2008年3月31日月曜日

WWF:世界自然保護基金

WWF(World Wide Fund for Nature)世界自然保護基金は、50カ国以上の国に拠点を置き、100を超える国々で地球規模の活動をする世界最大の自然保護団体です。

1961年に、世界野生生物基金(WWF:World Wildlife Fund) として、絶滅の危機にある野生生物の保護を目的としてスイスで設立されました。

やがて、その活動は、野生生物の保護だけではなく、地球環境の保全、持続可能な自然資源の利用へ拡大し、1986年には、世界自然保護基金(WWF:WorldWide Fund for Nature)へと名称を改めました。

WWFは、全世界的な危機となりつつある問題に取り組むために、現在6つのアプローチで地球環境の保全を目指しています。
「森林の保全と人間社会の共生を実現すること」「水環境を見直しすべての生命を育む水の保全に取り組むこと」「海洋汚染問題への取り組みや持続可能な漁業の推進」「絶滅危惧種の保護」「地球温暖化を抑える活動」「有害化学物質のない環境づくりのための活動」の6つです。

それらの活動はグーグルアース上でも紹介されています。WWFの可愛いパンダのロゴをクリックしながら、今の地球の様子を覘いてみてはいかがでしょうか。

参考) グーグル・アースを開き、サイドバーの「▼レイヤ」のビューで「すべてのレイヤ」を選択し、下に表示された項目の中のグローバルアウェアネスを開き、「WWF自然保護プログラム」に「+」をチェックします。次に、マウスを操作しながら、衛星写真上のパンダを探し、クリックすると、各地域でのWWFの活動の様子を見ることができます。

WWFジャパン:http://www.wwf.or.jp/index.htm

2008年3月25日火曜日

海水の淡水化

世界には衛生的な飲料水にアクセスできないひとが12億人以上います。深刻な水不足に悩まされている国は26カ国あり、2050年には少なくとも70カ国が水不足の問題を抱えると国連食糧農業機関は予測しています。

地球表面の70パーセントが水に覆われているのですが、、、
その97.4パーセントは海水、
残り2.6パーセントの淡水の大部分は、氷河や氷床、氷山に恒久的に貯えられ、
人間が直接利用できる水資源は全体のわずか1パーセントにも満たないそうです。

新たな水を求めて、海水の淡水化事業が世界各地で行われています。
淡水化には、大きく2つの方法があります。
「蒸発によって塩分を取り除く方法」と「ろ過によって塩素イオンを除去する方法」です。

蒸発させる方法は、加熱して蒸発を行なうため、多量のエネルギーが必要です。淡水化プラントと発電所や精油所が併設される場合が多くみられるのはそのためです。
ろ過する方法では、水は通すがイオンや塩類などの不純物は通しにくい半透膜(逆浸透膜)を使って真水をつくり出します。

将来、この逆浸透膜の研究が進めば、水中に蓄積してしまう農薬やヒ素、重金属、硝酸塩、医薬品の派生物などの除去も可能になるようです。

待ち遠しい限りです。

2008年3月24日月曜日

こんな環境ビジネスも

化石燃料の枯渇、地球温暖化、新たな資源・水の争奪、、、
環境の変化に伴い、新たに生まれる環境ビジネス。

環境・社会貢献意識の高い企業に対し、三井住友銀行は、環境ビジネスを通じて、単に温室効果ガスの削減だけに目を向けた活動を行なうのではなく、温暖化によって自然災害が頻発する地域への支援も同時に行なう、日本初のプログラム「Climate & Children Supporters」を開始しました。

アフリカ大陸のCO2排出量は世界全体の30分の1ほどですが、台風、洪水、旱魃といった深刻な環境の変化に見舞われ、感染症の拡大などの被害を大きく被っています。

気候変動の問題と開発途上国の子どもたちの問題の関連性を考え、そうした子どもたちへの支援の必要性を理解する、良い機会になって欲しいものです。

三井住友銀行ニュースリリース
温暖化対策活動を総合的に支援するプログラムの開始についてhttp://www.smbc.co.jp/news/j600284_01.html

2008年3月18日火曜日

バナナペーパー&ケナフペーパー

ケナフペーパー、バナナペーパーをご存知でしょうか。

紙の起源は、古代エジプトで使われた「パピルス」だと言われていますが、パピルスは茎の髄をたてに薄く削いで、縦・横・縦に重ね合わせて乾かし、一枚に仕上げたものです。現在の紙の原形となったものは、紀元前2世紀頃に中国で発明されたと考えられていています。

ケナフペーパーは、アオイ科フヨウ(英名:ハイビスカス)属のケナフの茎から作られる、木材パルプに似た良質な紙のことです。ケナフは、一年草で成長も早く、二酸化炭素を一般の樹木の4倍以上吸収し、地球温暖化にストップをかける環境保全植物として注目されています。また、クリーニング草とも言われ、土壌の浄化、地質改善にも優れているそうです。

バナナペーパーは、バナナの茎や葉の繊維から作られる紙です。2002年の調べでは、世界のバナナの総生産量は約1億トンで、そこから推量すると茎や葉の廃棄量は約10億トン。仮にすべての茎から繊維を取り出し、紙の原料として再利用すれば、バナナパルプ約5000万トンが製造でき、毎年消費される木材パルプの約30%に匹敵するそうです。

ケナフペーパー、バナナペーパーも、資源を有効に活用し、地球環境を守る大きな可能性を秘めた、木材に代わる資源として期待されています。

2008年3月17日月曜日

海水面の上昇

海水面の上昇と聞くと、「さんご礁の島、ツバル」を思い浮かべる方は多いと思います。首都があるフォンガファレ島の平均標高は1.5m、最も高い地点でも約4m。潮汐による干満の差は大きい時では2mを越すそうですから、標高が低い地域では海水面より低くなってしまうところも出てきます。

海水面の上昇の要因には大きく二つあります。温暖化により、氷河やグリーンランドの氷床の氷が融け、氷山や融けた水が海に流れ込み、海水の量が増えることと、水温が高くなって海水の体積が膨張することです。

今後、地球の気温が3~4℃上昇すれば、土地の水没により、バングラデッシュ、下エジプト、ベトナム、太平洋やカリブの小さな島国が大きな打撃を受け、3億3200万人が一時的または恒久的に住居を失う恐れがあるそうです。また、洪水の発生しやすい川岸のスラム地区で暮らす10億人の人々も脅威にさらされることでしょう。

海水面は、1993年以来約3mm/年の割合で上昇し、最新の予測結果では2100年までの海面上昇は18cm~59cmと見積もられていますが、海水温が上昇すると、熱帯性の暴風雨が激しくなり、台風も猛威を奮うと考えられます。「高潮による水浸し」の危険性も高まって来ます。今後は海面水位の監視を継続的に行うと共に、将来の海面上昇に備えて、海岸、河川の堤防などの施設整備を進めることが重要になると考えられます。
(参考:人間開発報告書、国立環境研究所HP)

2008年3月16日日曜日

炭素隔離技術

炭素隔離技術は、発電所などで発生する二酸化炭素を分離・回収し、圧力をかけて、それを排ガス田や地中の帯水層(地下水がある地層)に貯留する技術です。地中から石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を掘り出して、その炭素をエネルギーとして使い、その後二酸化炭素を再び地中に戻そうということのようです。

日本では、平成12年より、新潟県長岡市で、実用化に向けて実験が行なわれています。
ノルウェーのプロジェクトは北海の海上プラットフォームにて行われています。天然ガスを採掘するとき、一緒に出てくるCO2を分離して、天然ガスは陸へ輸送、CO2は帯水層に圧入しています。
カナダのプロジェクトでは、アメリカの工場からCO2だけを輸送して、深さ1000メートル程にある油層にCO2を圧入します。これによって、原油の回収がしやすくなると同時に、CO2を油層に貯留できるそうです。

海底下の地層へのCO2貯留は、海洋汚染防止のため、廃棄物海洋投棄などの制限を定めたロンドン条約議定書の改正により、2006年に例外規定として認められましたばかりです。

地下深部では、CO2が圧縮されるため、より多くのCO2を貯留することができます。
IPCCによると、世界全体での貯留可能量は少なくとも2兆トン(世界の総排出量の約100年分に相当)であると試算されています。

2008年3月15日土曜日

グーグル・アースで見る環境破壊

Google Earth は、まるで衛星写真を貼り付けた地球儀のようです。高度6000kmからの地球の衛星写真をズームインすると自宅の庭先まで見えるようになります。衛星写真の上には、さまざまな画像や内容が書かれたレイヤを重ねて載せることもできます。

国連環境計画UNEPでは、「変わりゆく環境」をテーマに、環境悪化が深刻な100の地域で、それぞれの画像や内容を著したレイヤをつくり、衛星写真の上に重ねて載せ、環境がどのように変化したかを一目で分かるようにしています。

グーグル・アースを開き、サイドバーの「▼レイヤ」のビューで「すべてのレイヤ」を選択し、下に表示された項目の中の「UNEP:変わりゆく環境地図」に「+」をチェックします。次に、マウスを操作しながら、衛星写真上の「UNEP」の四角い青いアイコンを探し、クリックすると、各地域での環境の変化の様子を見ることができます。

例えば、アフリカのタンザニアにあるキリマンジャロの「UNEP」の四角い青いアイコンをクリックすると、レイヤが現れます。キリマンジャロの温暖化による環境の変化を読み取ることができます。次にクリックすると、衛星写真はズームイン、新たな図が現れます。そこでまた、いろいろクリックすると、各地点での写真が映し出されます。九州の諫早湾の衛星写真、アマゾンのジャングルが変化していく様子など、是非、一度見てください。

グーグル・アースのダウンロード、詳しい操作方法については、下記のURLをご利用下さい。
HP http://earth.google.com/intl/ja/index.html  
ユーザーガイド http://earth.google.co.jp/userguide/v4/  

2008年3月12日水曜日

環境難民

環境難民とは、海面上昇や砂漠化、森林伐採など、環境・気候の著しい変化によって、住んでいた土地を離れなくてならなくなった人々のことを言います。

国連環境計画(UNEP)によると、世界では毎年、九州と四国を合わせた面積に等しい約6万平方㌔の土地が砂漠化しており、アフリカは最も深刻な状況にあるそうです。砂漠になった土地では人間は生きられません。環境難民になってしまいます。

インド洋に浮かぶ美しいリゾート地、モルディブの大統領は、1992年ブラジルで行われた地球サミットで「温暖化による海面上昇で海岸の侵食が進んでいる。このままでは国が水没する」と訴えていました。しかし、国際社会がモルディブの問題を認識するようになったのは、2005年に発生したスマトラ沖津波で大きな被害を受けてからでした。今なお多くの人々が家から遠く離れた場所で避難生活を送っています。

ブラジルは、製紙パルプの原料となるユーカリの世界最大の植林国です。農民たちは製紙会社に土地を売って都市部へと移住し、スラム街で厳しい生活を送っています。

2003年、国連は環境難民が初めて戦争難民と政治難民の数を上回ったと発表しました。地球温暖化の進行で、その数はさらに増加し、今世紀末には、環境難民が2億人に達すると予想されています。

環境難民は、戦争や突発的に発生する自然災害による難民と、住むところを追われたという点では変わらないのですが、ゆっくりとした環境の変化による影響を受けて難民になるため、認知されにくく、支援に関しては厳しい状況にあるようです。

2008年3月8日土曜日

シリコンカップ

毎朝のお弁当作りに、アルミカップ(アルミケース)をお使いになりますか?
アルミカップにおかずを入れると、おかず同士の味が混ざること減りますし、片方に寄ってしまうことも少なくなりますね。

そんなアルミカップですが、弁当箱を洗い、アルミカップを捨てるたびに、「もったいない」と思っていました。

数ヶ月前、新聞か何かで「シリコンカップ」を紹介する記事に、「洗って何度も使うことができる」と書いてありました。お弁当作りにはそれだけで十分でした。それ以来行く先々で探し、ようやく今日、買うことができました。

ささやかな買い物でしたが、マイ箸、マイカップに、マイシリコンカップが仲間入りし、お弁当作りもますます楽しくなりそうです。

2008年3月7日金曜日

キャップ・アンド・トレード

海水面の上昇、異常気象、砂漠化など地球温暖化による自然災害が増えてきています。気候変動を緩和するためには、太陽光発電や火力発電などのエネルギー生産のあり方と私たちのエネルギー消費のあり方を考え直すことが大切です。

京都議定書では、先進諸国が、2012年までに、温室効果ガスを目標値まで削減する約束をしましたが、大半がその目標に達していないのが現状のようです。

そこで、重要となってくるのが目標を具体的な政策に移すことです。今、考えられていることは、炭素の排出に料金を課すということです。それには、排出する二酸化炭素そのものに税金を課すという方法「炭素税」と排出権取引「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれる方法の2種類があります。

「キャップ・アンド・トレード」についてですが、<キャップ>には「帽子、ふた、上限、最高限度など」の意味があります。ここで使われている<キャップ>というのは、先ず政府が総排出量の上限を決め、次にそれぞれの企業ごとに守るべき排出量の上限を設定し、一定量の排出権を割り当てるということです。<トレード>は、割り当てられた排出権は譲渡が可能であり、排出量の削減に成功した企業が余った排出権を販売できるということです。

欧州連合(EU)では、欧州域内排出量取引制度という世界最大の排出権取引の仕組みをつくり、2005年1月から、EU加盟25カ国を対象に実施しています。米国でも導入の動きがあるそうです。

日本では、環境省が3月6日、温室効果ガスの国内排出量取引制度について、本格的な検討に着手しました。

2008年3月5日水曜日

阿蘇


阿蘇に行ってきました。

噴煙を上げる火口丘、連なる山々、広がる草原、いつ訪ねても、変わらぬ雄大な景色。そんな阿蘇で、自然に溶け込むようにそびえ立つ風車に目を奪われて、野焼きの迫力に心を奪われてしまいました。

プロペラが10基そびえ立つ集合型風力発電所は、「阿蘇にしはらウィンドファーム」という名称で、電源開発株式会社が設立したものでした。年間に一般家庭約7,000世帯分を発電し、CO2の削減効果は、乗用車に換算すると22,000台分に相当するそうです。

クリーンで、純国産、無尽蔵なエネルギーである風力は、地球温暖化防止の面からも大きな期待が寄せられています。また、アサヒビールは、ここでの風力発電事業を支援しており、企業の社会貢献の一端も見ることができました。

さて、野焼きです。野焼きは、草原の表面を焼くことで、火に強く牛馬がエサとして好むイネ科の多年草を残し、火に弱く利用の邪魔になる低木を除去するために行なうそうです。阿蘇の草原は、自然にできたものではなく、1,000年も前からの野焼きにより、人の手によって守られてきたものです。

この野焼きを担っているのは、地元の畜産農家だそうです。後継者不足、高齢化などで野焼きが中止に追い込まれないように、財団法人「阿蘇グリーンストック」が「野焼き支援ボランティア」を呼びかけるとともに、「あか牛産直」なども行い、独自の工夫で、生産者と消費者を結びつけ、農林畜産業の振興と阿蘇の大自然の保全とを行っているそうです。

自然に抱かれ、自然と共に息づく阿蘇での時間は最高でした。

2008年3月4日火曜日

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

「気候変動に関する政府間パネル:IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)」は、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立されました。

その任務は、温暖化に関する科学的な知見の評価、温暖化の環境的・社会経済的影響の評価を行い、得られた知識を、政策決定者始め、広く一般に利用してもらうことです。

第1次評価報告書(AR1、First Assessment Report)は1990年に公表。
第2次評価報告書(AR2、Second Assessment Report)は、ジュネーブで行われる気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2)に提出するため、1995年に発表されました。ここでは、CO2排出量の見通しと気温上昇の予測を行っています。
第3次評価報告書(AR3、Third Assessment Report)は、2001年に発表されました。
第4次評価報告書(AR4、Fourth Assessment Report)は、2007年に発表され、人為的な温室効果ガスの排出による気候変動の現状と今後の見通しについての最新の知見が取りまとめられています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球温暖化に警鐘を鳴らすなどの功績が評価され、2007年のノーベル平和賞を米国のゴア元副大統領とともに授与されました。

2008年3月3日月曜日

黄砂

春の訪れを知らせる「黄砂」ですが、洗濯物や車に降り注ぎ、困ってしまいますね。

黄砂は、中国内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥地域で発生する、大きさが0.005ミリメートルほどの塵ような砂です。黄土色をし、指でさわると、壁土みたいでちょっと粘っこい感じがします。このあたりで多発する低気圧の上昇気流によって、空高く巻き上げられ、偏西風に乗って、2、3日かけて、日本へ飛来します。

砂が乾燥し、風が強まるなど、条件がそろう2~5月が黄砂の本格的なシーズンですが、ハワイやアメリカにも届くことがあり、黄砂に含まれるリンやミネラル分が、ハワイ諸島の森林やハワイ沖のプランクトンの増殖に欠かせないそうです。

一方、黄砂には粘土鉱物の成分のほかに、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどの汚染物質も付着しています。飛来する過程で、大気汚染物質を取り込んでいる可能性が示唆され、健康面への悪影響も懸念されています。

また、黄砂が空中を漂うことにより大きな日傘となり,太陽放射を宇宙へ反射し,地上へ届くエネルギーを減らし,温暖ガスとは反対の冷却ガスとしての効果もあるといわれています。

物理的、化学的には、必ずしも十分には解明されていない黄砂ですが、最近は、単なる自然現象ではなく、森林の減少、過放牧、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題としての認識が高まっています。