2008年8月22日金曜日

サンゴ礁の白化現象

熱帯や亜熱帯の海岸を縁取り、天然の防波堤として波をさえぎり、海岸を侵食から守っているサンゴ礁。サンゴ礁の海は、海洋面積全体の0.2%を占めるのみですが、海に生息する生きものの4分の1がサンゴ礁の自然に関わって生きているといわれています。

サンゴは、クラゲやイソギンチャクと同じ仲間の動物です。
今、白化が問題となっているのは、太陽光線の届かない深海にいる宝石サンゴではなく、浅い海でサンゴ礁を形成する造礁サンゴ(以下、サンゴ)です。

サンゴは、褐虫藻と呼ばれる藻類を体内に共生させ、褐虫藻が光合成によって作り出す栄養分を食べて成長します。サンゴ礁の美しい彩りは褐中藻の色の違いから生まれています。

ところが、何らかの環境ストレスにより褐虫藻が光合成回路に異常を来たした時、サンゴが褐虫藻を放出するため、サンゴの骨格の白い色が目立つようになります。この現象が「白化現象」です。

環境ストレスとして、高水温だけでなく、海水の酸性化、淡水や土砂の流入、強い光、これらのストレスの複合効果が考えられます。

環境が回復すれば褐虫藻を再び獲得して、サンゴは健全な状態に戻りますが、環境が回復せず白化が長く続くとサンゴは死んでしまうのです。

1997年から1998年にかけて、エルニーニョに伴う海水温の上昇により、全世界的な規模で白化現象が起き、多くのサンゴが死んでしまいました。

2008年は、国際サンゴ礁年です。サンゴ礁の保全は、海の環境保全の大きなテーマの一つです。大勢の人にサンゴ礁についての理解を深めてもらうための活動が、各国で行なわれます。

2008年8月20日水曜日

バーチャルウォーター(2) 牛丼1杯に水2000リットルが必要!

私たちは、「湯水のごとく・・・」という例えがあるように、「水道の蛇口をひねればいつでも当たり前に『水』を手に入れることができる」と考えていませんか。

日本は、年平均降水量は主要先進国の中では4番目、世界平均の2倍です。ところが、1人当たり年降水総量でみると、世界の1人当たり年降水総量の3分の1程度です。再生可能な水資源量で考えると、世界平均の6分の1、世界では82番目だそうです。

では、なぜ、こんなにふんだんに水を使うことができるのでしょうか?それは、1つには、日本には自然の湖、農業用のため池、人工ダムなどがあるからです。2つ目には、食糧の約6割を国内で生産せずに、海外から輸入しているからです。

海外から食糧を輸入するということは、水を海外に依存していることです。上下水道が整備されていて、一見、日本の水資源は豊かに見えます。ところが、自国の水だけでその豊かさを賄っているわけではなく、見えないところで大量の水を輸入しているのです。

「バーチャルウォーター(VW)」「仮想水」の考え方ですね。最近では、食料の輸出入による世界の水資源への影響を示す指標として使われるようになってきているようです。

東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は、牛丼やハンバーガーなどの食材のVWを試算しています。牛丼1杯を生産するのに必要なVWは約2000リットルだそうです。

オーストラリアは100年来といわれる旱魃に見舞われ、米国では穀物栽培に大量の地下水を利用してきたため、水不足や地盤沈下が問題となっています。
VWという考え方で水をとらえると、水資源の問題は、グローバルな視点での議論や行動が必要であることがわかりますね。

*仮想水計算機:
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html  
環境省が提供しているもので、フォームに入力するとバーチャルウォーター量が表示されます。
*バーチャルウォーターMENU:
http://v-water.jp/index.php?com=menu
*バーチャルウォーター(1):
http://thinking-eco.blogspot.com/2008/01/fao-aquastat-33.html

2008年8月19日火曜日

好適環境水の実用化が待たれます

テレビや新聞で大きく報道されています好適環境水。このところの燃料高による休漁、赤潮発生や海水温度上昇のニュースを耳にするたびに、好適環境水が頭をよぎります。

太古の海では今ほど海水は塩辛くなく、海水魚の祖先も淡水魚の祖先もいっしょに棲んでいたはずとか。
岡山理科大学専門学校の山本先生は、その太古の海を研究し、魚に必要なナトリウムやカリウムなどの数種の必須成分と濃度を特定、淡水魚と海水魚を一緒に飼育できる「不思議な水」好適環境水を開発なさったのです。

人間も魚も植物も、体液や細胞液の組成を一定に保つために、浸透圧の調整が不可欠です。好適環境水の中では浸透圧の調整の必要がなく、浸透圧が高い海水に棲む魚も浸透圧が低い淡水に棲む魚も、一緒に棲むことができるそうです。

好適環境水にはメリットがたくさんあります。
浸透圧調整のために消費していたエネルギーを成長のために使えるため、成長が速いのです。従来の陸上での養殖では人工海水代や冷暖房費にコストがかかっていましたが、必須成分を水に溶かすだけ好適環境水は人工海水に比べ60分の1のコストで済むそうです。病気にもかかりにくく、クスリに頼らずに飼育できるのは嬉しいことです。

山間部での養殖はすでに行われており、次は、ハマチやシマアジ、その先はマグロの養殖に挑戦するようですよ。
家庭菜園のごとく家庭で養殖というのも夢ではないかもしれませんね。

3月には試食会が行われ、フグやヒラメは美味しかったそうです。山本先生は、「これから養殖に適合する魚種を確かめ、今年度中に実用化に向け方向性を出したい」とおっしゃっておられます。実用化が待ち遠しいのですね。

2008年8月5日火曜日

雨水は 流せば洪水 溜めれば資源

明日6日、全国初の産学官の連携組織「雨水ネットワーク会議」が設立されます。設立を主導する墨田区は雨水利用の先進的な自治体として知られています。

25年ほど前、墨田区の錦糸町や両国地区などでは、地表面のアスファルト化が原因のひとつと考えられる「都市型洪水」に悩まされていました。
墨田区の年間降雨量2000万トンは、区民が1年間に使う水道水の量と同じだそうです。そこで、雨水を貴重な水資源と捕らえ、「雨を流さずに溜める仕組み」を作ることを考えたそうです。

折りしも、両国に新国技館を作る計画が進行中で、国技館の屋根に降る雨を溜め、冷房やトイレの水に使うことを日本相撲協会に提案、説得し、1000トンの容量の雨水タンクを設置しました。理論上は、相撲興行時に必要な水の必要な水の70%を賄え、洪水防止にも役立っているそうです。

この雨水利用の推進者は、墨田区の環境保全課環境啓発主査の村瀬誠さんです。村瀬さんは、海外では通称「雨水博士(Dr.Rainwater)」として知られ、NPO法人「雨水市民の会」事務局長や国際水協会雨水利用専門グループ副座長も務めておられます。

NPO法人「雨水市民の会」は、バングラデシュで、雨水を安全な飲み水として活用してもらうために、天水「Sky water」プロジェクを行っています。地域のNGOと連携して安価な雨水タンクを開発、マイクロクレジットを活用して、希望する家庭に設置しているそうです。バングラデシュには、井戸を掘っても地下水が有害な砒素や塩分で汚染されていて、安全な飲み水を確保できない人がいます。現地の人にとって、雨水は「Sweet water」だそうです。塩分の入った水に慣れた人にとって、雨水は甘く感じるのですね。

現在、日本でもっとも規模が大きいのは福岡ドームの雨水タンクです。韓国ソウルやドイツのサッカースタジアム、北京オリンピックの施設でも雨水利用が導入されているそうです。

気候変動の影響により洪水や渇水の頻発が予測されています。雨水は「流せば洪水溜めれば資源」です。雨水を有効利用するためにも、雨水タンクの設置などが社会システムに組み込まれるといいですね。

2008年8月4日月曜日

農作物に温暖化の影響じわり

オーストラリアでは、2006年の大干ばつで小麦の生産量が大きく減少し、輸出量も約3分の2に減少、輸出価格は上昇しました。そのため、小麦粉を始め、パン、うどん、パスタが大きく値上がりし、私たちの生活に大きな影響を与えています。

日本でも温暖化の影響が懸念されていましたが、日経新聞によりますと、47都道府県の農業関係試験研究機関を対象に実施した調査では、コメやリンゴ・ミカンなどの果物に、地球温暖化の影響とみられる被害が広がっていることがわかりました。

とりわけ、コメの品質低下が西日本を中心に深刻化し、コメ粒が白濁する現象は37府県で発生していることがわかりました。コメの場合は出穂後20日間の平均気温が26~27℃を超えると急激に玄米が白濁するそうです。
コメ粒の白濁現象は、収穫量の減少や品質低下につながるため、多くの機関が高温に強い品種の開発に着手しています。
九州沖縄縄農業研究センターは、高温でも白濁の少ない品種『にこまる』を開発、長崎県や大分県で作付けを本格化しています。また、熊本県は、今年、草丈が短く台風にも強い『くまさんの力』を品種登録したそうです。

果物でもさまざまな影響が報告されています。
果物は樹木になりますから、気温に合わせて種を蒔く時期を変えるわけにもいかず、新たに植えて、根付いたとしても、収穫まで時間がかかります。それだけに早く手を打つ必要があります。
関東地方では南国特産果物の栽培研究が始まっているそうです。

温暖化によって、今まで食べていたお米の銘柄や、果実の名産地などが、様変わりしていくのでしょうね

人工降雨 オリンピック開会式は晴天に!?

開発途上国の人口増加や経済発展による水需要の拡大、地球暖化による異常気象の頻発、水資源への影響から、水不足への関心が高まっています。

そんな中、人工的に雨を降らせる「人工降雨」の技術に期待が集まっています。

人工降雨の最初の実験は1946年、ノーベル化学賞を受賞したこともあるアメリカ化学者・物理学者のアーヴィング・ラングミュアによって試みられました。今では,世界気象機関(WMO)に報告されたものだけでも約40 カ国で毎年100 件以上もの大きなプロジェクトが実施されています。

日本でも、1947年、九州電力の要請で九州大学が人工降雨の実験を行っています。1994年からの9年間は、首都圏の水瓶である利根川上流のダム周辺に十分な量の雪を安定して降らせる可能性を検討するために、越後山脈での人工降雪実験が行われ、この夏は、四国の水不足解消につなげるため、早明浦ダム周辺で人工降雨実験を実施しています。

人工降雨実験に特に熱心な国は中国とアメリカです。
中国では、農業用水など水資源を安定的に確保するために、1950年から中国全土で人工降雨事業に取り組んできました。

中国は、この人工降雨の技術を使い、オリンピック開会式当日の北京上空を晴天にする計画を立てているようです。もし、雨雲が開会式会場に近づいた場合には、雲が会場へ届く前に人工降雨として雨を降らせ、北京上空を晴天にするようです。

是非、開会式が「晴れの舞台」になって欲しいですね。

2008年8月2日土曜日

海水や泥水から飲料水をつくる逆浸透膜

「命をうばう水・命をくれる水」、日本では、水道の蛇口さえひねれば、安全で衛生的な水をいつでも手に入れることができますが、世界には安全な飲み水を飲めない人が11億人もいます。アフリカのマリ共和国の農村部では、3人に2人が沼や池などの水、人手で掘った浅い井戸の水を使用して生活をしています。

今、このような泥水でも逆浸透膜を通すことで、きれいな水が得られるのです。海水からも飲料水をつくることができます。
自衛隊は、災害派遣やPKO活動で、逆浸透膜浄水システムを使って、飲料水を供給しています。中東、シンガポールなどの水資源の乏しい地域では、豊富な海水を淡水化しています。

逆浸透膜の原理を簡単に説明しましょう。
私たちの髪の毛の太さは約10万ナノメートルです。ウィルスは約10ナノメートル、腎臓の病気のときに人工透析する膜は10ナノメートルくらいの目の粗さです。そして水の分子は0.2ナノメートルとさらに小さいのです。
逆浸透膜というのは、0.2ナノメートルの水と1ナノメートルの塩を分けることができる膜のことです。

                  

片側に真水、もう一方に食塩水を入れておくと、真水は自然に食塩水側へ移動し、同じ濃度になろうとします。この現象を浸透と言い、同じ濃度になろうとする力を浸透圧と言います。
これに対し、浸透圧より大きい圧力をかける事で、半透膜を通し、食塩水中の水分子だけを透過させることができます。通常の浸透現象と逆の働きをする事から「逆浸透」と言われ、このときに使用される半透膜が逆浸透膜です。

逆浸透膜について、日本は世界の65%のシェアを持っているそうです。技術開発によって膜の製造のコストを下げ、貧しい国でも導入できるようになるといいですね。

※1ナノメートルは1メートルの10億分の1です。
NEWater
http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080628
海水の淡水化
http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080325

2008年7月30日水曜日

アーティストが設立したNPO銀行「ap bank」

「ap bank」という銀行をご存知でしょうか。
「ap bank」をご存知でない方でも、人気バンドMr. Children(ミスチル)の櫻井さんとか、世界的に活躍する坂本龍一さんといえば、ご存知の方も多いと思います。

「ap bank」は、2003年、音楽プロデューサーの小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの3名が、自己責任において拠出した資金をもとに、環境プロジェクトに融資を行うために設立したNPO銀行なのです。

融資対象は、自然エネルギーをはじめ環境に関する、地域性を生かした、ふつうに生活する人にできる、小さいけれどもアイデア溢れるさまざまなプロジェクトが中心です。小さい組織ですと、資金が足りない・・・ということも間々あります。ありがたいですね。

「ap bank」の「ap」は、「Artists’ Power」「Alternative Power」の「AP」だそうです。現在は、小林さん、櫻井さんを中心に結成されたバンド「Bank Band」や、多くのアーティストの協力を得て行うイベント、CDやDVDなどの制作物の収益金を主な融資原資、活動資金としているそうです。

融資の仕組みは、貸金業法に基づいており、融資額の上限は500万円、 融資期間は最長10年、融資金利は年1%の固定ということでした。

昨日のブログ「足温ネット」のプロジェクト「ものぐさ省エネ&節電所」の原資にも融資しています。

小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの『各地域の人々の小さな試みを「融資」という方法で支援することで、「自分たちの力で社会を変えていける」と思う人々が増え、その人々とともに新しい未来を作っていきたい』というあつい思いが伝わってきますね。

我が家には、ミスチルや坂本さんのCDが何枚かありますが、ますます応援したくなりました。

ap bank:http://www.apbank.jp/about/whats.html
Mr. ChildrenのHP:http://www.mrchildren.jp/
坂本龍一さんのHP:http://wmg.jp/artist/sakamoto/

2008年7月29日火曜日

足温ネット(NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)

東京都の最も東に位置する江戸川区。その江戸川区に、地域を基盤に、市民が主体となって活動するNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」があります。略して「足温ネット」です。

「足温ネット」の活動は画期的で、「このようなNPO法人があるのだ!!」と驚くばかりです。主な活動は「フロンガスの回収」「市民立江戸川第1発電所建設」「ものぐさ省エネ&節電所」の3つですが、それ以外にもきめの細かい活動をしておられます。地に足の着いた力強い活動ばかりです。

「ものぐさ省エネ&節電所」を簡単にご紹介します。
例えば、電気量販店で、大手家電メーカーの、消費電力190kw/h、省エネ・ノンフロン冷蔵庫が10万円台で売っています。その傍では、消費電力500kwh近い冷蔵庫が6万円台で売っています。
あなたなら、どちらの冷蔵庫を買いますか?省エネが良いことは分かっていても、電力消費量より価格を基準に選んでしまいそうですね。

そこで、足温ネットは、省エネによって達成できる節電料金5年分を無利子で融資し、返済も省エネ節電料金分から返済するというシステムをつくりだしたのです。
消費電力190kw/hの省エネ冷蔵庫に買い替えると、買い替え前より電気代は安くなりますね。その分を計算し、5年分を無利子で融資してもらいます。少し高かった省エネ・ノンフロン冷蔵庫も購入しやすくなります。そして、返済には、安くなった分の電気料金を当てますから、買い替え前の電気料金で、「省エネ&節電」ができるわけです。
新たな出費を作らずに、「省エネ&節電」が行えるのです。

素晴らしいですね。詳しくは、下記のHPをご覧ください。
http://www.sokuon-net.org/index.html

2008年7月27日日曜日

「省エネ大賞」マーク ~エコ替えの参考に~


「省エネ大賞」は、省エネルギー性、省資源性に優れた製品の開発と普及を図り、CO2などの温室効果ガスの排出量削減に貢献した製品に贈られる賞です。

「明日のエコでは間にあわない」と、エコ生活を心がけていても、連日の猛暑、室内での熱中症も心配になりますね。夜間は、防犯や快眠のために、エアコンが不可欠という方も多いのではないでしょうか。

最近の家電の省エネ性能の進歩は著しく、10年くらい前と比べると消費電力もかなり削減されています。環境負荷の小さい、地球に優しい、多彩な機能を備えた製品がどんどん開発されています。

エコ替えをお考えの時には、省エネ性能や電気料金の目安が表示された「統一省エネラベル」や「省エネ大賞」マークを是非参考になさってくださいね。

省エネ大賞を受賞した製品の中からいくつかをご紹介します。

経済産業大臣賞
*蛍光灯照明器具「Wエコ 環境配慮型照明器具」松下電工株式会社

資源エネルギー庁長官賞
*家庭用ルームエアコン「東芝ルームエアコン大清快」東芝キヤリア株式会社

省エネルギーセンター会長賞
*電気冷蔵庫「栄養いきいき真空チルド」「まんなか冷凍」シリーズ 日立アプライアンス株式会社
*家庭用 冷房・暖房・除湿ルームエアコン「日立PAMエアコン ステンレスクリーン 白くまくん Sシリーズ」 日立アプライアンス株式会社
*電球形蛍光ランプ 「ネオボールZリアル 電球100ワットタイプA形」東芝ライテック株式会社*効率LEDダウンライト 「E-CORE[イー・コア]」東芝ライテック株式会社

2008年7月26日土曜日

スーパーカブ

「スーパーカブ」はホンダが誇る50ccバイク。1958年8月の初代モデル「スーパーカブC100」の発売以来、今年で50周年を迎えます。現在まで世界15ヵ国16拠点で生産され、延べ160ヵ国以上で販売され、今年の4月にはカブシリーズとして世界生産累計6000万台を達成しました。

と言っても、「スーパーカブってどんなバイク?」と、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっとご覧になったことがあると思いますよ。
銀行の人が外まわりの時に、郵便局員の人が配達時に、おまわりさんが巡回の時に乗っているバイク、かなりの割合でスーパーカブなのです。アジア諸国でも庶民にとってなくてはならない「日常の足」となっているようです。

そんなスーパーカブ、「そば屋の小僧さんが片手でも運転できる、手の内に入る小さなオートバイをつくろう」と言うホンダ創業者の本田宗一郎氏の呼びかけで、57年の正月から開発が始まったそうです。

左手レバーのクラッチ操作をなくし、右足でペダルを踏みこめば変速できる「自動遠心式クラッチ」を生み出し、左手でおかもちを持って運転できるようにしました。
心臓部には、荷物を載せて坂道も上れるパワーがあり、燃料代も安い、4サイクルエンジンを開発。タイヤは「大きくて、でこぼこ道も走りやすい」と、規格外の17インチを特別に作らせ、デザインも女性がスカートでもまたぎやすいようにしたそうです。

昨年10月からオートバイにも排ガス規制が施行されました。
ホンダ技術陣は、この厳しい規制をクリアするため、エンジンの排ガスをきれいにすべく、技術的にもコスト的にも難しいと考えられていた燃料噴射装置を採用し、外観をそのまま残しつつ、進化したスーパーカブを創りあげました。テスト走行での燃費は約110km/ℓ。エンジン付き乗り物の中では世界一の燃費を誇り、環境にやさしいバイクに生まれ変わりました。

「スーパーカブ」は、本田宗一郎氏を始め、多くの技術開発者の情熱と努力に支えられ、これまでの50年間同様、これからも、世界中で愛用され続けることでしょう。

2008年7月23日水曜日

日本とハンガリーの排出量取引


7月19日のブログ『バチカン市国のカーボンニュートラル化』の中で、「クリマファは、ハンガリー中央部の15㌶の区画に森を蘇させることによって、バチカン市国が排出するCO2を相殺」の旨紹介しました。

ハンガリーの新興企業クリマファが、バチカン市国に、「排出量」という形の寄付を行ったのですね。寄付と言えば、お金や貴重な物品を連想しがちですが、これからは、「排出量」という形の寄贈もあるのでしょうね。

ハンガリーでは、森林の荒廃がすすみ、1990年代初めには、森林の約3割に枯死や落葉の異変などがみられたため、植林計画を立て、植林に力を注いでいます。
また、ハンガリーは、京都議定書で、6%の削減義務を負っているのですが、社会主義から市場経済への移行期に経済が低迷だったこともあって、すでに目標を達成し、さらに、最大1億トン程度の余剰が発生する見通しだそうです。
余剰分は目標達成が難しい国などに排出権として売却できるため、ハンガリーは日本や他の欧州諸国と交渉を進めているそうです。

そこで、日本政府は、省エネなどの国内対策だけでは、京都議定書で定められた温室効果ガス削減目標を達成できないと見られることから、その分を補うために、京都メカニズムの先進国同士の排出量売買を決めた「共同実施(JI)」を活用し、ハンガリー政府から、温室効果ガスの排出権を買うことを決めました。

さらに、支払う代金の使い道は、「グリーン投資スキーム」活用し、ハンガリー国内の温室効果ガス排出量の削減に貢献し得る環境対策に限定されています。
日本政府は、ハンガリーが2008年に約1000万トンを売ると想定し、欧州連合(EU)の企業間市場で取引されている値段を参考に、全量買った場合の代金は200億円規模になると見ているようです。

2008年7月22日火曜日

J8サミット

G8の開催に合わせて、「J8サミット2008千歳・支笏湖」が行われていたことをご存知でしょうか。

J8サミットは、Junior 8(ジュニア・エイト)サミットのこと。
J8サミットは、ユニセフ(国連児童基金)等の協力を得て、G8各国の中高生を中心に、世界の問題について話し合う国際交流事業です。2005年のイギリスでのグレンイーグルスサミットからスタートしました。

今回は、外務省とユニセフの共催で、日本を含むG8の各国から1チーム(4名)とG8以外の国から7名、計15カ国39名の中高生が参加し、1)気候変動、2)貧困と開発、3)国際保健の3つのテーマに基づいて話し合いが行われました。
そこで出た意見は、「千歳宣言」と「J8アクション・プラン」としてまとめられています。

J8の様子は、テレビ報道では殆ど見ることができませんでしたが、「政府インターネットテレビ」で見ることができます。

いろいろな国の若者たちが集い、世界で起こっている諸問題を共有し、解決のために討議を重ねる様子を見て、未来には希望があり、世界は良くなると思いました。

お時間がありましたら、ご覧になってはいかがでしょうか。8分30秒ほどのビデオです。
「政府インターネットテレビ」からお入りください。
政府インターネットテレビ>21ch地球環境・サミット>「今」実行し「未来」へ引き継ぐJ8サミット

2008年7月21日月曜日

森林はCO2を吸収しています

IPCC第4次評価報告書によりますと、大気中の炭素量は7600億トンで、毎年34億トンずつ増加しているそうです。そんな中、植林等によって吸収される炭素量は年間14億トンだそうです。

森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長しています。


樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素量は一本一本みんな違っていますが、CO2排出量と森林(スギ人工林)のCO2吸収量を身近なもので考えてみました。目安にしていただければと思います。

1世帯から1年間に排出されるCO2の量は6500kg、スギ人工林0.8ha(スギ460本)の年間吸収量と同じくらいだそうです。100m×80mの土地にスギを460本植えた時の吸収量と同じくらいですね。

人間1人が呼吸により排出するCO2は年間320kgで、スギ23本の年間吸収量と同じくらいです。

自家用車用乗用車1台から排出されるCO2は年間2300kg、スギ160本の年間吸収量と同じくらいです。

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。地球上の二酸化炭素循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。(参考:林野庁HP)

注)ここに掲載されていますイラストの著作権は、THINKING ECOにあります。転載はお断りいたします。

2008年7月20日日曜日

電気自動車

夕方の番組「夢の扉」で紹介されていました究極のエコカー「エリーカ」には、インホイールモーター、リチウムイオン電池、回生ブレーキなどの多く技術が凝縮されているようですね。

時速370kmで走り、加速性にも優れた「エリーカ」は、タイヤのホイールに取り付けたモーターで車輪を回しています。「エリーカ」の8つ車輪すべてが駆動輪、全輪駆動車なのです。4輪駆動車が雪道でも走れるように、運動性能が良く、加速も良いのです。これはインホイールモーター方式と呼ばれ、トヨタやホンダなどの車でも採用されています。

電気自動車には電池(バッテリー)が欠かせません。日産自動車とNEC、トヨタ自動車と松下電器産業、独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機、三菱自動車と電池大手ジーエス・ユアサコーポレーションなど、自動車大手と電機大手が組んで、「エコカー」向けのリチウムイオン電池の開発・販売に力を入れています。

次に回生ブレーキです。回生ブレーキというのは、電気自動車やハイブリッドカーなどで用いられる電気ブレーキのことです。
例えば、自転車でブレーキをかけると、車輪とブレーキパッドの間に「摩擦熱」が発生しますね。「運動エネルギー」から「熱エネルギー」にエネルギーが形を変えることで、自転車は止まります。しかし、電気自動車では、摩擦熱のような形でエネルギーを捨ててしまうのではなく、電気エネルギーという形でバッテリーに回収しています。このエコロジーなシステムが回生ブレーキです。
ちなみに、2007年デビューの新型新幹線N700系は、必要なブレーキ力の全てを回生ブレーキでまかなっているそうです。新幹線はエコトレインといわれる所以ですね。

最後に、「エリーカ」は1回の充電で300kmは走れるそうです。「エリーカ」も三菱の電気自動車「iMiEV」も夜間電気を使うと1kmあたり1円で走るそうです。

ガソリンスタンドでガソリンを入れるように、短時間で充電が可能になれば、移動範囲も広がり、普及にも拍車がかかるのでしょうね。

2008年7月19日土曜日

バチカン市国のカーボンニュートラル化

カトリック信者10億人の総本山バチカン。バチカンは国全体が世界遺産に登録されている世界最小の国家です。国土の面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドのテーマパークエリアは0.51平方キロメートル、皇居は1.15平方キロメートルですから、その広さは容易に想像していただけると思います。

そのバチカン市国はカーボンニュートラル化を進めています。

カーボンニュートラルというのはCO2の増減に影響を与えない性質のことです。
バイオエタノールのような植物由来の生物の燃料は、燃やすとCO2が出ますが、植物は成長過程で光合成によりCO2を吸収していますので、ライフサイクル全体でみるとCO2の収支はゼロ、カーボンニュートラルであると考えられます。

また、事業活動などで排出されるCO2を、植林によって吸収させ、実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのことも、カーボンニュートラルと呼ばれています。

バチカンは、ハンガリーの新興企業クリマファからの寄贈を受けました。
クリマファは、ハンガリー中央部の0.15平方キロメートルの区画に植林し、かつてそこにった森を蘇させ、バチカン市国で一年間に車や暖房などによって排出されるCO2を吸収させるという取り組みを行っています。

そのバチカン市国は昨年2007年の9月に世界で初めてカーボンニュートラルな国になました。

2008年7月17日木曜日

エコな飛行機

エコカーやエコトレインが身近な言葉になってきましたが、航空機でも2013年には温室効果ガス排出規制の導入が予定されています。

航空機が排出している温室効果ガスの量は、全体から見るとまだ少ないのですが、航空機による輸送はこれからも増えていくと予想されています。近距離移動は、日本の新幹線のように、各国の高速鉄道などに振り替えることができますが、開発途上国ではそういうわけにいきません。また、海外へ行くときには飛行機は不可欠です。

そこで、エコな飛行機の開発が求められています。

先ず考えられたのが、軽量化です。
航空機がどれくらいの燃料を積んでいるかご存知でしょうか。
空荷の状態で236トンの機体に、86トン程度の人と貨物を積むと322トンになりますが、これを米国東海岸まで飛ばすために178トンもの燃料を積むそうです。86トンの人や貨物を運ぶのになんと2倍の178トンの燃料が必要で、総重量は合計500トンにもなるのですね。
まさに、「燃料を空中に持ち上げるために燃料を燃やす」という感じですね。

離陸時に、もっとも大量の燃料を消費するのですが、日本の複合材料、特に、炭素繊維複合材の技術はこの軽量化のために活用されています。

今、開発が急がれているのは、CO2排出量の少ない飛行機です。

アメリカのボーイングは、ジェット燃料に植物プランクトンで生産するバイオ燃料を混ぜるという計画を発表しました。水中に繁殖する緑藻が、水とCO2を吸収し光合成を通じてジェット燃料似た成分の油をつくる性質利用して、燃料になる油を抽出、ジェット燃料に混ぜるそうです。

ヨーロッパのエアバスは、燃料電池を搭載した航空機を開発しています。航空機は、機内で消費する電気をつくる発電機を燃料電池に置き換えることでCO2を削減したいと考えています。

2008年7月16日水曜日

みかん(柑橘類)のリサイクル

夏には夏みかん、冬には温州みかん、砂糖煮やジャムもあり、みかんはとても馴染みの深い果物ですね。
また、リサイクルなんて言葉は使っていませんでしたが、みかんの皮は、昔から、漢方薬(陳皮(ちんぴ))や入浴剤、掃除にも重宝されていました。

みかんなどの柑橘類の皮には、天然の油「リモネン」が含まれています。柑橘類の皮をよく見ると、表面に油の入ったプツプツしたものがありますね。この油が柑橘特有の香りの成分「リモネン」です。

リモネンの分子構造は、発砲スチロールの原料のポリスチレンと似ていています。似ているものですから、約98%が空気でできている体積の大きい発砲スチロールですが、リモネン液に簡単に溶け、1/50の容量になるそうです。もともと2つの液は化学反応を起こしたわけではありませんから、リモネンが蒸発するとポリスチレンに戻ります。純度100%のポリスチレンを取り出し、再生発砲スチロールを生産できるわけですね。この天然リモネンによる発砲スチロールリサイクルシステムはソニーが開発したそうですよ。

また、「リモネン」はプラスチックにもなるそうです。コーネル大学の研究グループがオレンジなどの柑橘類果実と二酸化炭素(CO2)からプラスチックを作る方法を開発しています。リモネンの酸化物と温室効果ガスであるCO2を、触媒を用いて反応させてつくるようです。

日本でも、株式会社バイオテックマテリアルは、独自のバイオマスプラスチック製造技術を生かし、みかんジュースの絞りかすとポリプロピレンを高温高圧で混ぜ、建材をつくっています。

化石燃料の使用量も減らせ、みかんも丸ごと有効利用でき、素晴らしい技術ですね。いつまでもみかんを食べられる環境であって欲しいですね。

2008年7月13日日曜日

アメリカの山火事

今年もまた、アメリカのカリフォルニア州で、大規模な山火事が発生しているようですね。カリフォルニア州では、この30年で大規模な山火事が約4倍に増えたそうです。

気温の上昇が、山間部の雪解けを早め、夏から秋にかけて土地や木をいっそう乾燥させ、山火事が起こりやすい状況をつくっているのだそうです。
そして、温室効果ガスを吸収する木が大量に失われ、気温上昇と山火事の頻発を招く悪循環にはまっているそうです。

昨年の南カリフォルニアの山火事だけで排出された二酸化炭素は約200万トン、これは44万台の車の年間排出量に匹敵するそうです。


上の写真は、アリゾナ州で撮ったものですが、カリフォルニア以外に米国西部でも大規模な山火事が発生し、長期的な温暖化の影響が出始めているそうです。

山火事によって、温室効果ガスを吸収するはずの森林が、大量の温室効果ガスを排出してしまっているのですね。

シガテラ中毒

シガテラ中毒は、サンゴ礁海域にすむ魚を原因として起きる食中毒です。自然毒食中毒としては世界的に最大の規模で、年間2万人以上の中毒患者が発生しています。死亡率は低いものの、下痢や吐き気のほかに、ドライアイス・センセーションと呼ばれる温度を感じる感覚の麻痺を伴い、回復には数ヶ月以上かかるそうです。

コロンブスが航海を始めた15世紀から、「サンゴ礁に船が座礁すると、そこに住む魚が毒をもつ」という言い伝えがあり、クック船長の日記にも「ふだんは無毒のはずの魚をたべ、奇妙な中毒を起こす船員がいる」と書かれているそうです。

東北大学の安元先生は、1976年にWHO(世界保健機構)の依頼を受け、シガテラ中毒の多発地帯のタヒチで、シガテラ毒の研究を始め、原因を明らかにしました。
その結果、サンゴが何らかの原因で死んだあとに、環境の変化に強い石灰藻が増え、その石灰藻に付着する渦鞭毛藻と呼ばれるプランクトンよって、シガテラ中毒の原因となるシガトキシン類が生産されることが分かりました。

シガトキシン類は食物連鎖をとおして次々と魚に蓄積されていきます。
沖縄県や南九州での中毒はしばしば発生していましたが、2002年末、千葉県内の料理店でイシガキダイを食べた人が、昨年には大阪府でも、イシガキダイを食べた釣り人が、中毒になりました。

地球温暖化により海の環境も変化してきています。
オニヒトデが大量発生し、サンゴを食い荒らすという異常事態も起きています。サンゴの死滅は、シガテラ中毒の発生につながります。海水温上昇によって魚を毒化するプランクトンの生息域が広がっている可能性があります。亜熱帯以南でしか起きないはずの「シガテラ中毒」の温帯域への拡大が懸念されています。