2008年7月30日水曜日

アーティストが設立したNPO銀行「ap bank」

「ap bank」という銀行をご存知でしょうか。
「ap bank」をご存知でない方でも、人気バンドMr. Children(ミスチル)の櫻井さんとか、世界的に活躍する坂本龍一さんといえば、ご存知の方も多いと思います。

「ap bank」は、2003年、音楽プロデューサーの小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの3名が、自己責任において拠出した資金をもとに、環境プロジェクトに融資を行うために設立したNPO銀行なのです。

融資対象は、自然エネルギーをはじめ環境に関する、地域性を生かした、ふつうに生活する人にできる、小さいけれどもアイデア溢れるさまざまなプロジェクトが中心です。小さい組織ですと、資金が足りない・・・ということも間々あります。ありがたいですね。

「ap bank」の「ap」は、「Artists’ Power」「Alternative Power」の「AP」だそうです。現在は、小林さん、櫻井さんを中心に結成されたバンド「Bank Band」や、多くのアーティストの協力を得て行うイベント、CDやDVDなどの制作物の収益金を主な融資原資、活動資金としているそうです。

融資の仕組みは、貸金業法に基づいており、融資額の上限は500万円、 融資期間は最長10年、融資金利は年1%の固定ということでした。

昨日のブログ「足温ネット」のプロジェクト「ものぐさ省エネ&節電所」の原資にも融資しています。

小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの『各地域の人々の小さな試みを「融資」という方法で支援することで、「自分たちの力で社会を変えていける」と思う人々が増え、その人々とともに新しい未来を作っていきたい』というあつい思いが伝わってきますね。

我が家には、ミスチルや坂本さんのCDが何枚かありますが、ますます応援したくなりました。

ap bank:http://www.apbank.jp/about/whats.html
Mr. ChildrenのHP:http://www.mrchildren.jp/
坂本龍一さんのHP:http://wmg.jp/artist/sakamoto/

2008年7月29日火曜日

足温ネット(NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)

東京都の最も東に位置する江戸川区。その江戸川区に、地域を基盤に、市民が主体となって活動するNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」があります。略して「足温ネット」です。

「足温ネット」の活動は画期的で、「このようなNPO法人があるのだ!!」と驚くばかりです。主な活動は「フロンガスの回収」「市民立江戸川第1発電所建設」「ものぐさ省エネ&節電所」の3つですが、それ以外にもきめの細かい活動をしておられます。地に足の着いた力強い活動ばかりです。

「ものぐさ省エネ&節電所」を簡単にご紹介します。
例えば、電気量販店で、大手家電メーカーの、消費電力190kw/h、省エネ・ノンフロン冷蔵庫が10万円台で売っています。その傍では、消費電力500kwh近い冷蔵庫が6万円台で売っています。
あなたなら、どちらの冷蔵庫を買いますか?省エネが良いことは分かっていても、電力消費量より価格を基準に選んでしまいそうですね。

そこで、足温ネットは、省エネによって達成できる節電料金5年分を無利子で融資し、返済も省エネ節電料金分から返済するというシステムをつくりだしたのです。
消費電力190kw/hの省エネ冷蔵庫に買い替えると、買い替え前より電気代は安くなりますね。その分を計算し、5年分を無利子で融資してもらいます。少し高かった省エネ・ノンフロン冷蔵庫も購入しやすくなります。そして、返済には、安くなった分の電気料金を当てますから、買い替え前の電気料金で、「省エネ&節電」ができるわけです。
新たな出費を作らずに、「省エネ&節電」が行えるのです。

素晴らしいですね。詳しくは、下記のHPをご覧ください。
http://www.sokuon-net.org/index.html

2008年7月27日日曜日

「省エネ大賞」マーク ~エコ替えの参考に~


「省エネ大賞」は、省エネルギー性、省資源性に優れた製品の開発と普及を図り、CO2などの温室効果ガスの排出量削減に貢献した製品に贈られる賞です。

「明日のエコでは間にあわない」と、エコ生活を心がけていても、連日の猛暑、室内での熱中症も心配になりますね。夜間は、防犯や快眠のために、エアコンが不可欠という方も多いのではないでしょうか。

最近の家電の省エネ性能の進歩は著しく、10年くらい前と比べると消費電力もかなり削減されています。環境負荷の小さい、地球に優しい、多彩な機能を備えた製品がどんどん開発されています。

エコ替えをお考えの時には、省エネ性能や電気料金の目安が表示された「統一省エネラベル」や「省エネ大賞」マークを是非参考になさってくださいね。

省エネ大賞を受賞した製品の中からいくつかをご紹介します。

経済産業大臣賞
*蛍光灯照明器具「Wエコ 環境配慮型照明器具」松下電工株式会社

資源エネルギー庁長官賞
*家庭用ルームエアコン「東芝ルームエアコン大清快」東芝キヤリア株式会社

省エネルギーセンター会長賞
*電気冷蔵庫「栄養いきいき真空チルド」「まんなか冷凍」シリーズ 日立アプライアンス株式会社
*家庭用 冷房・暖房・除湿ルームエアコン「日立PAMエアコン ステンレスクリーン 白くまくん Sシリーズ」 日立アプライアンス株式会社
*電球形蛍光ランプ 「ネオボールZリアル 電球100ワットタイプA形」東芝ライテック株式会社*効率LEDダウンライト 「E-CORE[イー・コア]」東芝ライテック株式会社

2008年7月26日土曜日

スーパーカブ

「スーパーカブ」はホンダが誇る50ccバイク。1958年8月の初代モデル「スーパーカブC100」の発売以来、今年で50周年を迎えます。現在まで世界15ヵ国16拠点で生産され、延べ160ヵ国以上で販売され、今年の4月にはカブシリーズとして世界生産累計6000万台を達成しました。

と言っても、「スーパーカブってどんなバイク?」と、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっとご覧になったことがあると思いますよ。
銀行の人が外まわりの時に、郵便局員の人が配達時に、おまわりさんが巡回の時に乗っているバイク、かなりの割合でスーパーカブなのです。アジア諸国でも庶民にとってなくてはならない「日常の足」となっているようです。

そんなスーパーカブ、「そば屋の小僧さんが片手でも運転できる、手の内に入る小さなオートバイをつくろう」と言うホンダ創業者の本田宗一郎氏の呼びかけで、57年の正月から開発が始まったそうです。

左手レバーのクラッチ操作をなくし、右足でペダルを踏みこめば変速できる「自動遠心式クラッチ」を生み出し、左手でおかもちを持って運転できるようにしました。
心臓部には、荷物を載せて坂道も上れるパワーがあり、燃料代も安い、4サイクルエンジンを開発。タイヤは「大きくて、でこぼこ道も走りやすい」と、規格外の17インチを特別に作らせ、デザインも女性がスカートでもまたぎやすいようにしたそうです。

昨年10月からオートバイにも排ガス規制が施行されました。
ホンダ技術陣は、この厳しい規制をクリアするため、エンジンの排ガスをきれいにすべく、技術的にもコスト的にも難しいと考えられていた燃料噴射装置を採用し、外観をそのまま残しつつ、進化したスーパーカブを創りあげました。テスト走行での燃費は約110km/ℓ。エンジン付き乗り物の中では世界一の燃費を誇り、環境にやさしいバイクに生まれ変わりました。

「スーパーカブ」は、本田宗一郎氏を始め、多くの技術開発者の情熱と努力に支えられ、これまでの50年間同様、これからも、世界中で愛用され続けることでしょう。

2008年7月23日水曜日

日本とハンガリーの排出量取引


7月19日のブログ『バチカン市国のカーボンニュートラル化』の中で、「クリマファは、ハンガリー中央部の15㌶の区画に森を蘇させることによって、バチカン市国が排出するCO2を相殺」の旨紹介しました。

ハンガリーの新興企業クリマファが、バチカン市国に、「排出量」という形の寄付を行ったのですね。寄付と言えば、お金や貴重な物品を連想しがちですが、これからは、「排出量」という形の寄贈もあるのでしょうね。

ハンガリーでは、森林の荒廃がすすみ、1990年代初めには、森林の約3割に枯死や落葉の異変などがみられたため、植林計画を立て、植林に力を注いでいます。
また、ハンガリーは、京都議定書で、6%の削減義務を負っているのですが、社会主義から市場経済への移行期に経済が低迷だったこともあって、すでに目標を達成し、さらに、最大1億トン程度の余剰が発生する見通しだそうです。
余剰分は目標達成が難しい国などに排出権として売却できるため、ハンガリーは日本や他の欧州諸国と交渉を進めているそうです。

そこで、日本政府は、省エネなどの国内対策だけでは、京都議定書で定められた温室効果ガス削減目標を達成できないと見られることから、その分を補うために、京都メカニズムの先進国同士の排出量売買を決めた「共同実施(JI)」を活用し、ハンガリー政府から、温室効果ガスの排出権を買うことを決めました。

さらに、支払う代金の使い道は、「グリーン投資スキーム」活用し、ハンガリー国内の温室効果ガス排出量の削減に貢献し得る環境対策に限定されています。
日本政府は、ハンガリーが2008年に約1000万トンを売ると想定し、欧州連合(EU)の企業間市場で取引されている値段を参考に、全量買った場合の代金は200億円規模になると見ているようです。

2008年7月22日火曜日

J8サミット

G8の開催に合わせて、「J8サミット2008千歳・支笏湖」が行われていたことをご存知でしょうか。

J8サミットは、Junior 8(ジュニア・エイト)サミットのこと。
J8サミットは、ユニセフ(国連児童基金)等の協力を得て、G8各国の中高生を中心に、世界の問題について話し合う国際交流事業です。2005年のイギリスでのグレンイーグルスサミットからスタートしました。

今回は、外務省とユニセフの共催で、日本を含むG8の各国から1チーム(4名)とG8以外の国から7名、計15カ国39名の中高生が参加し、1)気候変動、2)貧困と開発、3)国際保健の3つのテーマに基づいて話し合いが行われました。
そこで出た意見は、「千歳宣言」と「J8アクション・プラン」としてまとめられています。

J8の様子は、テレビ報道では殆ど見ることができませんでしたが、「政府インターネットテレビ」で見ることができます。

いろいろな国の若者たちが集い、世界で起こっている諸問題を共有し、解決のために討議を重ねる様子を見て、未来には希望があり、世界は良くなると思いました。

お時間がありましたら、ご覧になってはいかがでしょうか。8分30秒ほどのビデオです。
「政府インターネットテレビ」からお入りください。
政府インターネットテレビ>21ch地球環境・サミット>「今」実行し「未来」へ引き継ぐJ8サミット

2008年7月21日月曜日

森林はCO2を吸収しています

IPCC第4次評価報告書によりますと、大気中の炭素量は7600億トンで、毎年34億トンずつ増加しているそうです。そんな中、植林等によって吸収される炭素量は年間14億トンだそうです。

森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長しています。


樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素量は一本一本みんな違っていますが、CO2排出量と森林(スギ人工林)のCO2吸収量を身近なもので考えてみました。目安にしていただければと思います。

1世帯から1年間に排出されるCO2の量は6500kg、スギ人工林0.8ha(スギ460本)の年間吸収量と同じくらいだそうです。100m×80mの土地にスギを460本植えた時の吸収量と同じくらいですね。

人間1人が呼吸により排出するCO2は年間320kgで、スギ23本の年間吸収量と同じくらいです。

自家用車用乗用車1台から排出されるCO2は年間2300kg、スギ160本の年間吸収量と同じくらいです。

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。地球上の二酸化炭素循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。(参考:林野庁HP)

注)ここに掲載されていますイラストの著作権は、THINKING ECOにあります。転載はお断りいたします。

2008年7月20日日曜日

電気自動車

夕方の番組「夢の扉」で紹介されていました究極のエコカー「エリーカ」には、インホイールモーター、リチウムイオン電池、回生ブレーキなどの多く技術が凝縮されているようですね。

時速370kmで走り、加速性にも優れた「エリーカ」は、タイヤのホイールに取り付けたモーターで車輪を回しています。「エリーカ」の8つ車輪すべてが駆動輪、全輪駆動車なのです。4輪駆動車が雪道でも走れるように、運動性能が良く、加速も良いのです。これはインホイールモーター方式と呼ばれ、トヨタやホンダなどの車でも採用されています。

電気自動車には電池(バッテリー)が欠かせません。日産自動車とNEC、トヨタ自動車と松下電器産業、独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機、三菱自動車と電池大手ジーエス・ユアサコーポレーションなど、自動車大手と電機大手が組んで、「エコカー」向けのリチウムイオン電池の開発・販売に力を入れています。

次に回生ブレーキです。回生ブレーキというのは、電気自動車やハイブリッドカーなどで用いられる電気ブレーキのことです。
例えば、自転車でブレーキをかけると、車輪とブレーキパッドの間に「摩擦熱」が発生しますね。「運動エネルギー」から「熱エネルギー」にエネルギーが形を変えることで、自転車は止まります。しかし、電気自動車では、摩擦熱のような形でエネルギーを捨ててしまうのではなく、電気エネルギーという形でバッテリーに回収しています。このエコロジーなシステムが回生ブレーキです。
ちなみに、2007年デビューの新型新幹線N700系は、必要なブレーキ力の全てを回生ブレーキでまかなっているそうです。新幹線はエコトレインといわれる所以ですね。

最後に、「エリーカ」は1回の充電で300kmは走れるそうです。「エリーカ」も三菱の電気自動車「iMiEV」も夜間電気を使うと1kmあたり1円で走るそうです。

ガソリンスタンドでガソリンを入れるように、短時間で充電が可能になれば、移動範囲も広がり、普及にも拍車がかかるのでしょうね。

2008年7月19日土曜日

バチカン市国のカーボンニュートラル化

カトリック信者10億人の総本山バチカン。バチカンは国全体が世界遺産に登録されている世界最小の国家です。国土の面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドのテーマパークエリアは0.51平方キロメートル、皇居は1.15平方キロメートルですから、その広さは容易に想像していただけると思います。

そのバチカン市国はカーボンニュートラル化を進めています。

カーボンニュートラルというのはCO2の増減に影響を与えない性質のことです。
バイオエタノールのような植物由来の生物の燃料は、燃やすとCO2が出ますが、植物は成長過程で光合成によりCO2を吸収していますので、ライフサイクル全体でみるとCO2の収支はゼロ、カーボンニュートラルであると考えられます。

また、事業活動などで排出されるCO2を、植林によって吸収させ、実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのことも、カーボンニュートラルと呼ばれています。

バチカンは、ハンガリーの新興企業クリマファからの寄贈を受けました。
クリマファは、ハンガリー中央部の0.15平方キロメートルの区画に植林し、かつてそこにった森を蘇させ、バチカン市国で一年間に車や暖房などによって排出されるCO2を吸収させるという取り組みを行っています。

そのバチカン市国は昨年2007年の9月に世界で初めてカーボンニュートラルな国になました。

2008年7月17日木曜日

エコな飛行機

エコカーやエコトレインが身近な言葉になってきましたが、航空機でも2013年には温室効果ガス排出規制の導入が予定されています。

航空機が排出している温室効果ガスの量は、全体から見るとまだ少ないのですが、航空機による輸送はこれからも増えていくと予想されています。近距離移動は、日本の新幹線のように、各国の高速鉄道などに振り替えることができますが、開発途上国ではそういうわけにいきません。また、海外へ行くときには飛行機は不可欠です。

そこで、エコな飛行機の開発が求められています。

先ず考えられたのが、軽量化です。
航空機がどれくらいの燃料を積んでいるかご存知でしょうか。
空荷の状態で236トンの機体に、86トン程度の人と貨物を積むと322トンになりますが、これを米国東海岸まで飛ばすために178トンもの燃料を積むそうです。86トンの人や貨物を運ぶのになんと2倍の178トンの燃料が必要で、総重量は合計500トンにもなるのですね。
まさに、「燃料を空中に持ち上げるために燃料を燃やす」という感じですね。

離陸時に、もっとも大量の燃料を消費するのですが、日本の複合材料、特に、炭素繊維複合材の技術はこの軽量化のために活用されています。

今、開発が急がれているのは、CO2排出量の少ない飛行機です。

アメリカのボーイングは、ジェット燃料に植物プランクトンで生産するバイオ燃料を混ぜるという計画を発表しました。水中に繁殖する緑藻が、水とCO2を吸収し光合成を通じてジェット燃料似た成分の油をつくる性質利用して、燃料になる油を抽出、ジェット燃料に混ぜるそうです。

ヨーロッパのエアバスは、燃料電池を搭載した航空機を開発しています。航空機は、機内で消費する電気をつくる発電機を燃料電池に置き換えることでCO2を削減したいと考えています。

2008年7月16日水曜日

みかん(柑橘類)のリサイクル

夏には夏みかん、冬には温州みかん、砂糖煮やジャムもあり、みかんはとても馴染みの深い果物ですね。
また、リサイクルなんて言葉は使っていませんでしたが、みかんの皮は、昔から、漢方薬(陳皮(ちんぴ))や入浴剤、掃除にも重宝されていました。

みかんなどの柑橘類の皮には、天然の油「リモネン」が含まれています。柑橘類の皮をよく見ると、表面に油の入ったプツプツしたものがありますね。この油が柑橘特有の香りの成分「リモネン」です。

リモネンの分子構造は、発砲スチロールの原料のポリスチレンと似ていています。似ているものですから、約98%が空気でできている体積の大きい発砲スチロールですが、リモネン液に簡単に溶け、1/50の容量になるそうです。もともと2つの液は化学反応を起こしたわけではありませんから、リモネンが蒸発するとポリスチレンに戻ります。純度100%のポリスチレンを取り出し、再生発砲スチロールを生産できるわけですね。この天然リモネンによる発砲スチロールリサイクルシステムはソニーが開発したそうですよ。

また、「リモネン」はプラスチックにもなるそうです。コーネル大学の研究グループがオレンジなどの柑橘類果実と二酸化炭素(CO2)からプラスチックを作る方法を開発しています。リモネンの酸化物と温室効果ガスであるCO2を、触媒を用いて反応させてつくるようです。

日本でも、株式会社バイオテックマテリアルは、独自のバイオマスプラスチック製造技術を生かし、みかんジュースの絞りかすとポリプロピレンを高温高圧で混ぜ、建材をつくっています。

化石燃料の使用量も減らせ、みかんも丸ごと有効利用でき、素晴らしい技術ですね。いつまでもみかんを食べられる環境であって欲しいですね。

2008年7月13日日曜日

アメリカの山火事

今年もまた、アメリカのカリフォルニア州で、大規模な山火事が発生しているようですね。カリフォルニア州では、この30年で大規模な山火事が約4倍に増えたそうです。

気温の上昇が、山間部の雪解けを早め、夏から秋にかけて土地や木をいっそう乾燥させ、山火事が起こりやすい状況をつくっているのだそうです。
そして、温室効果ガスを吸収する木が大量に失われ、気温上昇と山火事の頻発を招く悪循環にはまっているそうです。

昨年の南カリフォルニアの山火事だけで排出された二酸化炭素は約200万トン、これは44万台の車の年間排出量に匹敵するそうです。


上の写真は、アリゾナ州で撮ったものですが、カリフォルニア以外に米国西部でも大規模な山火事が発生し、長期的な温暖化の影響が出始めているそうです。

山火事によって、温室効果ガスを吸収するはずの森林が、大量の温室効果ガスを排出してしまっているのですね。

シガテラ中毒

シガテラ中毒は、サンゴ礁海域にすむ魚を原因として起きる食中毒です。自然毒食中毒としては世界的に最大の規模で、年間2万人以上の中毒患者が発生しています。死亡率は低いものの、下痢や吐き気のほかに、ドライアイス・センセーションと呼ばれる温度を感じる感覚の麻痺を伴い、回復には数ヶ月以上かかるそうです。

コロンブスが航海を始めた15世紀から、「サンゴ礁に船が座礁すると、そこに住む魚が毒をもつ」という言い伝えがあり、クック船長の日記にも「ふだんは無毒のはずの魚をたべ、奇妙な中毒を起こす船員がいる」と書かれているそうです。

東北大学の安元先生は、1976年にWHO(世界保健機構)の依頼を受け、シガテラ中毒の多発地帯のタヒチで、シガテラ毒の研究を始め、原因を明らかにしました。
その結果、サンゴが何らかの原因で死んだあとに、環境の変化に強い石灰藻が増え、その石灰藻に付着する渦鞭毛藻と呼ばれるプランクトンよって、シガテラ中毒の原因となるシガトキシン類が生産されることが分かりました。

シガトキシン類は食物連鎖をとおして次々と魚に蓄積されていきます。
沖縄県や南九州での中毒はしばしば発生していましたが、2002年末、千葉県内の料理店でイシガキダイを食べた人が、昨年には大阪府でも、イシガキダイを食べた釣り人が、中毒になりました。

地球温暖化により海の環境も変化してきています。
オニヒトデが大量発生し、サンゴを食い荒らすという異常事態も起きています。サンゴの死滅は、シガテラ中毒の発生につながります。海水温上昇によって魚を毒化するプランクトンの生息域が広がっている可能性があります。亜熱帯以南でしか起きないはずの「シガテラ中毒」の温帯域への拡大が懸念されています。

2008年7月11日金曜日

諫早湾干拓訴訟

干拓と漁業被害との因果関係が最大の争点となっていました諫早湾干拓訴訟。干拓事業と諫早湾の環境変化、漁業被害との因果関係を認め、潮受け堤防の排水門開門を命じた佐賀地裁判決を受け、国は、開門によって、農漁業者が救済されると判断するのは困難と判断、福岡高裁に控訴しました。

諫早湾奥が閉め切られたのは1997年。それ以来、漁獲量の減少、ノリの不作など、年々環境の急激な悪化が心配されています。しかし、すでに干拓事業は完了し、今年4月から営農が始まっています。排水門を開けると、今度は農業に支障をきたすそうです。そして、新たな税金投入も必要になるかもしれないとか。困ったものですね。「始まると止まらぬ公共事業」、時間が経過するほどに、解決が難しくなるような気がしますね。

そして、時間が経過するほどに取り返しのつかないものが、もう一つ。有明海にしか生息しない貴重な生物や絶滅が心配されている多数の生物が息づく自然環境です。
九州の有明海沿岸には、日本に残る干潟の約4割があると言われています。有明海の沿岸には6メートルに及ぶ、日本最大の干満の差と、100を超える河川の流入によって形成された、大きな干潟が発達しています。WWFジャパンも支援活動をしています国内でも有数の貴重な自然環境なのです。

シチメンソウで赤く染められた海岸、すぐ傍の干潟で飛び跳ねる愛嬌たっぷりのムツゴロウ。干物になると、ちょっと凄みのきいた顔に変身するワラスボ。どれもこれも守りたいものばかりです。
農水相は、特産魚類の生息調査や貝類も含めた増・養殖技術開発の検討などに取り組む方針も示していました。早々に行われることを期待したいですね。

2008年7月10日木曜日

「エコ松」の植樹

あっという間に閉会した洞爺湖サミットでしたが、昨日、G8首脳が和やかな雰囲気で「松」の植樹をしていましたね。

あの松は「クリーンラーチ」と名づけられた新しい品種の「エコ松」なんです。ラーチは英語でカラマツのこととか。

豊かな森林をつくるために、苗木の品種改良を進めていました道立林業試験場が、林産試験場と共同で、カラマツとグイマツをかけあわせて、新品種を開発したそうです。

クリーンラーチの特徴は、父方のカラマツから「成長がよい」という性質を受け継ぎ、母方のグイマツからは「野ネズミ食害に強い」「材密度が高く、強度がある」という性質をもらい、さらに二酸化炭素の吸収量も従来の品種より7~20%多くなったそうです。
双方の良いところを受け継ぎ、さらに優れた性質が生まれるなんて、素晴らしい限りですね。

CO2の吸収など、その森林の機能を最大限に発揮させるためには,そこから収穫される木材をできる限り長期間利用することが重要だそうです。木材利用の促進も大切なことなのですね。

道立林業試験場のHPには、「32年生のクリーンラーチ」の写真が載っていました。長い年月をかけての研究が実ったのですね。
道立林業試験場:http://www.hfri.pref.hokkaido.jp/cleanlarch/cleanlarch.html

2008年7月9日水曜日

低公害車

洞爺湖サミットでは、トヨタ自動車など各社が、低公害車を合わせて約200台提供しているそうです。

低公害車には、燃料電池車、電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス車などありますが、それぞれに、一長一短ありそうです。

燃料電池車は、水素と酸素の反応で生じる電気が動力源になっています。走行中は水しか排出しないのですが、電池の材料に白金を使用するため価格が高く、ガソリンスタンドのように水素を供給する施設の整備が必要です。水素はメタンガスから作り出すそうです。そのメタンガスは都市ガスやLPガスに含まれるメタンガス、バイオガスから発生するメタンガスからも取り出すことができるようですが、CO2を排出の課題は残りますね。

電気自動車は、バッテリーに蓄えた電気が動力源になっています。CO2などの排出ガスは一切なく、ガソリン車などに比べ、走行時の騒音が少ないそうです。ただ、走行距離が短いこと、充電にも時間がかかること、基になる電気を発生するためにCO2を発生する可能性があるなどの課題もあります。

天然ガス車の動力源は文字通り天然ガスです。天然ガスは石油と違って世界各地に埋蔵しています。ガソリンは使いませんが、燃料電池と比べると環境によくないそうです。

ハイブリッド車は、ガソリンエンジンとモーターを併用しています。燃費がよく最も普及しています。当初はバスやトラックなどが多かったのですが、一般乗用車で増加しています。トヨタ自動車のプリウスがその代表ですね。課題としては、ガソリンを使うため環境に悪影響があることや、一台をつくるのに、通常の車より20%程度多くCO2を排出する(日本自動車工業会)などがあげられます。

地球温暖化問題、ガソリン価格高騰などを考えると、これからはどのような車が良いのでしょうね。価格や性能を継続的に勉強していきたいですね。

2008年7月5日土曜日

クールアースデー

今年から、7月7日は「クールアースデー」。
政府は、環境問題の大切さを国民全体で再確認していくため、7月7日を「クールアース・デー」と定め、施設や事業所、家庭などで一斉に電気を消す「七夕ライトダウン」を呼びかけています。

消灯の時間帯は、午後8時から10時までの2時間です。

東京タワー、東京ドーム、横浜ベイブリッジ、通天閣など、818ヶ所の施設が参加。東大寺、大阪城、熊本城など、多くの歴史上の建造物も明かりを消す予定。全国で72818ヶ所の施設が参加、セブン・アイ・ホールディングやイオンなどの小売業界も看板の消灯に協力するそうです。環境省によると、これによって削減される電力量は108万7795kwhに達し、二酸化炭素に換算すると420㌧になるそうです。

七夕と言えば、七夕飾りは趣きがあっていいですね。小さい子どもたちが願いごとを書いた短冊を笹に結びつける様子はいつ見てもほほえましいですね。
そして、天の川。ご家族で星を眺めるというのはいかがですか。「七夕ライトダウン」のおかげで、お天気がよければ、天の川が見えるかもしれませんね。

織姫と彦星の年に一回の逢瀬、実らせてあげたいですね。

織姫は琴座のベガ、彦星はわし座のアルタイルという名前で呼ばれています。
下に書いてあるURLにアクセスしてみてください。ベガ、アルタイルの位置がわかりますよ。
国立天文台 天文情報センター: http://www.nao.ac.jp/hoshizora/index01.jpg

2008年7月1日火曜日

家庭用燃料電池(1)

最近、燃料電池自動車の開発が進んでいますが、今朝の新聞に『政府は来春から家庭用燃料電池に補助金制度を導入の予定。また、松下電器産業は、7月から発電効率を高めた小型燃料電池の性能や安全性を確かめる実証実験を開始』という記事がありました。

「燃料電池?」とお思いの方も多いのではないでしょうか。燃料電池は化学反応を利用して電気を取り出す「化学電池」の仲間で、水素と酸素の化学反応によって電気を得ています。

中学生の頃、理科の時間に「水の電気分解」の実験をしたことがありましたね。確か、電気が通りやすくなるように、水酸化ナトリウムを加えた薄い水酸化ナトリウム水溶液を作り、その中に立てた2つの電極間に電気を通すと、それぞれの電極に水素と酸素が発生するという実験でした。思い出していただけたでしょうか?

水に電気を通し酸素と水素を作る。この逆の反応は、酸素と水素を反応させて電気と水を作ることですが、燃料電池はこの原理を使って発電しています。水素という燃料さえ補給してやれば、ずっと自力で発電し続けることができるため、燃料電池と呼ばれているのです。

燃料電池は火を燃やすのではなく、酸素と水素が持っているエネルギーを直接、電気エネルギーに変えることができるため、発電効率が良いそうです。

ガスコンロでお湯を沸かすとき、まわりの空気も暖かくなることからも想像できますが、現在の発電所は、発電効率がだいたい35%、残り65%のエネルギーは、利用されずに排熱となって海へ捨てられています。また、発電してから、長い距離を送電される途中で、電線の抵抗によっても1割くらいの電気が失われてしまっています。

では、電気を使うすぐ傍で発電できればどうでしょうか?電気を送電するときのロスも小さいですし、発電時に発生する熱をお湯として利用することができます。ここが、家庭用燃料電池の良いところなのです。
家庭用燃料電池は、発電効率が30%ぐらいですが、排熱利用効率が50%、一次エネルギーの80%を利用することができるという優れものなのです。

参考:http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080428