2008年3月16日日曜日

炭素隔離技術

炭素隔離技術は、発電所などで発生する二酸化炭素を分離・回収し、圧力をかけて、それを排ガス田や地中の帯水層(地下水がある地層)に貯留する技術です。地中から石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を掘り出して、その炭素をエネルギーとして使い、その後二酸化炭素を再び地中に戻そうということのようです。

日本では、平成12年より、新潟県長岡市で、実用化に向けて実験が行なわれています。
ノルウェーのプロジェクトは北海の海上プラットフォームにて行われています。天然ガスを採掘するとき、一緒に出てくるCO2を分離して、天然ガスは陸へ輸送、CO2は帯水層に圧入しています。
カナダのプロジェクトでは、アメリカの工場からCO2だけを輸送して、深さ1000メートル程にある油層にCO2を圧入します。これによって、原油の回収がしやすくなると同時に、CO2を油層に貯留できるそうです。

海底下の地層へのCO2貯留は、海洋汚染防止のため、廃棄物海洋投棄などの制限を定めたロンドン条約議定書の改正により、2006年に例外規定として認められましたばかりです。

地下深部では、CO2が圧縮されるため、より多くのCO2を貯留することができます。
IPCCによると、世界全体での貯留可能量は少なくとも2兆トン(世界の総排出量の約100年分に相当)であると試算されています。