2008年2月29日金曜日

COP/MOP

【COP/MOP】という用語をご覧になったことはありますか。
【COP】は締約国会議「Conference of the Parties」の略です。多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されています。気候変動枠組条約の締約国会議は【COP-FCCC】と言います。

【MOP】は「締約国会合」と言い、「the meeting of the Parties」の略です。
【COP/MOP】は、正式には「締約国会合として機能する締約国会議」と言い、「Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties」の略です。京都議定書に関することを審議するための会合で、COPの一部として開催されています。

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的に作られた「気候変動枠組条約」を締結しているのは、平成19年8月現在、191カ国及び欧州共同体です。また、先進国から排出される温室効果ガスの具体的な削減数値目標や、その達成方法などを定めた「京都議定書」を締結しているのは、アメリカは不参加を表明しており、平成19年12月現在、176カ国及び欧州共同体がです。

このように、「気候変動枠組条約」と「京都議定書」の締約国は必ずしも一致しません。そのために、京都議定書には別の最高決定機関が必要となりました。しかし、条約と議定書のメンバーはほぼ重複していますから、それぞれ別の日に会議を開いていたのでは効率が悪いため、京都議定書の場合には、条約のCOPが議定書のMOPを兼ねることになりました。そこで、COP/MOPと呼ばれているのです。

2005年カナダのモントリオールで、気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)と京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)が開催されました。

2008年2月27日水曜日

気候変動枠組条約

環境問題を考える上でのキーワードのひとつに「気候変動枠組条約」があります。英語では「Framework Convention on Climate Change(FCCC)」と言います。

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて署名が開始され、1994年に発行しました。平成19年8月現在、191カ国及び欧州共同体が締結していいます。

「COP」という言葉もよく出てきます。COPは締約国会議(Conference of the Parties)の略で,環境問題に限らず,多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されているものです。たとえば、気候変動枠組条約の締結会議はCOP-FCCC、生物の多様性条約(CBD)の締結会議ではCOP-CBDとなります。

1997年、気候変動枠組条約の第3回締結会議(COP3)で、法的拘束力をもった温室効果ガス削減のための京都議定書が採択されました。アメリカは不参加を表明しましたが、2004年にロシアが参加したことで、2005年に京都議定書が発効しました。これには、平成19年12月現在、176カ国及び欧州共同体が締結しています。

2008年2月26日火曜日

ガソリンの燃焼で発生するCO2

ガソリン価格の高騰が続いていますね。
「1リットル??円」って気になりますが、「1リットルで、CO2??リットル」って考えたことがありますか。

皆さんもご存知の通り、
自動車はガソリンを燃やした時に発生するエネルギーを使って動く仕組みになっています。雑誌「ニュートン」の記事にあったのですが、

重さで考えると、ガソリン1リットルが燃焼すると、約2.3kgの二酸化炭素が発生するそうです。
体積で考えると、ガソリン1リットルが燃焼すると、約1170リットルの二酸化炭素が発生するそうです。

【1リットルで、約2.3kgCO2】【1リットルで、約1170リットルCO2】ということです。
環境省は、「めざせ!1人、1日、1kgCO2削減」と呼びかけています。
お出かけの時、公共交通機関をご利用になってはいかがでしょうか。

2008年2月25日月曜日

温室効果ガスの種類とその強さ

ほとんどの気体には大なり小なり温室効果があるそうですが、京都議定書では、下記の6種類のガスを排出削減の対象としています。

温室効果の強さは、ガスの種類によって異なり、赤外線の吸収能力が高いほど、大気中に残っている期間(寿命)が長いほど、強くなります。また、温室効果の強さは、二酸化炭素の温室効果を「1」 とする「地球温暖化指数(GWP)」で表しています。

1) 二酸化炭素(CO2):大気中の寿命 - GWP=1 化石燃料使用することによって増加してきました。

2) メタン(CH4):大気中の寿命=12年 GWP=25 農業、天然ガスの輸送、ごみの埋め立てなど、人間活動の結果として増加してきました。

3) 一酸化二窒素(N2O):大気中の寿命=114年 GWP=298 肥料の使用や化石燃料燃焼のような人間活動により排出されます。

4) ハイドロフルオロカーボン類
例)CFC-11(CCl3F):大気中の寿命=45年 GWP=4750 いわゆるオゾン層を破壊するフロンガス のことです。

5)パーフルオロカーボン類
例)HCFC-22(CHCl2F):大気中の寿命=12年 GWP=1810 いわゆる代替フロンガスのことです。

6)六ふっ化硫黄(SF6):大気中の寿命=3200年 GWP=23900 絶縁装置の絶縁ガスなどに使用されています。 

1kg のメタンは、25kgの二酸化炭素と同じ温室効果を持っています。温室効果の強さだけを比べるメタンや一酸化二窒素の方が、二酸化炭素と比べかなり強いことがわかります。しかし、二酸化炭素の大気濃度は、メタンの213.6倍、一酸化二窒素の1188倍もあります。

大気中の濃度や寿命を考えると、六ふっ化硫黄などの微量ガスも含め、排出削減対策を急いで進める必要性があるようです。
             (参考:国立環境研究所 地球環境研究センター資料)

2008年2月23日土曜日

永久凍土の融解

北海道大学の気候変動分野の研究によりますと、永久凍土の存在する地域の多くは、地球上で最も温度上昇が大きい地域だそうです。

また、この地域では、温暖化が原因で起こる火災、森林開発に伴う火の不始末と考えられる火災などが頻発し、1996年のモンゴル北部からシベリア南部にかけての大火災では約3万平方キロを焼失したそうです。

永久凍土の融解は、このような急激な温度上昇や森林火災が原因によって引き起こされています。さらに、この永久凍土の融解は、さまざまな現象を引き起こしているのです。

降水量が非常に少ないシベリアでは、地下に永久凍土という形で水分が存在していますから針葉樹林が育っていました。しかし、その針葉樹林が伐採や火災で消滅したところでは、直射日光が届くようになり、永久凍土が融け出し、閉じ込められていたメタンガスが放出されるようになります。

メタンガスは、二酸化炭素の20倍以上の温暖化効果があると言われています。メタンガスの放出で益々温暖化が進むことになります。

国土の3分の2が永久凍土というモンゴルでも、永久凍土の融解が起っています。過去8年間で最大2メートルも凍土が減少したそうです。国立環境研究所などは、首都ウランバートル市周辺の永久凍土は、20年後には消滅し、草原は砂漠化する可能性が高いと報告しています。

永久凍土

地球温暖化問題でクローズアップされている「永久凍土」、学校で習ったことがありましたね。

永久凍土というのは、夏でも地中の温度が0℃以上にならずに、地中の水が凍ったまま残る状態のことを言います。アラスカ、シベリア、カナダなどに広がっていますが、シベリアのヤクーツクでは永久凍土の厚さが500mにも達しているそうです。

その面積は、地球の陸地の14%を占めると言われています。森林の面積は陸地のおよそ30%ですから、世界の永久凍土地帯の面積は、世界の森林面積の半分くらいということになりますね。そう考えるとかなり広い面積ですね。

また、永久凍土の存在する地域の降水量は、砂漠なみに少ないそうです。夏には地表近く氷が融け、湿原ができたり、植物が生育し、草原ができたり、カラマツの疎林ができている地域もあります。そして、永久凍土の中には、死んだ植物が分解される時に作られたメタンが大量に蓄積されているのです。

今、地球温暖化によって、永久凍土が融け始めています。そしてこの永久凍土の融解が、更なる世界的な温暖化を引き起こすと考えられているのです。

2008年2月22日金曜日

ダイポールモード現象

インド洋のダイポールモード現象は、1999年に、日本の海洋研究開発機構と東大の海洋観測グループによって発見されました。海がもたらす異常気象、気候変動のかなりの不明部分が解明し、世界的な話題を呼びました。

この現象が発達すると、インド洋東部の海面水温が異常低下し、逆に西部の海面水温が異常上昇、大気変動を経由して、世界各地に異常気象をもたらします。2007年には、インドネシアとオーストラリア西部では旱魃が発生し、ケニアを中心とした東アフリカにおいては大洪水頻発、日本では西日本から沖縄にかけて猛暑となりました。

米ワシントン大学の研究グループの研究によると、世界の海面温度はこの約50年間で約0.5℃上昇したそうです。一般に海水は空気に比べて約1000倍もの熱を蓄えることができるそうです。そこでこの海水温の上昇分を大気で考えた場合、なんと約40℃も上昇することになります。わずかだと思われる0.5℃という温度上昇は、じつは膨大なエネルギーの吸収を意味しているのです。そしてこのエネルギーの一部が強い台風やハリケーンを多発させると考えられています。

地球の表面積のほぼ4分の3を占める海は、気温の変化やCO2濃度の上昇などを緩和する働きを持っています。しかし、今、海の温暖化が大きな気象変動を引き起こしているのです。

2008年2月19日火曜日

エコセメント

地域によっても異なりますが、可燃ごみの焼却灰が、処分場で埋め立て処分されるごみの多くを占めています。この可燃ごみや下水汚泥の焼却灰が主原料となって、新しいタイプのセメントが造られています。エコセメントと呼ばれ、道路の側溝、縁石、ブロック、ベンチなど、さまざまな用途に使われ、エコマーク商品としても認定されています。可燃ごみ焼却灰のリサイクルです。

焼却灰には普通セメントに必要な成分が含まれています。製造の際、1300℃以上の高温で焼成するため、廃棄物に含まれるダイオキシン類などの有機化合物は、水、炭酸ガス、塩素ガスなどに分解されて無害化されます。重金属も回収処理され、製品についても、酸性雨を考慮したテストなどが行なわれ安全性が確保されています。

最近では、ダイオキシン類に汚染された土壌をエコセメントの原料として使用する取り組みも行われています。

ゴミ処理場を管理する行政とエコセメントを製造する企業の、新たな循環型社会の構築への取り組みが始まっています。

2008年2月18日月曜日

モーダルシフト

モーダルシフトは、本来は交通・輸送手段を変えることですが、CO2排出量を削減するために、貨物輸送をトラックから船や鉄道利用に転換する意味で広く用いられています。

2005年のデータによると、日本の運輸部門のCO2排出量は年間約2億5200万tで、全排出量の約2割を占めています。このうち約9割が自動車によるものです。

1トンの貨物を1㎞運ぶときのCO2の排出量は、鉄道はトラックの1/8、海運は1/4しかありません。貨物輸送の方法を転換することで、鉄道利用では87%、海運利用なら75%もCO2排出量を削減することができるのです。こうしたことから、地球温暖化対策としてのモーダルシフトの重要性が高まっているのです。

大量の幹線貨物輸送をモーダルシフトした場合、二酸化炭素の排出量削減だけでなく、エネルギー節減、窒素酸化物の排出抑制、道路交通騒音の低減、労働力不足の解消などのメリットが期待されます。しかし、デメリットもあり、コンテナ列車、コンテナ船の増強、ターミナル駅、港湾の整備などが必要となってきます。

輸送に関わる多くの企業がモーダルシフトに熱心に取り組んでいます。その一例として佐川急便の取り組みがあげられます。佐川急便は、JR貨物と共同で世界初の特急コンテナ列車「スーパーレールカーゴ」を開発しました。これは、最新の駆動・制御システムにより、最高時速130kmで東京-大阪間を約6時間で走り、貨物列車としては最速を誇っています。この「スーパーレールカーゴ」は、平成16年度エコプロダクツ大賞のエコサービス部門で国土交通大臣賞を受賞しました。

2008年2月17日日曜日

ふゆみずたんぼ米

「ふゆみずたんぼ米」って、可愛い名まえですね。
宮城県北部の蕪栗沼(かぶくりぬま)周辺の水田で作られるお米の名まえです。「冬期湛水水田」と言って、秋の収穫後、田んぼに水を張り、冬の間も水を張った状態にしておく耕作方法で作られることから、このような名前が付けられたそうです。

もともと、蕪栗沼(かぶくりぬま)は、国の天然記念物マガンを中心とする渡り鳥の宝庫でした。そこに、冬の間、落穂を残し、田んぼを耕さないまま水を張った「ふゆみずたんぼ」が加わり、渡り鳥のねぐら、餌場、休憩所が広がり、マガンの飛来数では日本最大の越冬地になりました。

また、「ふゆみずたんぼ」には、「土づくり」「抑草効果」というふたつの大きな効果があるそうです。水が張られた田んぼの中に棲む菌類やイトミミズによって、「トロトロ層」と呼ばれる栄養豊かな土壌が作られ、その「トロトロ層」下にある雑草の種は発芽できないで死滅してしまうそうです。

田植えをした後もイトミミズは増え続けるそうで、結果として肥料なしで稲は育ち、雑草が生えないので、農薬も不要になります。また、農薬を使わない田んぼには『くもの巣』が一面に広がります。この『くもの巣』は、田んぼにやってくる虫を駆除してくれるのです。

こうして栽培された「ふゆみずたんぼ米」は、無農薬で環境にやさしい安全なお米として市場でも高い値段で販売されます。

「蕪栗沼(かぶくりぬま)・周辺水田」は、2005年ラムサール条約による登録されました。生き物を呼び寄せ、その力を活かし、持続可能な農業を目指しており、環境・農業の両面から全国的に注目を浴びています。

2008年2月16日土曜日

バイオエタノール混合ガソリン(E3)

2月14日小泉潤一郎元首相は宮古島市を訪れ、サトウキビを原料とするバイオエタノールとガソリンを混合した燃料の給油施設などを視察しました。

宮古島はサトウキビの産地です。サトウキビの茎を細かく砕いて搾り、出てきた液体から砂糖を取り出したあとに、もうこれ以上は砂糖がとれない状態になった液が残ります。この液は糖蜜と呼ばれ、糖度が40%程度もあります。一般的には飼料の一部として再利用されることが多いようですが、このように糖を多く含んだ糖蜜は、エタノールの原料にもなるのです。

宮古島の人たちにとって、移動手段である自動車も美しい自然環境も欠かせないものです。糖蜜を原料とするエタノールを自動車用燃料として活用し、バイオエタノール混合ガソリンを普及させることは、島内の資源を再利用しながら、CO2を削減し、自然環境を守ることができるとても良いシステムなのです。

しかし、今ここに問題が生じています。環境省は、バイオエタノール3%混合ガソリン(E3)の利用拡大をはかっていますが、石油連盟はE3に混入するガソリンの供給を拒否しているため、E3の給油施設が少ないということです。

石油連盟によると、エタノールは水分を吸収しやすいため、ガソリンとの混合の過程で、水などの不純物が混入する可能性があり、E3の安全性に責任は負えないから、E3向けのガソリンは供給しないのだそうです。また、ETBEという別方式のバイオ燃料の普及を促進したいという考えもあるようです。

地球規模で取り組んでいかなければならない温暖化対策です。今後の話し合いが急がれます。

2008年2月13日水曜日

ラムサール条約

2月12日、環境省は、サロマ湖など3ヶ所をラムサール登録地に申請する方向で調整していることを明らかにしました。

ラムサール条約は、多種多様の生物が繁殖している大切な湿地の環境を、特に国を越えて飛んでいく水鳥たちを中心にして、世界の国々が守っていこうという国際条約です。正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、1971年にイランの地方都市ラムサールにおいて取り決められたことからこの名がつきました。

ラムサール条約でいう湿地の範囲は広く、引き潮の時の水深が6メートルより浅い海域も含め、人口湿地、自然湿地に関わらず、水のあるところが対象になっています。湿地の生態系を維持しつつ、そこから得られる恵みを持続的に活用するために「賢明な利用(wise use)」を目指しています。

世界では、2006年3月現在、150ヶ国、1591ヶ所が登録されています。日本では、1980年に釧路湿原が登録され、1993年の釧路会議では、琵琶湖、谷津干潟などが加わり、2005年11月現在の登録地は33カ所です。

谷津干潟は千葉県習志野市、東京湾の最奥部に残された約40haの干潟です。周囲は完全に埋め立てられ、住宅や東関東自動車道に囲まれた干潟は2本の水路で海とつながっています。シベリアなどの北の国と東南アジアやオーストラリアなどの南の国を行き来する旅鳥にとって渡りの途中の中継地とし大変重要な場所となっています。

谷津干潟 http://www.yatsuhigata.jp/

藤田スケール

「藤田スケール」お聞きになったことありますか?福岡県出身の藤田哲也・シカゴ大学教授が1971年に提唱した、国際的に広く用いられている、竜巻の規模を表す数値です。

建物などの被害状況から竜巻の風速が推定でき、「テレビアンテナが倒れ、小枝が折れる」などがF0で風速17―32メートル、住家が倒壊、車が持ち上がり飛ばされれば同70―92メートルのF3。最大のF5は同117―142メートルで、住家が跡形もなく吹き飛ばされ、車や列車が飛び、とんでもない所まで飛ばされる「信じられない被害」とされています。

竜巻とよく似た現象で「塵旋風」というものがあります。竜巻のように渦を巻き砂やちりを巻き上げる数メートルほどの渦巻きで、グラウンドや広場などでよく見られます。これは、太陽によって地面が強く暖められ、地面近くの空気が上昇することによって発生します。竜巻は積乱雲や積雲など基となる雲が必ずありますが、塵旋風は雲がなくても発生します。竜巻とは全く別の現象なのです。

地球温暖化に伴い、季節はずれの台風、スコールなみの豪雨など気候も「劇症型」になってきたと言われていますが、2006年には日本でも甚大な竜巻災害が発生しています。

気象庁は、竜巻への注意を呼びかける気象情報「竜巻注意情報」を新設し、3月26日から提供を始めると発表しました。

2008年2月11日月曜日

コージェネレーション

昔から韓国などで使われているオンドルは、台所で煮炊きをしたときに発生する蒸気や煙を床下に通し、暖房として使用する設備です。このように、エネルギーを有効活用しようという考え方を用い、発電の際に発生した熱を利用する省エネシステムがコージェネレーションシステムCGS(cogeneration system)です。

エネルギーを利用するところで発電しますから、電線を伝ってくる電気に比べてエネルギーロスも減少し、燃料に天然ガスやバイオマスを利用すれば、二酸化炭素の排出を抑制することもできます。

欧米ではコージェネレーションのことを、燃焼のエネルギーを発電と熱に利用するという意味でCHP(combined heat and power)と呼んでいます。2050年までに二酸化炭素排出量を60%削減する目標を発表した英国は、地球温暖化対策の一環としてコージェネレーションの導入を促進しています。

昨年、開発途上国の製糖工場に大規模なコージェネレーションを導入する計画が発表され、話題になりました。電力不足に悩む開発途上国では、大規模なコージェネレーションが電力と熱の供給源として期待されています。

2008年2月10日日曜日

アジェンダ21

アジェンダ21は、「21世紀の予定表」という意味で、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットで採択された、持続可能な開発ための具体的な行動計画のことです。

第1部「社会的/経済的側面」、第2部「開発資源の保全と管理」、第3部「NGO、地方政府など主たるグループの役割の強化」、第4部「財源/技術などの実施手段」の4部から構成されています。

そこでは、バイオテクノロジーやエネルギー、大気、森林、砂漠、生物多様性、海洋など分野ごとのプログラムのほか、実施のための資金協力などの制度のあり方を138項目にわたって規程しています。

実施に関する国別の行動計画をナショナルアジェンダ、地方レベルの計画をローカルアジェンダとして取り組みが進んでいます。1993年に神奈川県で「アジェンダ21かながわ」が策定されたのを始め、市区町村でも、翌年に東京都板橋区が「アジェンダ21いたばし」を策定するなど、地方公共団体による地域に根ざした取り組みが進みつつあります。

2008年2月9日土曜日

フェアトレード・ラベル運動


フェアトレードは「公正な貿易」という意味です。

経済的、社会的に立場の弱い開発途上国の生産者が作ったコーヒーやバナナなどの農産物や手工芸品などを、彼らの生産活動や生活が成り立つ適正な価格で購入し、開発途上国の自立を促すという人道的側面が強い社会運動、国際協力活動としてヨーロッパで始まりました。

1997年、一般のマーケットにフェアトレード商品を広めるために、基準を作り、それを消費者に知らせるラベル運動の統一組織として、FLO(国際フェアトレード・ラベル機構)が発足しました。現在20カ国にまで拡大して、世界的ネットワークができています。

日本では1993年にフェアトレード・ラベルジャパンは発足しました。日本で取り扱われているフェアトレード・ラベル認定商品は、コーヒー、紅茶、チョコレート、はちみつ、砂糖、バナナ、スパイス、ワイン、切花、サッカーボールです。

このフェアトレード・ラベル運動は、現在では、経済的、社会的、環境的問題のバランスをとりつつ、開発途上国の持続可能な経済発展と貧困解消のために重要な役割を果たしています。

もうすぐバレンタインデーですね。「フェアトレード・チョコ」をお求めになりませんか?

フェアトレード・ラベルジャパン
http://www.fairtrade-jp.org/index.html

2008年2月6日水曜日

京都メカニズム

「京都メカニズム」とは、1997年国連気候変動枠組条約第3回締約国会議で採択された「京都議定書」で認められている、温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズムです。

京都議定書では、日本は、1990年を基準年として2008年~2012年までの5年間の平均値で排出量6%を削減することになっています。

しかし、日本の産業界では、温室効果ガス削減に向けた取り組みを、オイルショック以来積極的に行なっており、京都議定書の目標に向けて更なる大幅な温室効果ガス削減は厳しい状況です。国内での排出削減の努力が重要なことには変わりはありませんが、市場原理を用いて目標を達成する京都メカニズムは日本にとっては重要な選択肢です。

京都メカニズムには、「排出権取引」、「共同実施(JI)」「クリーン開発メカニズム(CDM)」があります。

排出権取引:先進国どうしが削減目標達成のため排出量を売買する制度。
共同実施(JI):先進国が他の先進国の温室効果ガス削減事業に投資し、削減分を目標達成に利用できる制度。
クリーン開発メカニズム(CDM):先進国が途上国で温室効果ガス削減事業に投資し、削減分を目標達成に利用できる制度。

2008年2月5日火曜日

地球サミット

1972年、国連として環境問題全般に取り組んだ初めての会議がスウェーデンのストックホルムで開催されました。

その20年後の1992年6月に、リオデジャネイロで開催された「国連国際会議」は「地球サミット」とも呼ばれています。世界各国の元首、首脳が出席し、国連に加盟しているほぼすべての国が参加した地球規模の歴史的な会議になりました。
ここでは、「気候変動枠組条約」と、地球上の野生生物を保護するための「生物多様性条約」への署名が始まるとともに、環境と開発に関する行動計画となる「リオ宣言」、リオ宣言の行動計画となる「アジェンダ21」、森林保全のための「森林原則声明」が合意されました。

気候変動枠組条約は、「地球温暖化防止条約」とも呼ばれ、155カ国が署名した、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的とした条約です。(第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択されたものが、京都議定書議定です。 )

10年後の2002年8月には、南アフリカのヨハネスブルグで、持続可能な開発のための首脳会議が開催されました。この会議も「「地球サミット」とも呼ばれ、アジェンダ21の実施を促進するための取組を示した「実施計画」と、持続可能な開発のための指針となると「ヨハネスブルグ宣言」が採択されました。

2008年2月3日日曜日

経済産業大臣賞を受賞した温水洗浄便座

今日は、経済産業大臣賞を受賞した温水洗浄便座「ビューティ・トワレ」をご紹介しましょう。

節水・節電おまけに掃除の手間も減らせる、温水洗浄便座「ビューティ・トワレ」。大きな特徴は以下の2つです。
1)便座も洗浄シャワーも「使う時だけ暖める」方式
2)便器の汚れ付着を未然に抑える「360°方向 アクアコート」機能

1) 便座も洗浄シャワーも「使う時だけ暖める」方式
一般的な温水洗浄便座(貯湯タンク式)は、「便座」と「洗浄シャワー」を常に暖め続けていますが、「ビューティ・トワレ」は、人がトイレに入ってくると、センサーが働いて人を感知し、アルミ製便座を短時間で加熱し、使う時だけ便座を暖めます。また、洗浄シャワーも使う時だけ暖めるようになっています。これにより、年間使用電気代は約1782円。これは9年前の商品に比べ約73%、約4900円の節約になっています。

2)便器の汚れ付着を未然に抑える「360°方向 アクアコート」機能
人がトイレに入ってくると、センサーが働いて、自動的に専用ノズルから360°方向にシャワーが噴射し、便器の内側表面に水の膜をつくり、便器の汚れの付着を未然に抑えます。掃除の手間も省けそうですね。

使わないときの「便座暖房」「温水暖房」の電気代がそのまま節約できるお得な温水洗浄便座。また、最近のトイレは、洗浄水も一昔前の半分くらいで水量で、節水効果も大きいのです。できることなら、すぐにでも取り付けたくなる「ビューティ・トワレ」でした。

2008年2月2日土曜日

ジャトロファ

ジャトロファは日本名をナンヨウアブラギリと言います。最近は観葉植物として流通しているようですが、樹高3m から8m 程のアジアやアフリカに広く分布する樹木です。

成長も早く、害虫にも強く、日本のおおよそ3分の1程度の降雨量でも育ち、旱魃にも強いことから、砂漠化対策の担い手でもあります。

今、このジャトロファが、バイオエネルギーの担い手として脚光を浴びています。3~4kgの種子から1リットル、大豆の約5倍、ナタネの約3倍もの良質な油も取れるのです。毒性があるため、トウモロコシなどを原料とするバイオエタノールのように、食用油とは競合しないため、価格は安価で安定しています。

植物由来のエネルギーですから、燃焼させても二酸化炭素を排出したとはみなされないことから先進国でも注目され、アジア・アフリカでも新たな収入源として期待されています。

日本でも国産のジャストロファによるバイオディーセル燃料の普及を目指し、遺伝子組み換えによる品種改良も視野にいれた、寒さに強いジャストロファの研究が始まるようです。