ほとんどの気体には大なり小なり温室効果があるそうですが、京都議定書では、下記の6種類のガスを排出削減の対象としています。
温室効果の強さは、ガスの種類によって異なり、赤外線の吸収能力が高いほど、大気中に残っている期間(寿命)が長いほど、強くなります。また、温室効果の強さは、二酸化炭素の温室効果を「1」 とする「地球温暖化指数(GWP)」で表しています。
1) 二酸化炭素(CO2):大気中の寿命 - GWP=1 化石燃料使用することによって増加してきました。
2) メタン(CH4):大気中の寿命=12年 GWP=25 農業、天然ガスの輸送、ごみの埋め立てなど、人間活動の結果として増加してきました。
3) 一酸化二窒素(N2O):大気中の寿命=114年 GWP=298 肥料の使用や化石燃料燃焼のような人間活動により排出されます。
4) ハイドロフルオロカーボン類
例)CFC-11(CCl3F):大気中の寿命=45年 GWP=4750 いわゆるオゾン層を破壊するフロンガス のことです。
5)パーフルオロカーボン類
例)HCFC-22(CHCl2F):大気中の寿命=12年 GWP=1810 いわゆる代替フロンガスのことです。
6)六ふっ化硫黄(SF6):大気中の寿命=3200年 GWP=23900 絶縁装置の絶縁ガスなどに使用されています。
1kg のメタンは、25kgの二酸化炭素と同じ温室効果を持っています。温室効果の強さだけを比べるメタンや一酸化二窒素の方が、二酸化炭素と比べかなり強いことがわかります。しかし、二酸化炭素の大気濃度は、メタンの213.6倍、一酸化二窒素の1188倍もあります。
大気中の濃度や寿命を考えると、六ふっ化硫黄などの微量ガスも含め、排出削減対策を急いで進める必要性があるようです。
(参考:国立環境研究所 地球環境研究センター資料)