2008年5月31日土曜日

中海の干拓地に水戻る

九州有明海の諫早湾に、あの鉄の板が下ろされてから10年ほど経ったでしょうか。テレビで報道された光景が今も鮮明に残っています。

干拓事業は名目はどうであれ、いろいろなところで行われていたのですね。鳥取、島根両県にまたがる中海もそうでした。中海では、水田開発のための干拓事業が1963年から始まり、海水の流入を防ぐ水門や堤防などの施設が造られていました。しかし、減反政策や環境悪化を懸念する反対運動の高まりから、事業は1988年に凍結、2000年には中止が決定していました。

昨日は、その中海に設置されていた遮水板が撤去され、干拓予定地だった所に水が戻るという記念すべき日だったのです。

米国の環境シンクタンク、世界資源研究所(WRI)などの調査によると、日本では13の海域や汽水湖(汽水湖:淡水と海水がまざる湖のこと)でアオコや赤潮が発生しやすい富栄養化が確認されたそうです。島根、鳥取両県にまたがり、全国第5位の広さを有する天然湖の中海もそのひとつに入っていました。

中海は、重要な湿地やそこに生育する動植物を協力して守ろうという条約、ラムサール条約湿地へも登録されているそうです。これからの、水質や生態系の回復など環境改善に大いに期待したいですね。

ラムサール条約:http://www.thinking-eco.net/term_ra-ramusa-ru.htm