住宅用太陽光発電システムのカタログをひらくと、「太陽光発電のある暮らしは地球環境と我が家の家計のどちらにも嬉しい。石油消費年間削減量は18リットル缶約58本分、CO2削減量は杉の木約103本分の吸収量に相当。」などという文言が目に飛び込んできます。
そこで、値段を聞いてみますと、初期投資に200万円くらいは必要とのこと。環境に優しいかもしれないけれど、本当に家計に優しいのかしら?と、ちょっと考え込んでしまう金額です。
と言うのも、1994年導入されていた太陽光発電補助金が2005年末に打ち切られていたからでした。京都議定書は1997年に採択され、発効は2005年2月でしたから、温室効果ガス削減の必要性は十分わかっていたはずです。どうして打ち切ったのでしょうね?
補助金廃止も原因の一つだと思いますが、7年間連続世界一位だった、日本を代表する企業シャープの太陽電池生産量は、2007年にドイツのQセルに抜かれてしまいました。
原料のシリコン調達に油断があったようです。海外勢は需給が逼迫すると見て、いち早く長期契約に踏み切っていましたので、今までどおり調達できると思っていた日本勢は原料を手に入れることができなくなったのです。
Qセルは、ドイツ政府の「再生可能エネルギー法」による太陽光発電電力の優遇措置で、急成長してきた、太陽電池パネル専門の企業です。一方大きな会社の一つの事業部が担当する日本勢は世界の流れに乗り遅れたのかも知れませんね。
その住宅用太陽電池に、再び、補助金がでることになりそうです。
経済産業省は、地球温暖化や原油高に対応するためのエネルギー政策をまとめ、太陽電池発電を本格的に普及させるために、家庭向けに補助金制度や優遇税制を検討。今後3~5年で住宅用発電システムの価格を半額にするという目標を示しました。