自動車は、ガソリン車とディーゼル車に大きく分類されます。「オットー」が発明したガソリンエンジンで走るガソリン車はガソリンを燃料とし、「ディーゼル」が発明したディーゼルエンジンで走るディーゼル車は軽油を燃料とし、バスやトラックなどの大型車に多く採用されています。
排ガスの面から見ると、一般的にガソリンエンジンは、二酸化炭素、一酸化炭素と炭化水素を多く排出します。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、熱効率が良く、燃費も良く、二酸化炭素(CO2)の排出もガソリンより少ないのです。しかし、窒素酸化物などの排ガスを多く排出することから、日本やアメリカでは、ヨーロッパのように普及しませんでした。
では、何故、ディーゼル車は、ヨーロッパで普及したのでしょうか?
ひとつは、北海油田のような硫黄分が少ない軽油に恵まれていたからでした。排ガス後処理装置は硫黄分が少ないほど十分に機能するのです。二つ目は、1997年、燃焼効率を高め、排ガスに含まれる粒子状物質を大幅に削減できる「ディーゼルの革命」と呼ばれた新技術が実用化されたからです。
ヨーロッパでの排気ガス規制は段階的に厳しくなってきました。この新しい規制に適合するディーゼル車の排ガスはガソリン車の排ガスと変わらなくなってきています。ニュークリーンディーゼルと言われる所以です。日本でも自動車各メーカーがディーゼル車の製造を始め、早いものは2008年末には販売される予定です。「クリーン」「高性能」といった評価で、ニュークリーンディーゼルに大きな注目が集まっています。