トレーサビリティは、食品がいつ・どこで・どのように作られ、どのような経路で流通されたかなどの生産履歴を明らかにする制度です。
以前このブログの「近代マグロ」でも少し触れたことがありましたが、trace(トレース:追跡)とability(アビリティ:できること)の2つの言葉を組み合わせたものです。
社会的に普及が期待されているトレーサビリティシステムですが、現在、日本において法律で義務付けされているのは国産牛肉のみです。(国産牛肉というのは、国内で生まれたすべての牛と生体で輸入された牛、及び内臓肉並びに挽肉を除いた国産牛肉のことで、輸入牛肉は対象外となっています。)
牛肉の場合には、BSEの発生に対応して、2003年、牛肉トレーサビリティ法が成立しました。すべての牛には出生時に個体識別番号が付けられ、インターネット検索でも牛の履歴が分かるようになっています。2004年には店頭で販売される牛肉すべてに、識別番号を付けることが義務化されました。
青果物、鶏卵、貝類(カキ・ホタテ)などのトレーサビリティについては、2004年に、農林水産省が、「食品のトレーサビリティシステムの構築に向けた考え方」を作成、これらを基礎として、品目別ガイドラインの作成を進めているそうです。
消費者としては、青果物などでは、流通経路のほかに、どこの誰が、どのような農薬を使って、どのように栽培したかなどの情報も欲しいですね。
最近、偽装表示事件など、食品の信頼を揺るがせる問題がたびたび起こっています。そのため、生産・流通の履歴が明確にされた、安全で信頼性の高い食品が今まで以上に求められるようになってきています。
近代マグロ
http://thinking-eco.blogspot.com/2008/04/blog-post_03.html