2008年2月22日金曜日

ダイポールモード現象

インド洋のダイポールモード現象は、1999年に、日本の海洋研究開発機構と東大の海洋観測グループによって発見されました。海がもたらす異常気象、気候変動のかなりの不明部分が解明し、世界的な話題を呼びました。

この現象が発達すると、インド洋東部の海面水温が異常低下し、逆に西部の海面水温が異常上昇、大気変動を経由して、世界各地に異常気象をもたらします。2007年には、インドネシアとオーストラリア西部では旱魃が発生し、ケニアを中心とした東アフリカにおいては大洪水頻発、日本では西日本から沖縄にかけて猛暑となりました。

米ワシントン大学の研究グループの研究によると、世界の海面温度はこの約50年間で約0.5℃上昇したそうです。一般に海水は空気に比べて約1000倍もの熱を蓄えることができるそうです。そこでこの海水温の上昇分を大気で考えた場合、なんと約40℃も上昇することになります。わずかだと思われる0.5℃という温度上昇は、じつは膨大なエネルギーの吸収を意味しているのです。そしてこのエネルギーの一部が強い台風やハリケーンを多発させると考えられています。

地球の表面積のほぼ4分の3を占める海は、気温の変化やCO2濃度の上昇などを緩和する働きを持っています。しかし、今、海の温暖化が大きな気象変動を引き起こしているのです。