日本の食料自給率は4割を切ると言いながらも、まだ食べられる食べ物が大量に捨てられています。
日本で1年間に廃棄される食品は約2000万トン、そのうち24%は肥料や飼料などにリサイクルされ、76%は焼却や埋立て処分されているそうです。そして、この費用は自治体の財政面で負担になっています。
コンビニなどでは、消費期限になっていなくても、賞味期限を過ぎれば廃棄される加工食品がたくさんあります。
また、店舗によって異なりますが、スーパーなどでは、パンなどの消費期限が3日間で、その3日目当日には陳列棚に並べられることは殆どありません。消費期限に問題がなくても、パッケージに傷があれば、陳列棚から外されます。野菜などは新しい荷が入ると、鮮度が落ちていなくても廃棄されてしまうこともあるそうです。このように十分安全に食べられる食品が、ある基準で商品価値を失うと捨てられてしまっているのです。
一方で、低所得者やホームレスのシェルター・児童福祉施設・障害者通所作業所や共同生活ホーム・母子緊急生活支援施設などの団体は福祉予算の削減などで苦しい経営をしています。
「フードバンク」というのは、品質に問題がないのに廃棄せざるをえない食品を、メーカーや小売店から寄付してもらい、必要としている人に無償で届けるボランティア活動のことです。
命をつなぐ糧である食品の「金銭の介在しない新しい流れ」、再分配システムを作り出しているのです。また食品の廃棄量が減少すれば産業廃棄物として焼却処分される量も減り、環境保全にも貢献できます。
このような活動は、アメリカでは、約20年前から取り組まれているそうです。日本へは東京にあるNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」(旧フードバンクジャパン)が持ち込み、2000年からスタートしました。関西でもNPO法人「フードバンク関西」が2003年から活動しています。
東京では、約60の企業が参加し、30以上の施設やホームレスに届けられています。関西では、8社と1団体から定期的な食品の提供を受け、31団体に届けられています。応援したいですね。