2008年9月16日火曜日

「藻」から「石油」を生産

私たちが日常使っている食用油、菜種油・大豆油・コーンオイルなどをつくる「油糧植物」の種子にはたくさんの油が含まれています。植物が発芽する時、すぐにエネルギーを取り出して、成長することができるように、エネルギーに変換しやすい油を種子に貯えているようです。

ところが、地球温暖化の防止に役立つことから、代替燃料の原料として、サトウキビやトウモロコシやアブラヤシなどの「油糧植物」の栽培が広まり、食糧価格の高騰や森林伐採など新たな問題を引き起こしています。森林面積が減少すれば、CO2の削減どころではありませんね。

そこで、今、注目されているのが藻類です。
日本では、1970年の石油危機後、石油生産に藻類の利用が検討され、大規模な研究開発プロジェクトもあったそうですが・・・

現在、採掘されている石油も生物が作り出したものと考えられています。油田が集中する中東エリアでは、太古に遠浅の海が広がり、藻類が長期間、大量に生息していたことが分かっています。

藻類には脂肪や炭化水素を大量に生産する種が多く、根こそぎ採らずに、上手く残すように採取すれば、何度でも油を取れるうえ、栽培の手間は格段に軽いそうです。

そして、何よりも、藻類の油分生産能力は、陸上植物である作物に比べて微細藻の収量は単位面積あたり年間で数十倍から数百倍になると言われているのです。

2006年からアメリカのベンチャー企業が藻類の大量栽培を始めています。
2007年から日本の化学メーカー帝人は藻類を開発するオランダのバイオベンチャーと共同研究を始めました。そのほかにも、多くの会社が藻類の研究をはじめていると言われています。

国内では、「カイワレ大根」の大手業者三和農林が水耕栽培の冬季暖房用の燃料を調達するために、藻類の培養タンクを設置、デンソーもCO2を吸収しながら作れるバイオ燃料に着目、研究を開始しました。

石油輸入大国から脱却できる日が早く来るといいですね。