私たちは、「湯水のごとく・・・」という例えがあるように、「水道の蛇口をひねればいつでも当たり前に『水』を手に入れることができる」と考えていませんか。
日本は、年平均降水量は主要先進国の中では4番目、世界平均の2倍です。ところが、1人当たり年降水総量でみると、世界の1人当たり年降水総量の3分の1程度です。再生可能な水資源量で考えると、世界平均の6分の1、世界では82番目だそうです。
では、なぜ、こんなにふんだんに水を使うことができるのでしょうか?それは、1つには、日本には自然の湖、農業用のため池、人工ダムなどがあるからです。2つ目には、食糧の約6割を国内で生産せずに、海外から輸入しているからです。
海外から食糧を輸入するということは、水を海外に依存していることです。上下水道が整備されていて、一見、日本の水資源は豊かに見えます。ところが、自国の水だけでその豊かさを賄っているわけではなく、見えないところで大量の水を輸入しているのです。
「バーチャルウォーター(VW)」「仮想水」の考え方ですね。最近では、食料の輸出入による世界の水資源への影響を示す指標として使われるようになってきているようです。
東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は、牛丼やハンバーガーなどの食材のVWを試算しています。牛丼1杯を生産するのに必要なVWは約2000リットルだそうです。
オーストラリアは100年来といわれる旱魃に見舞われ、米国では穀物栽培に大量の地下水を利用してきたため、水不足や地盤沈下が問題となっています。
VWという考え方で水をとらえると、水資源の問題は、グローバルな視点での議論や行動が必要であることがわかりますね。
*仮想水計算機:
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html
環境省が提供しているもので、フォームに入力するとバーチャルウォーター量が表示されます。
*バーチャルウォーターMENU:
http://v-water.jp/index.php?com=menu
*バーチャルウォーター(1):
http://thinking-eco.blogspot.com/2008/01/fao-aquastat-33.html