2008年2月18日月曜日

モーダルシフト

モーダルシフトは、本来は交通・輸送手段を変えることですが、CO2排出量を削減するために、貨物輸送をトラックから船や鉄道利用に転換する意味で広く用いられています。

2005年のデータによると、日本の運輸部門のCO2排出量は年間約2億5200万tで、全排出量の約2割を占めています。このうち約9割が自動車によるものです。

1トンの貨物を1㎞運ぶときのCO2の排出量は、鉄道はトラックの1/8、海運は1/4しかありません。貨物輸送の方法を転換することで、鉄道利用では87%、海運利用なら75%もCO2排出量を削減することができるのです。こうしたことから、地球温暖化対策としてのモーダルシフトの重要性が高まっているのです。

大量の幹線貨物輸送をモーダルシフトした場合、二酸化炭素の排出量削減だけでなく、エネルギー節減、窒素酸化物の排出抑制、道路交通騒音の低減、労働力不足の解消などのメリットが期待されます。しかし、デメリットもあり、コンテナ列車、コンテナ船の増強、ターミナル駅、港湾の整備などが必要となってきます。

輸送に関わる多くの企業がモーダルシフトに熱心に取り組んでいます。その一例として佐川急便の取り組みがあげられます。佐川急便は、JR貨物と共同で世界初の特急コンテナ列車「スーパーレールカーゴ」を開発しました。これは、最新の駆動・制御システムにより、最高時速130kmで東京-大阪間を約6時間で走り、貨物列車としては最速を誇っています。この「スーパーレールカーゴ」は、平成16年度エコプロダクツ大賞のエコサービス部門で国土交通大臣賞を受賞しました。