排出権取引というビジネスをご存知ですか?
1997年12月、京都で開催された地球温暖化防止国際会議で条約としてまとめられた「京都議定書」中で、二酸化炭素削減の初めて数値目標が設定されるとともに「京都メカニズム」も認められました。
「京都メカニズム」は、自国で二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことがどうしても難しい場合、技術援助を行って、他国の温室効果ガスの排出量を削減できれば、その分は自国の排出量を減らしたことにしようというものです。
そこから考えられたのが、排出権取引というビジネスです。
◆日本の某商社が、開発途上国に400万本ものゴムの木の植林。大量に植えられたゴムの木は、大量の二酸化炭素を吸収して酸素に変えます。こうして減らした二酸化炭素の分を排出権にしようと計画しているそうです。現在、二酸化炭素の額は1トンで500円が相場と言われています。今回の場合、300万トンの二酸化炭素を減らすことになるので、約15億円もの排出権が生まれるのです。
こうして手に入れた巨額な権利の排出権を、まだまだ二酸化炭素を減らさなければならない企業や国に売るわけです。こうした権利の売り買いを「排出権ビジネス」と呼ぶのです。
二酸化炭素1トン約500円、メタンガスは1トン約600円、フロンガスは1トン約700円。二酸化炭素に値段がつき、きれいな空気をめぐって巨額マネーがやり取りされようとしています!