2008年2月16日土曜日

バイオエタノール混合ガソリン(E3)

2月14日小泉潤一郎元首相は宮古島市を訪れ、サトウキビを原料とするバイオエタノールとガソリンを混合した燃料の給油施設などを視察しました。

宮古島はサトウキビの産地です。サトウキビの茎を細かく砕いて搾り、出てきた液体から砂糖を取り出したあとに、もうこれ以上は砂糖がとれない状態になった液が残ります。この液は糖蜜と呼ばれ、糖度が40%程度もあります。一般的には飼料の一部として再利用されることが多いようですが、このように糖を多く含んだ糖蜜は、エタノールの原料にもなるのです。

宮古島の人たちにとって、移動手段である自動車も美しい自然環境も欠かせないものです。糖蜜を原料とするエタノールを自動車用燃料として活用し、バイオエタノール混合ガソリンを普及させることは、島内の資源を再利用しながら、CO2を削減し、自然環境を守ることができるとても良いシステムなのです。

しかし、今ここに問題が生じています。環境省は、バイオエタノール3%混合ガソリン(E3)の利用拡大をはかっていますが、石油連盟はE3に混入するガソリンの供給を拒否しているため、E3の給油施設が少ないということです。

石油連盟によると、エタノールは水分を吸収しやすいため、ガソリンとの混合の過程で、水などの不純物が混入する可能性があり、E3の安全性に責任は負えないから、E3向けのガソリンは供給しないのだそうです。また、ETBEという別方式のバイオ燃料の普及を促進したいという考えもあるようです。

地球規模で取り組んでいかなければならない温暖化対策です。今後の話し合いが急がれます。