2008年2月23日土曜日

永久凍土の融解

北海道大学の気候変動分野の研究によりますと、永久凍土の存在する地域の多くは、地球上で最も温度上昇が大きい地域だそうです。

また、この地域では、温暖化が原因で起こる火災、森林開発に伴う火の不始末と考えられる火災などが頻発し、1996年のモンゴル北部からシベリア南部にかけての大火災では約3万平方キロを焼失したそうです。

永久凍土の融解は、このような急激な温度上昇や森林火災が原因によって引き起こされています。さらに、この永久凍土の融解は、さまざまな現象を引き起こしているのです。

降水量が非常に少ないシベリアでは、地下に永久凍土という形で水分が存在していますから針葉樹林が育っていました。しかし、その針葉樹林が伐採や火災で消滅したところでは、直射日光が届くようになり、永久凍土が融け出し、閉じ込められていたメタンガスが放出されるようになります。

メタンガスは、二酸化炭素の20倍以上の温暖化効果があると言われています。メタンガスの放出で益々温暖化が進むことになります。

国土の3分の2が永久凍土というモンゴルでも、永久凍土の融解が起っています。過去8年間で最大2メートルも凍土が減少したそうです。国立環境研究所などは、首都ウランバートル市周辺の永久凍土は、20年後には消滅し、草原は砂漠化する可能性が高いと報告しています。