海水面の上昇、異常気象、砂漠化など地球温暖化による自然災害が増えてきています。気候変動を緩和するためには、太陽光発電や火力発電などのエネルギー生産のあり方と私たちのエネルギー消費のあり方を考え直すことが大切です。
京都議定書では、先進諸国が、2012年までに、温室効果ガスを目標値まで削減する約束をしましたが、大半がその目標に達していないのが現状のようです。
そこで、重要となってくるのが目標を具体的な政策に移すことです。今、考えられていることは、炭素の排出に料金を課すということです。それには、排出する二酸化炭素そのものに税金を課すという方法「炭素税」と排出権取引「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれる方法の2種類があります。
「キャップ・アンド・トレード」についてですが、<キャップ>には「帽子、ふた、上限、最高限度など」の意味があります。ここで使われている<キャップ>というのは、先ず政府が総排出量の上限を決め、次にそれぞれの企業ごとに守るべき排出量の上限を設定し、一定量の排出権を割り当てるということです。<トレード>は、割り当てられた排出権は譲渡が可能であり、排出量の削減に成功した企業が余った排出権を販売できるということです。
欧州連合(EU)では、欧州域内排出量取引制度という世界最大の排出権取引の仕組みをつくり、2005年1月から、EU加盟25カ国を対象に実施しています。米国でも導入の動きがあるそうです。
日本では、環境省が3月6日、温室効果ガスの国内排出量取引制度について、本格的な検討に着手しました。