中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は、一連の日程を終了し、今日帰国されました。訪日の成果の有無が取りざたされていますが、温暖化問題については実りがあったようです。
大きな成果の1つめは、京都議定書では温室効果ガス排出の削減義務のない中国に、ポスト京都での新たな枠組みへの参加意欲を改めて表明させたばかりか、温暖化ガスの削減とその負担の公平の観点から、日本が提唱を始めた「セクター別アプローチ」への支持を取り付けることに成功したことです。
大きな成果の2つめは、CO2の隔離貯蔵技術の実用化プロジェクトを日中両国が共同で立ち上げることに合意したことです。これは、中国黒龍江省のハルビンにある石炭火力発電所から排出されるCO2を回収して、100kmほど離れた大慶油田まで輸送し、油層に圧入して、原油の採掘効率を向上させようというものです。
年間300万トンから400万トン程度の温暖化ガスの削減と、年間150万バレルから200万バレル程度の原油の増産が期待でき、日本側では、経済産業省の地球環境産業技術研究機構(RITE)やトヨタ自動車、プラントの日揮、東京電力、中国電力、Jパワーなどが参加する見通しだそうです。
炭素隔離技術:
http://www.thinking-eco.net/term_ta-carbon_sequestration.htm
こちらのHPもご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm