2008年1月30日水曜日

グリーンアーキテクチャー

グリーンアーキテクチャー(環境にやさしい建築)が今注目されています。デザイン、建設、管理方法を変えることによって水・土地・エネルギーを節約する「持続可能な」建築、グリーンアーキテクチャーは、まさに新しい分野となっています。

ひとつ紹介しましょう。
2004年、フォスターとそのパートナーによって設計された、ロンドンにそびえるスイス・レ・タワーです。タワーの姿がガーキンピクルス(小さなキュウリのピクルス)の怪物のように見えることから、親しみをこめて“ガーキン”と呼ばれています。
高さが180メートルあり、先が細くなったガラス張りのタワーは、地上1階にレストラン、ショップ、カフェが並ぶショッピングセンターの上にそびえ立っています。同じ大きさの従来のビルにくらべて、このタワーは半分のエネルギーしか使わないそうです。上に向かってらせん状に広がる外壁は、40階の各フロアに新鮮な空気と自然光を送り、外部にある天候センサーが、気温、風速、日光の強さをチェックして、必要に応じてブラインドを閉めたり、窓パネルを開けたりするということです。

日本では、グリーンアーキテクチャーとして、壁面や屋上の緑化が盛んに取り組まれています。

2008年1月29日火曜日

エコロジカル・フットプリント

世界の人口はどんどん増えていっています。20世紀の初めは約15億人だった人口が、1999年10月24日には60億人に達し、現在では66億人です。2100年には90億人から100億人になると考えられています。それだけの数の地球の住人が、食べる、飲む、顔や体を洗う、移動する、となると、そのとき、地球には果たして充分な資源はあるのでしょうか。

私たちは普段何気なく生活していますが、作物を作るための土地、出すゴミが占める場所など広い土地を使っています。また、移動のためにエネルギーを消費し、空気も汚染しています。

エコロジカル・フットプリントとは、このような私たち一人一人の生活を支えるために必要な、耕作地・牧草地・森林などの土地、漁業などの水域を面積で示したものです。gha(グローバルヘクタール)という単位で表します。この面積が大きければ大きいほど私たちの生活が自然に与える影響も大きいということです。

2003年の世界平均は、1人当たり2.2ghaでした。1haサッカー場1個分くらいです。アメリカは9.6gha、日本は4.4gha、中国は1.6gha、インドは0.8ghaでした。

日本のフットプリントが、1人当たり4.4ghaということは、日本人1人が自分のために約4.4haの土地を必要としているということです。もし、地球上にいる人がみな日本人のように暮らしたら、地球が2.4個必要になります。

地球はひとつしかありません。私たちや未来の子どもたちが、この地球でずっと暮らしていけるように、2.2gha以下のフットプリントで生活できるように、知恵を出し合い、実践していく必要があるようです。
(参考資料:WWF「生きている地球レポート2006」)

2008年1月28日月曜日

エコマーク


皆さんもご存知のエコマークは、私たちの身の回りにある商品の中で、地球環境への負担が少なくて、環境保護に役立つ商品につけられるマークです。消費者が商品を購入するときの目安になるよう導入されました。

もともとはISO(国際標準化機構)で規格化された「環境ラベル」が基本になっています。日本では1989年に始まり、(財)日本環境協会が審査・認定しています。

このエコマーク、エコマークのついた環境にいい製品が市場に浸透してしまうと、その役目を終えて、その基準が廃止されるのです。アルミ缶についているプルトップがその例です。 1990年にサントリーがエコマークつきのプルトップ(ステイオンタブ)を採用したところ、タブの散乱防止と環境美化、資源の節約に結びついて普及しはじめました。現在ではほぼ100%の缶がこの形になり、この形のプルトップはエコマークじゃなくなっています。

エコマークは日本だけのものではなく、世界各国にも独自の環境ラベルがあります。その中でも、ドイツのブルーエンジェルと呼ばれる環境ラベルは全世界ではじめて作られた環境ラベルです。

エコに関するいろいろなマークを集めたページです。是非こちらもご覧ください。
http://www.thinking-eco.info/label_environment_1.html

2008年1月26日土曜日

カーボン・オフセット

私たちは、日常生活でどんなに省エネを心がけても、エネルギーを使わないわけにはいきませんね。自分がエネルギーを使うことで排出するCO2を自分で処理できれば一番良いのでしょうが、自分ではどうすることもできません。そこで登場したのが「カーボン・オフセット」の考え方です。

「カーボン・オフセット」は、どうしても排出してしまう温暖化ガスを、自分ではない別の場所・別の人が行なう「温室効果ガス削減事業」の効果と組み合わせることで、差し引きゼロにするという、ヨーロッパで生まれた考え方です。

たとえば、自分が排出したCO2の量を削減するのに必要な費用を、クリーンエネルギー事業や植林・森林保護などの温室効果ガスを削減するための取り組みやプロジェクトに投資することによって、差し引きゼロにしようとすることです。

昨年、郵政省は「カーボンオフセット年賀状」を、二酸化炭素削減費用として年賀状価格に5円上乗せし55円で販売しました。
英国では、政府や企業の職員が出張する際、航空機が排出するCO2を相殺するための費用を負担してそうですが、日本の旅行会社でも、旅行中に飛行機利用などから排出される二酸化炭素(CO2)の削減費用を旅行経費に上乗せする「二酸化炭素(CO2)ゼロ旅行」などの商品をそろえています。

これらの上乗せ料金は環境団体に寄附されます。その団体は、国連が認定した温室効果ガス削減プロジェクトから得た排出権を購入し、その排出権は京都議定書の目標にも算入され、日本の削減目標にも貢献します。

個人のカーボンオフセット費用はCO2、1トン当たり4200~5000円だそうです。2005年の1世帯の二酸化炭素排出量は、約5、5トンCO2でした。

日本カーボンオフセット
http://www.co-j.jp/auth_mng.php?page=member/index.php&action=/index

2008年1月24日木曜日

ニュークリーンディーゼル

自動車は、ガソリン車とディーゼル車に大きく分類されます。「オットー」が発明したガソリンエンジンで走るガソリン車はガソリンを燃料とし、「ディーゼル」が発明したディーゼルエンジンで走るディーゼル車は軽油を燃料とし、バスやトラックなどの大型車に多く採用されています。

排ガスの面から見ると、一般的にガソリンエンジンは、二酸化炭素、一酸化炭素と炭化水素を多く排出します。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、熱効率が良く、燃費も良く、二酸化炭素(CO2)の排出もガソリンより少ないのです。しかし、窒素酸化物などの排ガスを多く排出することから、日本やアメリカでは、ヨーロッパのように普及しませんでした。

では、何故、ディーゼル車は、ヨーロッパで普及したのでしょうか?
ひとつは、北海油田のような硫黄分が少ない軽油に恵まれていたからでした。排ガス後処理装置は硫黄分が少ないほど十分に機能するのです。二つ目は、1997年、燃焼効率を高め、排ガスに含まれる粒子状物質を大幅に削減できる「ディーゼルの革命」と呼ばれた新技術が実用化されたからです。

ヨーロッパでの排気ガス規制は段階的に厳しくなってきました。この新しい規制に適合するディーゼル車の排ガスはガソリン車の排ガスと変わらなくなってきています。ニュークリーンディーゼルと言われる所以です。日本でも自動車各メーカーがディーゼル車の製造を始め、早いものは2008年末には販売される予定です。「クリーン」「高性能」といった評価で、ニュークリーンディーゼルに大きな注目が集まっています。

2008年1月23日水曜日

'08エコ活動ランキング

ポータルサイトgoo が行なった環境ランキング「2008年に取り組んでみたいエコ活動ランキング」です。
1位 エコバッグを使う
2位 省エネ家電を使う
3位 マイ箸を使う
4位 マイカーを使わず自転車・公共機関を使う
5位 マイ水筒を使う

1位はエコバッグでした。
エコバッグ(マイバッグ・マイバスケット)持参運動を薦めているイオン(株)では、2007年12月のエコバッグ持参率は約23%でした。これにより、イオン(株)で削減したレジ袋は、石油に換算すると、石油200リットルドラム缶3714本分になるそうです。レジ袋などの容器包装が家庭ゴミに占める割合は、体積で約6割といわれています。是非とも、エコバッグ持参の習慣を定着させたいですね。

3位と5位にマイ箸・マイ水筒が上がっていました。
割り箸やペットボトルなど使い捨てられてしまう資源を大切にしたいという気持ちのあらわれでしょうね。日本における1年間の割り箸の消費量は約250億膳、私たち1人当たり1年で約200膳の割り箸を使っていることになるそうです。

リデュース(=廃棄物を出さない)、リユース(=再使用する)、リサイクル(=再資源化する)と言われて久しいです。エコバッグ、マイ箸、マイ水筒を使うことでリデュースを実践してみてはいかでしょうか。“もったいない”ですものね。

2008年1月22日火曜日

ヒートポンプ

毎日寒いですね。
皆さんは子どものとき、冷たい手をお母さんの温かい手で包んでもった経験はありませんか?ゆっくりと温もりが伝わってきましたね。その暖かくなった手で、兄弟の冷たい手を温めてあげることができますね。熱は伝わるもの、移動するものなのですね。

ヒートポンブは、物を燃やして熱を取り出すのではなく、熱の移動によって熱を取り出すことのできる優れた技術です。

エアコンの暖房を考えてみましょう。外の空気が持っている熱を“冷媒”という液体で汲み上げ、圧縮という操作により“冷媒”の温度を上げます。室外機でそれを行なっています。
次に、室内機の中で“冷媒”は部屋の空気に触れ、蓄えていた熱を空気に伝えます。だから、室内機からは、熱をもらって温かくなった風がでてくるのです。

最近のヒートポンプ技術は、外気温がマイナス10℃でも、圧縮によって冷媒の温度を90℃まで上げることができます。

室内で熱を放出した“冷媒”は減圧という操作で元の状態より低い温度になり、再び室外機で外の空気の持っている熱を汲み上げます。

ヒートポンプの技術は、圧縮のために電気を使いますが、電気カーペットや電気ヒーターのような電気を直接熱に換えるものより3倍以上も効率が良いのです。冷蔵庫や洗濯乾燥機にも利用され、省エネ技術として大いに期待されています。

2008年1月21日月曜日

ヴァーチャルウォーター(仮想水)

農産物の栽培には水が必要です。食料を輸入することは、農産物の栽培に必要となる水を、わたしたちが間接的に消費したと考えることができます。農産物の輸入により、日本は水資源を節約できたことになり、その代わり輸出国では栽培のために水を消費したことになります。

ヴァーチャルウォーター(仮想水)は、農産物の栽培や製品の製造に使われた水を、その製品の購入者が間接的に消費したとするという考え方のことです。

東京大学生産技術研究所の沖大幹助教授らのグループが試算した結果によると、輸入している農作物や畜産のために使われる水の量は、年間にしてなんと約640億m。日本人は、年間約640億mの水を輸入していることになります。そしてこれを1人1日あたりに換算すると、実に1460リットル、おフロにして約8杯分になるそうです。

水の大切さをあらためて考え直すきっかけになったのではないでしょうか。

2008年1月20日日曜日

ドイツと日本の環境事情

日本もドイツも、第二次世界大戦後目覚しい復興を遂げ、1960年頃には、同じように環境汚染という問題に直面しました。今、ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しました。この違いはどこから生まれたのでしょうか?

ドイツは、戦後の経済復興の拠点となったルール工業地帯から排出されるばい煙で晴れた日でも青空が見えないほどの状況であったと言われています。野党党首だったブラントが1968年に政権に就き、環境保護政策に着手。さらに国民の環境意識を国政に反映させる「緑の党」が結成されました。「緑の党」はフィィンランド、ベルギーなど欧州各地で次々と結成されて、平和で持続可能なエコロジー社会を目指しました。

日本でも、四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病などの公害が社会問題化し、政府も大気・水質汚染の改善に努力しました。しかし、その後、環境保護全体にかかわる法規制の強化もなく、市民レベルの環境保護運動も育ちませんでした。

日本人もドイツ人も、環境問題への意識は大きく変わらないのです。ただ、日本人は意識先行型でドイツ人は行動先行型という見方があるようです。環境への危機意識が「緑の党」の結成につながり、欧州各地でも結成されていったということは、その行動力の大きさを物語っているのでしょう。日本は、ヨーロッパとは異なり、海に囲まれた国ですが、環境問題に国境はありません。ここはひとつ、行動力を発揮して行こうではありませんか!!

フロン

およそ35億年ほど前、海の中で生命が誕生しました。その生命活動によって作られた酸素は地上に拡がっていきます。やがて、成層圏まで届いた酸素(O)は、太陽からの強い紫外線によって、オゾン(O)に変化し、地球を覆うオゾン層を作りました。オゾン層が太陽からの紫外線を吸収してくれるおかげで、陸上でも生命活動が始まりました。およそ4億年前のことです。

そのオゾン層がフロンによって破壊されていることが80年代にわかりました。フロンは、冷蔵庫などの冷媒、精密な部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤などとして広く使われている、人工的に作られた安定した物質です。オゾン層破壊に関係するのは、数百種類もあるフロンの中の、塩素原子を含んだフロンです。オゾンと反応し、オゾンを酸素原子(O)に分解することがわかってきました。

現在のオゾンを破壊しているのは15年前に私たちが放出したフロンだそうです。90年代になってオゾン層破壊物質の規制が国際的に行われました。日本でもオゾン層破壊を引き起こさない「代替フロン」が使われるようになっています。このフロン規制によってオゾン層は21世紀初頭から半ばには回復に転じると言われています。

しかし、フロンはオゾン層を破壊するだけではないのです。二酸化炭素の1300倍もの「温室効果」を持つのです。「代替フロン」はまだまだ使用されています。二酸化炭素は森林が吸収してくれますが、フロンを吸収してくれる物質はありません。完全な脱フロンがなされなければ、状況は決してよくならないようです。

2008年1月16日水曜日

温暖化効果ガス

太陽から地球に降り注ぐ光は、地球の大気を素通りして地面を暖め、その地表から放射される熱を温室効果ガスが吸収し大気を暖めます。

地球温暖化を生み出す温室効果ガスは人間の活動と関連があります。その主なガスは、化石エネルギー資源(石炭・石油・ガス)を燃やすことでできる二酸化炭素です。

*1896年、スウェーデンの科学者スヴァンテ・アレニウスが二酸化炭素に地球を暖める「温室効果」があることを初めて発表。
*1938年、イギリスのアマチュア気象家ガイ・スチュアート・カレンダーが「人間の産業活動の結果、二酸化炭素が増加して温暖化が進行している」と発表。

そのほかにも温室効果ガスは存在しています。メタン(CH4)ガスや冷暖房機や冷蔵庫に使われている冷却ガスです。

ただ、、、
温室効果は自然現象です。もし温室効果がなければ、地球は15℃ではなくマイナス18℃になり、私たちは暮らせません。しかし、人工的に温室効果を増大させたら、現代の気候の微妙なバランスを壊すことになるのです。

2008年1月15日火曜日

お薦めの本

図書館へ行くと、
さらっと読んで楽しむ本、しっかり読んで考える本・・・
いつもいろいろな本を借りてきます。

「こんな本があったらいいのになぁ~」と思って 、背表紙を眺めながら探すこともあります。
「ここに居るよ!」と言わんばかりに、本が引き寄せてくれるときもあります

今回は、探しつつ、引き寄せられた本がありました。
さらっと読めて、しっかり考えさせられる、環境について書かれた本でした。
ぜひ、皆さんにも読んでいただきたくて、ご紹介することにしました。

「親子で読む地球環境の本 持続可能な開発 小さな一歩」
 カトリーヌ・ステルン著、伊藤緋紗子訳、講談社

「気候変動+2℃」
 責任編集 山本良一  Think the Earth Project 編、ダイヤモンド社

2008年1月12日土曜日

都市鉱山

携帯電話やパソコンなどには、さまざまな非鉄金属が使われています。昔も今も装飾品として輝きをはなっている金は、携帯電話約1万台分から約280グラムも回収可能と言われており、金鉱石に含まれる金含有量よりも多い値だそうです。

自動車、家電などからも非鉄金属が回収されています。膨大な産業廃棄物も日本の持つ技術生かし、取り組み方を工夫すれば、金や銀、鉛インジウムなどの金属資源を大量に取り出すことができます。

このような金属は、都市に存在し、リサイクルの対象になるため「都市鉱山(urban-mine)」と呼ばれています。計算によると、わが国の「都市鉱山」は世界有数の資源国に匹敵する規模になっているそうです。

しかし、残念なことに、近年、使用済み金属スクラップも重要な資源として国際流通される時代に入り、使用済み製品として、本来得られる価値よりも安い価格で流失しているようです。
資源の乏しい日本、身近にある貴重な資源を繰り返し使っていきたいですね。

2008年1月11日金曜日

排出権ビジネス

排出権取引というビジネスをご存知ですか?

1997年12月、京都で開催された地球温暖化防止国際会議で条約としてまとめられた「京都議定書」中で、二酸化炭素削減の初めて数値目標が設定されるとともに「京都メカニズム」も認められました。

「京都メカニズム」は、自国で二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことがどうしても難しい場合、技術援助を行って、他国の温室効果ガスの排出量を削減できれば、その分は自国の排出量を減らしたことにしようというものです。

そこから考えられたのが、排出権取引というビジネスです。

◆日本の某商社が、開発途上国に400万本ものゴムの木の植林。大量に植えられたゴムの木は、大量の二酸化炭素を吸収して酸素に変えます。こうして減らした二酸化炭素の分を排出権にしようと計画しているそうです。現在、二酸化炭素の額は1トンで500円が相場と言われています。今回の場合、300万トンの二酸化炭素を減らすことになるので、約15億円もの排出権が生まれるのです。

こうして手に入れた巨額な権利の排出権を、まだまだ二酸化炭素を減らさなければならない企業や国に売るわけです。こうした権利の売り買いを「排出権ビジネス」と呼ぶのです。

二酸化炭素1トン約500円、メタンガスは1トン約600円、フロンガスは1トン約700円。二酸化炭素に値段がつき、きれいな空気をめぐって巨額マネーがやり取りされようとしています!

2008年1月10日木曜日

感染症

地球温暖化によって、蚊が媒介する感染症、マラリア、デング熱、西ナイル熱などが、増加すると考えられています。

マラリアは、日本でも、1890年に屯田兵とその家族に流行したという記録が残っています。現在の日本で発生しなくなっているのは、蚊の生息条件や住宅構造、人の行動様式などが変わり、マラリア患者がいなくなったためなのです。温暖化や大規模な自然災害などで生活様式が変化すると、“再発・再流行”の可能性があるのです。

西ナイル熱は、人が感染すると、高熱や脳炎などを引き起こします。アフリカの風土病であったこの病気は、鳥にもうつることから、流行地域が大きく拡大したと考えられています。過去数年で、ニューヨークを起点として全米に急速に拡大しており、毎年数千人の患者と約100人の死亡者が発生しています。シベリアなどの寒冷地域でも発生しています。

デング熱は、ヤブカと呼ばれるネッタイシマカや、ヒトスジシマカが媒介します。語源が、スペイン語の「激痛」を意味する「denguero」に由来しているという説もあるとおり、この病気になると、突然の高熱と発疹、その直後に激しい痛みが生じます。 熱帯地方で発生したこの病気も、温暖化やヒートアイランドなどの影響で、蚊の分布域が拡大すること、流行の可能性が考えられます。

2008年1月9日水曜日

エコレールマーク


昨日は、フードマイレージのお話をしましたが、同じ距離でも、輸送手段が違えば、環境への影響も異なってきます。

国内の二酸化炭素排出量の約20%を運輸部門が占めています。そのほとんどは自動車から排出され、鉄道は運輸部門のわずか3%程です。
「1人を1km運ぶのに排出する二酸化炭素の量」は、鉄道はバスや自動車の約1/10です。また、エネルギー効率では、鉄道は国内輸送機関全体のうち、約3%のエネルギー消費で約30%の輸送量を担っています。(2005年資料より)
鉄道が、自動車に比べ、少ないエネルギーでたくさんの人・物を運んでいることが、よく分かりますね。鉄道の環境に対する優位性は明らかです。

そこで、地球温暖化を防ぐため、製品などを運ぶ物流部門でもさまざまな取り組みが行なわれています。その一つが、トラック輸送から鉄道貨物輸送に転換する「モーダルシフト」というものです。

国土交通省は、輸送手段の環境対策として、鉄道貨物輸送の活性化を促すため「エコレールマーク事業」を推進しています。基準を設けて、環境問題に積極的に取り組んでいる商品・企業を認定し、エコレールマークの表示を認めています。現在、飲料水や日用品、家電など、8商品・31企業が認定を受けています。

2008年1月8日火曜日

フードマイレージ

地球温暖化とともに語られるになった「フードマイレージ」という言葉をご存知ですか?

フードマイレージ(food mileage)の直訳は「食料輸送距離」。食料を生産地から消費者の食卓まで運ぶ時の【食料の総重量】×【輸送距離】で表される値のことです。2000年の日本のフードマイレージは約5000 億トン・キロメートルで、韓国の約 3.4 倍、アメリカの約3.7 倍でした。

フードマイレージが高いということは、食料の輸送距離が長いということで、たくさんの燃料を消費し、二酸化炭素などの温室効果ガスをたくさん排出しているということです。それだけ、環境に対して悪い影響を与えていることになります。

「フードマイレージ・キャンペーン」で「平成19年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」(主催:環境省)を受賞した「大地を守る会」の試算よると、佐賀県産の大豆で作った豆腐とアメリカ・ノースダコタ州産の大豆で作った豆腐を東京の消費者が食べる場合、佐賀産を食べた場合のほうが150グラムのCO2を減らせることになるそうです。

日本の食料自給率が4割を切った今、フードマイレージは世界一になってしまいました。温暖化対策と自給率アップにもつながる「地産地消」を真剣に考える時期に来ているのではないでしょうか。

2008年1月7日月曜日

氷河の後退

温暖化の兆候は確かにありました。そう、今思えば。

アラスカでは、凍土が溶けて、道路が崩れたり、新しい湖ができたり、、、
グレートバリアリーフでは、サンゴが白化したり、、、
でも、残念なことに、ひとつひとつの変化が、地球的規模の温暖化の兆候とは気付かなかったのです。

氷河の後退も温暖化の兆候です。氷河の融解は河川の流れを変え、数百万人に水ストレスを与えています。氷河の融解によってできた湖は不安定で、急激な崩壊や洪水を起こしやすく、下流の人々を脅かしているのです。

氷河の膨張や収縮からは、観測機器が普及していない頃からの気象変化を推測することができます。氷河後退の例を挙げてみます。ご参考にしていただければと思います。


・ アラスカ : 氷河は後退し、薄くなっている。
・ グリーンランド : グリーンランドにおける多量の氷の急速な後退・喪失によって懸念が引き起こされている
・ カナディアン・ロッキー山脈 : 氷河の後退に伴って、過去2500年間で初めて木の切り株が露出している。
・ ポポカテベトル山 : ベントリージョ氷河は1950~1982年の間に後退の痕跡を残している。
・ 米国 : ワシントン州のサウス・カスケード氷河とコロラド州のアラパホ氷河は後退している。1960年以後、アラバホ氷河は厚さも40m減少した。
・ 北アンデス : ペルーのケルッカヤ氷河は1970年代や1980年代に比べ、10倍も早く-最大年あたり30mで-後退している。
・ 天山山脈 : 山脈北部の400の氷河は、1955年以来、体積が25%消失した。
・ 氷河湖 : ヒマラヤ山脈にあるブータンでは、融解水の増加により、氷河の麓に湖が発達している。水を支えている自然のダムは崩壊して、奔流となって流れる水を解き放ち、下流の谷間に住む人々の生命を脅かす可能性がある。
・ ヨーロッパアルプス : 氷河は、1850年の面積の1/3に縮小し、体積の半分が消失した。
・ ヒマラヤその他アジアの氷河 : 調査した殆どすべての氷河は後退中である。
・ パプア(旧イリアン) : メレン氷河は2000年に消失した。カルテンツ氷河とノースウォール・ファーン氷河は2000年以来、面積が20%消失した。
・ 東アフリカ : 雪の冠を山頂にかぶっている有名なケニア山では、冠が非常に急速に縮小しているため、2025年までには消失する可能性がある。
・ 南極半島 : 85%の氷河が後退している。
参考資料:近藤洋輝氏訳「温暖化の世界地図」

2008年1月6日日曜日

郵便局経由でPCリサイクル

今日は、家庭用パソコンのリサイクルの話です。
使用済みパソコンは、「資源有効利用促進法」(改正リサイクル法)により、パソコンメーカーが自主回収し、再資源化するよう義務付けられています。

そして、とても便利なことに・・・・・
使用済みパソコンは、「ゆうパック」を利用した回収システムを利用すると、所定の手続後、自宅への戸口集荷を依頼できるのです。回収されたパソコンは、郵便局から各メーカー指定の再資源化施設に送られ、そこで再資源化されます。所定の手続きについては、ぜひ各メーカーへお問い合わせ下さい。

回収費用ですが、リサイクルマークのあるパソコンは無料です。このマークは、パソコン本体に刻印されている場合もあれば、シールを貼る場合もあります。シールは貼りなおしができません。いったん貼ったものを剥がすと新たに回収料金が必要になりますのでご注意ください。

2008年1月5日土曜日

エコプラント

お部屋のインテリアとして観葉植物を置いていらっしゃる方は多いと思います。植物の成長に生命力を感じ、緑の色彩に温かい安らぎを感じますね。本当にこころもからだも癒されます。


そんな観葉植物に空気清浄能力があることをご存じですか?NASA(アメリカ航空宇宙局)は、スカイラボと呼ばれる宇宙の実験室で、長年にわたって実験・研究し、この事実を明らかにしました。そのなかでも特に空気清浄効果の高い50種類の植物は、「エコプラント」と名づけられました。


植物は葉にたくさんの気孔を持っています。この気孔からホルムアルデヒドなどの有害物質が吸収され、植物の転流作用(物を流す作用)によって、葉から茎・根に送りこまれ、吸収され、浄化されるのです。


植物によって、特徴や持っている能力が異なるようです。アオワーネッキは有害物質除去能力が高く、スパティフィラムは空気浄化に優れ、アレカヤシには接着剤などキシレン除去作用があるそうです。環境が問われる時代、観葉植物にも注目してはいかがでしょうか 。

2008年1月3日木曜日

サステナビリティ

サステナビリティ“sustainability”は、日本語表記で「持続可能な」という意味です。

実は、このサステナビリティ、皆さんもよくご存じの言葉にも含まれています。健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイルを意味する言葉「ロハス(Lifestyle of Health and Sustainability)」の「ス(S)」がサステナビリティなのです。

小泉元首相は、2002年に南アフリカで開かれたヨハネスブルクサミットで「持続可能な開発のための教育の十年」を国連が宣言するように、日本のNGOとともに提案しました。ユネスコは、2005年から10年間を「ESDの10年」として提唱し、初等から高等教育、さらには生涯学習のレベルまでESDの推進を各国に呼びかけています。

地球温暖化に代表される環境破壊や汚染、核兵器や紛争・貧困など地球規模の諸問題をそのままにしておくことはできません。今こそ、人類の英知を集めて、持続可能な社会に再構築し、次の世代に渡していくことが求められています。

*ESD:持続可能な発展のための教育(Education for Sustainable Development)。