アラスカでは、凍土が溶けて、道路が崩れたり、新しい湖ができたり、、、
グレートバリアリーフでは、サンゴが白化したり、、、
でも、残念なことに、ひとつひとつの変化が、地球的規模の温暖化の兆候とは気付かなかったのです。
氷河の後退も温暖化の兆候です。氷河の融解は河川の流れを変え、数百万人に水ストレスを与えています。氷河の融解によってできた湖は不安定で、急激な崩壊や洪水を起こしやすく、下流の人々を脅かしているのです。
氷河の膨張や収縮からは、観測機器が普及していない頃からの気象変化を推測することができます。氷河後退の例を挙げてみます。ご参考にしていただければと思います。
・ アラスカ : 氷河は後退し、薄くなっている。
・ グリーンランド : グリーンランドにおける多量の氷の急速な後退・喪失によって懸念が引き起こされている
・ カナディアン・ロッキー山脈 : 氷河の後退に伴って、過去2500年間で初めて木の切り株が露出している。
・ ポポカテベトル山 : ベントリージョ氷河は1950~1982年の間に後退の痕跡を残している。
・ 米国 : ワシントン州のサウス・カスケード氷河とコロラド州のアラパホ氷河は後退している。1960年以後、アラバホ氷河は厚さも40m減少した。
・ 北アンデス : ペルーのケルッカヤ氷河は1970年代や1980年代に比べ、10倍も早く-最大年あたり30mで-後退している。
・ 天山山脈 : 山脈北部の400の氷河は、1955年以来、体積が25%消失した。
・ 氷河湖 : ヒマラヤ山脈にあるブータンでは、融解水の増加により、氷河の麓に湖が発達している。水を支えている自然のダムは崩壊して、奔流となって流れる水を解き放ち、下流の谷間に住む人々の生命を脅かす可能性がある。
・ ヨーロッパアルプス : 氷河は、1850年の面積の1/3に縮小し、体積の半分が消失した。
・ ヒマラヤその他アジアの氷河 : 調査した殆どすべての氷河は後退中である。
・ パプア(旧イリアン) : メレン氷河は2000年に消失した。カルテンツ氷河とノースウォール・ファーン氷河は2000年以来、面積が20%消失した。
・ 東アフリカ : 雪の冠を山頂にかぶっている有名なケニア山では、冠が非常に急速に縮小しているため、2025年までには消失する可能性がある。
・ 南極半島 : 85%の氷河が後退している。
参考資料:近藤洋輝氏訳「温暖化の世界地図」