開発途上国の人口増加や経済発展による水需要の拡大、地球暖化による異常気象の頻発、水資源への影響から、水不足への関心が高まっています。
そんな中、人工的に雨を降らせる「人工降雨」の技術に期待が集まっています。
人工降雨の最初の実験は1946年、ノーベル化学賞を受賞したこともあるアメリカ化学者・物理学者のアーヴィング・ラングミュアによって試みられました。今では,世界気象機関(WMO)に報告されたものだけでも約40 カ国で毎年100 件以上もの大きなプロジェクトが実施されています。
日本でも、1947年、九州電力の要請で九州大学が人工降雨の実験を行っています。1994年からの9年間は、首都圏の水瓶である利根川上流のダム周辺に十分な量の雪を安定して降らせる可能性を検討するために、越後山脈での人工降雪実験が行われ、この夏は、四国の水不足解消につなげるため、早明浦ダム周辺で人工降雨実験を実施しています。
人工降雨実験に特に熱心な国は中国とアメリカです。
中国では、農業用水など水資源を安定的に確保するために、1950年から中国全土で人工降雨事業に取り組んできました。
中国は、この人工降雨の技術を使い、オリンピック開会式当日の北京上空を晴天にする計画を立てているようです。もし、雨雲が開会式会場に近づいた場合には、雲が会場へ届く前に人工降雨として雨を降らせ、北京上空を晴天にするようです。
是非、開会式が「晴れの舞台」になって欲しいですね。