2008年3月17日月曜日

海水面の上昇

海水面の上昇と聞くと、「さんご礁の島、ツバル」を思い浮かべる方は多いと思います。首都があるフォンガファレ島の平均標高は1.5m、最も高い地点でも約4m。潮汐による干満の差は大きい時では2mを越すそうですから、標高が低い地域では海水面より低くなってしまうところも出てきます。

海水面の上昇の要因には大きく二つあります。温暖化により、氷河やグリーンランドの氷床の氷が融け、氷山や融けた水が海に流れ込み、海水の量が増えることと、水温が高くなって海水の体積が膨張することです。

今後、地球の気温が3~4℃上昇すれば、土地の水没により、バングラデッシュ、下エジプト、ベトナム、太平洋やカリブの小さな島国が大きな打撃を受け、3億3200万人が一時的または恒久的に住居を失う恐れがあるそうです。また、洪水の発生しやすい川岸のスラム地区で暮らす10億人の人々も脅威にさらされることでしょう。

海水面は、1993年以来約3mm/年の割合で上昇し、最新の予測結果では2100年までの海面上昇は18cm~59cmと見積もられていますが、海水温が上昇すると、熱帯性の暴風雨が激しくなり、台風も猛威を奮うと考えられます。「高潮による水浸し」の危険性も高まって来ます。今後は海面水位の監視を継続的に行うと共に、将来の海面上昇に備えて、海岸、河川の堤防などの施設整備を進めることが重要になると考えられます。
(参考:人間開発報告書、国立環境研究所HP)