7月に行われるG8、主要国首脳会議の舞台となる洞爺湖の水温が、地球温暖化の影響を受け、上昇傾向にあることが、北大大学院の浦野慎一教授の調査で分かりました。
2004年から洞爺湖の約300メートル沖合にブイを浮かべ、水深0m、5m、10m、15m、25m、45mの6点の水温を1時間ごとに観察してきました。このデータと、北大が毎日行ってきた湖岸近くの表面水温の観測データをもとに、1981年から平成2005年5月までの洞爺湖の年平均水温の変化を分析したそうです。その結果、水深55メートルまでの層でみると、過去23年間で約0.8℃上昇していることが分かったそうです。
洞爺湖周辺の大滝(伊達市)、伊達、室蘭の三地点の年平均気温も、気象庁のアメダスのデータでは、1980-1999年の20年間で約1℃上昇しているそうです。
湖の水温は太陽の放射量や大気中の熱に大きく左右されることから、浦野教授は「地球温暖化によって、気温と同じように水温も上昇した」と指摘しています。
琵琶湖でも1985年から2004年までに水温が約1.5℃上昇したとの調査結果がありますが、国内での湖の水温を長期的に分析したデータは少なく、地球温暖化が湖にどのように影響しているかを考える貴重なデータとなりそうです。
洞爺湖は厳しい寒さのなかでも湖面が凍ることのない湖「不凍湖」としても知られ、サクラマスの養殖も行われています。そのような洞爺湖の生物への影響の心配されますが、湖の平均水温は夏と冬とで10℃前後も変化するそうで、「それよりも緩やかな地球温暖化による水温の上昇が、生物などにどう影響するかは不明」ということでした。