日本もドイツも、第二次世界大戦後目覚しい復興を遂げ、1960年頃には、同じように環境汚染という問題に直面しました。今、ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しました。この違いはどこから生まれたのでしょうか?
ドイツは、戦後の経済復興の拠点となったルール工業地帯から排出されるばい煙で晴れた日でも青空が見えないほどの状況であったと言われています。野党党首だったブラントが1968年に政権に就き、環境保護政策に着手。さらに国民の環境意識を国政に反映させる「緑の党」が結成されました。「緑の党」はフィィンランド、ベルギーなど欧州各地で次々と結成されて、平和で持続可能なエコロジー社会を目指しました。
日本でも、四日市ぜんそく、水俣病、イタイイタイ病などの公害が社会問題化し、政府も大気・水質汚染の改善に努力しました。しかし、その後、環境保護全体にかかわる法規制の強化もなく、市民レベルの環境保護運動も育ちませんでした。
日本人もドイツ人も、環境問題への意識は大きく変わらないのです。ただ、日本人は意識先行型でドイツ人は行動先行型という見方があるようです。環境への危機意識が「緑の党」の結成につながり、欧州各地でも結成されていったということは、その行動力の大きさを物語っているのでしょう。日本は、ヨーロッパとは異なり、海に囲まれた国ですが、環境問題に国境はありません。ここはひとつ、行動力を発揮して行こうではありませんか!!