2008年9月9日火曜日

炭酸水で肥料代半減

今朝、炭酸水を利用して肥料を半減させる栽培方法を考案というニュースを見ました。
高知県の雨森さんが考えられたのですが、資源価格の高騰で肥料の値段も上昇する中、画期的な農法として注目を集めているそうです。

炭酸水は、圧力を加えて、炭酸ガスを溶かしたものです。CO2が溶けているのですね。
からだの老廃物を排出し、疲労回復につながることから、スポーツ選手にも愛飲されているそうです。

では、土壌では炭酸水は・・・・・
ほうれん草やレタスなどの例外はありますが、多くの作物は、pH6.0~pH6.5の弱酸性の土が生育に適しているそうです。酸性が強くなりすぎると、必要な栄養分を十分に吸収できなくなるそうです。また、石灰を散布しすぎたり、ハウス内だったりすると、アルカリ性土壌になることがあり、改良が必要だそうです。

雨森さんは、2005年から、土壌中のpHによって肥料の吸収量が違うことに注目、研究し、最適な状態を保てば肥料を減らせると考えました。
そこでpHを下げる作用がある炭酸水を思い付いたそうです。

通常、土壌はマイナスの電気を多く持ち、肥料の成分であるカルシウム、カリウムなどは〔Ca2+〕、〔K+〕のようなプラスの電気を持っていて、土壌のマイナスの電気が肥料成分のプラスの電気を吸着保持しているそうです。雨によって、肥料の成分が簡単に流れてしまわないのはこういう理由ですね。

この土壌のマイナスの電気と肥料成分のプラスの電気の割合は、土壌のpHと深い関係があり、プラスの電気の割合が大きくなるほど、土壌のpHも高くなるそうです。

そこで、炭酸水の登場です。
炭酸中の水素イオン(H+)が、土壌のマイナスの電気が吸着保持されている肥料成分のカルシウム〔Ca2+〕やカリウム〔K+〕などと置き換わって吸着されるのです。その結果、カルシウム〔Ca2+〕やカリウム〔K+〕は流出し、pHが下がるのです。

雨森さんは、約3年かけて実用化にたどり着いたそうです。
肥料代は10アール当たり約25万円で、通常の半額以下に抑えることに成功しました。これからの普及が期待されます。