阿蘇に行ってきました。
噴煙を上げる火口丘、連なる山々、広がる草原、いつ訪ねても、変わらぬ雄大な景色。そんな阿蘇で、自然に溶け込むようにそびえ立つ風車に目を奪われて、野焼きの迫力に心を奪われてしまいました。
プロペラが10基そびえ立つ集合型風力発電所は、「阿蘇にしはらウィンドファーム」という名称で、電源開発株式会社が設立したものでした。年間に一般家庭約7,000世帯分を発電し、CO2の削減効果は、乗用車に換算すると22,000台分に相当するそうです。
クリーンで、純国産、無尽蔵なエネルギーである風力は、地球温暖化防止の面からも大きな期待が寄せられています。また、アサヒビールは、ここでの風力発電事業を支援しており、企業の社会貢献の一端も見ることができました。
さて、野焼きです。野焼きは、草原の表面を焼くことで、火に強く牛馬がエサとして好むイネ科の多年草を残し、火に弱く利用の邪魔になる低木を除去するために行なうそうです。阿蘇の草原は、自然にできたものではなく、1,000年も前からの野焼きにより、人の手によって守られてきたものです。
この野焼きを担っているのは、地元の畜産農家だそうです。後継者不足、高齢化などで野焼きが中止に追い込まれないように、財団法人「阿蘇グリーンストック」が「野焼き支援ボランティア」を呼びかけるとともに、「あか牛産直」なども行い、独自の工夫で、生産者と消費者を結びつけ、農林畜産業の振興と阿蘇の大自然の保全とを行っているそうです。
自然に抱かれ、自然と共に息づく阿蘇での時間は最高でした。