヒートアイランドを招くさまざま原因に応じた対策を行うとともに、民間と協働で、新素材・新技術を積極的に導入した取り組みを行っています。

緑化事業もその一つです。首都高速道路では、人と環境に優しく快適なハイウェイを創造する「首都高から始まる東京緑化計画・グリーンでゆこう!」を積極的に推進しています。

そこでの緑化に一役も二役も買っているのが「溶岩パネル」です。

溶岩には噴火のときにできた多数の気孔や気泡があります。そのため、他の天然石に比べて、水や空気を吸収しやすく、湿気を保ちやすく、さまざまな微生物などが暮らしやすいという特徴があります。また音を吸収する性質もあります。

これらの溶岩の性質を生かして開発されたのが「溶岩パネル」です。
住宅や道路脇の壁などの無機質なコンクリートも、「溶岩パネル」を覆うことで、微生物が生育し、コケなどの緑の植物で覆われ、昆虫や小動物が生息する環境に生まれ変わります。CO2の吸収効果や断熱効果も生まれ、ヒートアイランド現象の緩和に役立ち、省エネにもつながります。

首都高速道路は、「溶岩パネル」の産みの親である日本ナチュロックの佐藤俊明さんと更に研究を進め、潅水などのメンテナンスを軽減する工夫を施した、次世代の緑化型遮音板として、また壁面緑化用としての「溶岩パネル」を開発、首都高の緑化を進めています。