今日のAFPのニュースに、ミミズの話が載っていました。
「アイルランドのミミズが同国に対し、年間約7億ユーロ(約1100億円)以上相当の働きを行っていることが、同国の環境・遺産・地方自治省が委託した研究の報告書で明らかとなった。・・・・・」というものでした。
アイルランドには約700万頭の牛が生息し、牛1頭につき年間9トンの排泄物が出しているということですが、ミミズが排泄物を分解して、栄養素を土に返すこと、また、耕作や植物栽培、特に土壌構造に与える重要な働きも加えれば、ミミズが提供する働きの価値は10億ユーロ(約1600億円)以上に上る可能性もあるとも書いてありました。
ミミズは英語でEarthwormと書きます。「地球の虫」という意味です。自然の中で植物にとって栄養分が多くふくまれている土は、そのほとんどがミミズの消化器官を通ったものだそうです。
ミミズは土に穴を掘ってくらしています。ミミズが掘ったトンネルは、土の中の空気の通り道になるため、微生物の働きも活発になって有機物の分解が速くなるそうです。
ミミズの食べ物は落ち葉のクズと土。1日に自分の体重と同じくらいの土を食べ、出す糞の量は、体重の1/2~2倍もあるそうです。その糞は多くの有機物を含んだ土の小さなボールで、団粒土と言われています。植物にとって有効な栄養が、すぐに吸収できる形でふくまれているそうです。
ミミズは、地表の植物の残渣を土の中に引き込み、下層の土壌粒子を含む糞を地上に押し出すことで、土壌を撹拌し、耕す働きをし、肥料をまく仕事も一度にやってしまうのです。まさに辣腕エコシステムエンジニアですね。