2008年7月16日水曜日

みかん(柑橘類)のリサイクル

夏には夏みかん、冬には温州みかん、砂糖煮やジャムもあり、みかんはとても馴染みの深い果物ですね。
また、リサイクルなんて言葉は使っていませんでしたが、みかんの皮は、昔から、漢方薬(陳皮(ちんぴ))や入浴剤、掃除にも重宝されていました。

みかんなどの柑橘類の皮には、天然の油「リモネン」が含まれています。柑橘類の皮をよく見ると、表面に油の入ったプツプツしたものがありますね。この油が柑橘特有の香りの成分「リモネン」です。

リモネンの分子構造は、発砲スチロールの原料のポリスチレンと似ていています。似ているものですから、約98%が空気でできている体積の大きい発砲スチロールですが、リモネン液に簡単に溶け、1/50の容量になるそうです。もともと2つの液は化学反応を起こしたわけではありませんから、リモネンが蒸発するとポリスチレンに戻ります。純度100%のポリスチレンを取り出し、再生発砲スチロールを生産できるわけですね。この天然リモネンによる発砲スチロールリサイクルシステムはソニーが開発したそうですよ。

また、「リモネン」はプラスチックにもなるそうです。コーネル大学の研究グループがオレンジなどの柑橘類果実と二酸化炭素(CO2)からプラスチックを作る方法を開発しています。リモネンの酸化物と温室効果ガスであるCO2を、触媒を用いて反応させてつくるようです。

日本でも、株式会社バイオテックマテリアルは、独自のバイオマスプラスチック製造技術を生かし、みかんジュースの絞りかすとポリプロピレンを高温高圧で混ぜ、建材をつくっています。

化石燃料の使用量も減らせ、みかんも丸ごと有効利用でき、素晴らしい技術ですね。いつまでもみかんを食べられる環境であって欲しいですね。