2008年12月8日月曜日

失われる多様性

最近、生物多様性という言葉をよく耳にしますが、
生物多様性というのは、40億年近い進化の歴史を経た様々な生き物が、地球のあちこちにいて、それぞれの暮らしを営み、様々な生態系を形作っていることです。(国立環境研究所の竹中先生)

トラ、アフリカゾウ、クロサイなど多種多様な野生動物が、現在危機的な状況に追いこまれるなど、多様性が失われようとしています。

過去には、氷河期であったり、恐竜の絶滅であったり、大絶滅といえる事象が5回あったそうです。その中で、地球上に発生した生物の90%~99%が絶滅したといわれ、その種(*)の数は、50億種から500億種にものぼると推定されています。

それでも、化石時代(一万年以上前)までは、絶滅する種の数は、平均すると1年あたり100万種につき1種の割合だったそうです。

しかし現在は、より早いスピードで、生物の絶滅が起きていると考えられています。
一例をあげると、生物種の50%~90%が生存するといわれる熱帯雨林(地上の面積の約7%)では、森林の消失に伴い、一日あたり74種もの生物が絶滅しているといわれているのです。(E・O・ウィルソン『生命の多様性』1992年、WWFホームページ参考)

私たちの日常生活をふり返ると、燃料は生物由来のものですし、口にするものは、水と塩以外は、生物そのものであったり、生物を経由して手に入れているように思います。
そのことを忘れて、森林を破壊したり、海を汚染したり、二酸化炭素を大量放出して地球温暖化を進めたりしているのですね。

生物はそれぞれの環境の中で、調和をとりながら営みを続けてきました。
身近なところでは、教材にも使われ、宇宙食としても注目されているカイコは桑の葉があれば育ちます。アゲハチョウは柑橘類の葉を食べ、パンダは笹、コアラはユーカリ、というように、食べるものが重ならないような棲み分けもその例です。

私たちの日常から離れたところで営まれている、多様な生き物の多様な暮らに心を向けてみませんか。

 種(*) 人間:動物界>脊椎動物門>霊長目>ヒト科>Homo属>sapiens) 

2008年12月7日日曜日

ハチ公前で振動力発電

東京都渋谷区は、人が歩くだけで発電する「発電床」の実証実験が始めました。渋谷区ハチ公前広場で、今月5日から25日まで行い、発電効率や耐久性を検証するそうです。

発電床というのは、人が床の上を歩く時に生じる振動を電気エネルギーに変えるもので、振動で発電する圧電素子という部品を内臓しています。

振動エネルギーをどのようにして電気エネルギーに変換するのかについては、電気エネルギーを振動エネルギーに変換するスピーカーの原理を逆に利用したものと考えると分かりやすかもしれませんね。

ハチ公前広場には一辺45センチメートルの正方形に床が計4枚設置されおり、体重60キログラムの人が1秒間に2歩踏むと、1枚当たり最大0.5ワット秒を発電するそうです。

CO2を出さず、私たちの身近なところで、しかも私たちの動きを利用して電気を作ることができるなんて素晴らしいですね。
歩くだけで発電できるのでしたら、「喜んで歩かさせていただきます。」と言いたくなりますね。

機器を開発した音力発電によると、ハチ公前広場全体に床を敷き詰めた場合、1日当たり最大32型液晶テレビ100台を14時間稼動できる電力を生み出すとのこと。

今回発電した電力はイルミネーションの一部に利用されているそうですよ。

2008年12月6日土曜日

暖房時の省エネ(電気カーペト・電気こたつ)

急に冷えてきましたね。

冷え切ったからだを温めたいとき、電気カーペットの上に横になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
音や風もなく、昔に比べると、断熱性も遮音性も良くなり、子ども部屋をはじめどんな部屋でも快適に使えますね。

しかし、遮るものもなく放熱しますので、他の暖房器具に比べると電気代は嵩むようです。
電気カーペットの下にさらに断熱マットを敷いたり、スイッチのこまめなON・OFFで、人のいない部分は温めないようにする工夫も必要ですね。

(財)省エネルギーセンター資料によりますと、
◇室温が20℃のとき、三畳用のカーペットの設定温度を「強」から「中」に下げ、5時間使用した場合
  年間で電気185.97kWhの省エネ、約4090円の節約。
  原油に換算すると46.86L、CO2削減量は76.2kg。

◇電気こたつの温度調節を「強」から「中」に下げ、5時間使用した場合
  年間で電気48.95kWhの省エネ、約1080円の節約。
  原油に換算すると12.34L、CO2削減量は20.1kg。
になるそうです。

「冬はこたつでしょ!」とおっしゃる方も多いと思います。遠赤外線という言葉を聞くと、身体の芯までじんわりと温かくなるような気がしますね。

電気こたつをお使いの方、是非、こたつ布団には、上掛けと敷布団も併用してくださいね。それだけでもずいぶん省エネになります。

また、こたつに入っていると、腰から下は温かくなりますが、上半身は寒くなりがちですね。カーディガンなどを1枚多めに重ね着してみてください。体感温度が2℃ほどアップしますよ!!

暖房時の省エネ(エアコン・ファンヒーター)

紅葉が美しいですね。
地球温暖化でしょうか、紅葉の時期の徐々に遅くなってきているようですね。
とはいえ12月、暖房器具をお使いのお家も多いのではないでしょうか?

外気温が6℃のとき、設定温度を21℃から20℃に1℃下げて、9時間使用した場合
2.2kWhのエアコンでは
 年間で53.08kWhの省エネ、約1170円の節約になります。
 原油に換算すると13.38L、CO2削減量は21.8kgになります。
ガスファンヒーターンでは、
 年間で8.15m3の省エネ、約1220円の節約になります。
 原油に換算すると9.70L、CO2削減量は19.0kgになります。
石油ファンヒーターンでは、
 年間で10.22Lの省エネ、約820円の節約になります。
 原油に換算すると9.68L、CO2削減量は25.4kgになります。
                以上参考:(財)省エネルギーセンター資料

CO2-1kgの体積は、1Lペットボトルにすると約509本分になります。私たちはたくさんのCO2を空中に放っているのですね。

扇風機で温まった室内の空気を循環させるのも効果的ですよ。扇風機は夏も冬も大活躍の省エネグッズです。

また、皆さんは、窓際のカーテン近くにいる時に、カーテンの裾から床へ降りてくる冷たい空気にゾクッと寒く感じたことはありませんか?
我が家では、少し手間はかかりましたが、床で少したるむくらいの長さに、厚手のカーテンの裾を縫い直しました。おかげで、窓際にいても寒く感じなくなりました。

厚手のカーテンや床まで届く長いカーテンも暖房時の省エネには効果的ですよ。
是非お試しください。
換気もお忘れなく!

2008年12月1日月曜日

ワタミの電力使用量の「見える化」

多くの企業がCO2削減に取り組み、実績も上がっているようですが、オフィスやコンビニなどの業務部門、家庭部門では思うように進んでいないようですね。

そこで、来年4月から施工される「省エネ改正法」では、省エネが進まない業務・家庭部門での対策が強化されるようです。

これまで「事業所」単位で報告していたエネルギー使用量を、これからは複数の工場や事業場をまとめた「事業者単位(企業単位)」で管理するようになるため、各社、あの手この手で電力使用量を抑える努力を重ねているようですね。

外食事業のほか、介護や農業、宅配弁当などの事業も展開しているワタミグループでは、2004年8月から、電力使用量の“見える化”による省エネ対策を進めています。

外食部門293店舗に、空調や照明、給排気ファンの電力使用量をチェックするセンサーを設置し、モニタリングシステムを導入しました。
その結果、システム導入前と比較した2006年までの3年間の平均省エネ率は12%になるそうです。

こうしたデータをもとにした省エネ対策は、基本的に各店舗に任せられていているそうです。

きっと、このモニタリングシステムは、電力使用量の“見える化”だけでなく、従業員の人たちの省エネ努力の“見える化”にもなっているのでしょうね。

従業員の人たちの省エネ達成感・高い意識は、更なる省エネ目標へのモチベーションになり、それぞれの私生活での環境配慮にも生かされ、省エネへの意識改革の輪もどんどん広がっていくのでしょうね。

とってもワタミらしい「良い循環」ですね。
ワタミで忘年会もいいかもしれませんね。

ワタミ:http://www.watami.co.jp/shop/shop.html

2008年11月28日金曜日

エコ酒屋


冷えてきましね。熱燗の季節ですね。

お店の棚に並ぶお酒の数々、名前やラベルのデザインが凝っていて、どれも飲んでくださいと言っているような気がするのは私だけでしょうか。

そんな私ですが、飲むのもOK!お料理にもOK!ということで、紙パックのお酒を重宝しています。しかしながら、使いきって、いざ捨てるとなると、「この紙パック、捨てるのもったいない!」という思いが、いつも頭を過ぎります。

そこで、知ったのが「エコ酒屋」さんです。
「エコ酒屋宣言」をし、店頭に回収BOXを置いて酒パックや、アルミ付紙パックのリサイクル活動に取り組んでいる酒屋さんのことです。

酒パックは紙パックの約27%を占めているそうですが、内側をアルミでコーティングされた複雑な構造になっているためリサイクルが難しいとされてきました。最近では技術も向上し、牛乳パックと同様に上質の古紙原料としてリサイクル可能になっています。

この「エコ酒屋」、平成19年には、1道2府27県310店舗まで広がってきています。
ご近所に「エコ酒屋」さんがあるといいですね。

酒パックリサイクル促進協議会:http://www.r-kyokai.org/P.confer/P.c-top.html

2008年11月11日火曜日

電気の地産地消

「パナソニックが三洋電機を買収?」というニュースが流れたのは、つい10日程前でしたが、三洋電機の電池の技術は本当に高いのですね。

今朝の日経新聞に、
三洋電機は人が歩く際の振動で発電する小型部品(小型振動発電デバイス)を開発、歩数計を試作した。・・・・・
という内容の記事が載っていました。

振動力発電の研究は、2003年頃、動きや振動を電気エネルギーに変える発電機「発電床」の開発から始まりました。
2005年当時、体重約60kgの人が1秒間に2歩ずつ歩行した場合の発電量はわずか0.01Wだったのが、2006年には0.3W、2007年には0.7Wまで向上したそうです。

首都高速道路・中央環状線の荒川に架かる五色桜大橋のイルミネーションの一部には、首都高を走る車の振動エネルギーを発電床で電気エネルギーに変換した電力が利用されています。

振動エネルギーをどのようにして電気エネルギーに変換するのかについては、電気エネルギーを振動エネルギーに変換するスピーカーの原理を逆に利用したものと考えると分かりやすかもしれませんね。

普段は「あっ揺れてる・・・」と感じるだけだったものが電気になるのですから、振動力発電って素晴らしいですね。また、そこで発電した電気をそこで使うのですから、振動力発電はまさに電気の地産地消ですね。

三洋電機は、今後、自動車のドアを自動施錠するマスターキーなどへの小型振動発電デバイスの搭載を目指すそうです。

2008年9月19日金曜日

バイオマス発電事業

かれこれ15年程前でしょうか。開発途上国の子どもたちの様子を紹介したユニセフのビデオを見たときのことです。「子どもたちが、道に落ちている牛糞を、素手で拾い集め、壁などに貼り付けて乾燥させ、その乾いた牛糞を燃料に使う・・・・・」という内容に、衝撃を受けたことを覚えています。

落ちついて考えてみれば、家畜の排泄物には草や藁なども多く混ざっていますから、立派に燃料として成り立つのですね。

日本では、牛、豚、鶏などの排泄物は、1999年に制定された「家畜ふん尿管理・リサイクル法」によって管理基準が設定され、利用促進が図られています。

北海道内では、家畜の糞尿や生ゴミなどの有機性廃棄物を、メタン発酵させ、得られたバイオガスを、発電機やボイラーなどによって電力や熱などのエネルギーとして回収する、バイオガスプラントがいくつか稼動しているそうです。
農場1軒単位で使用できるコンパクトなプラントは、まさに、農場内のバイオマス発電所ですね。

バイオマスは、家畜排泄物や生ゴミ、木くずなどの動植物から生まれた再生可能な有機性資源のことです。森林の多いヨーロッパでは、折れた木・枝、剪定の際に発生する枝の切れ端などの森林バイオマスを利用しての発電事業も行われています。

世界銀行は、日本の機関投資家などに、排出量価格に連動した債券を発行。調達した資金はアジアでのバイオマス発電事業に振り向けるそうです。

2008年9月18日木曜日

太陽電池の種類と特徴

住宅向けの太陽光発電を導入するための補助金制度が復活、経済産業省は今後3~5年で住宅用発電システムの価格を半額にする目標のようです。

最近はいろいろな太陽電池が出てきているようですが、どのような太陽電池がいいのでしょうか?ひとことで太陽電池といっても素材もいろいろあるようですね。ちょっと調べてみました。

太陽電池、初めて作られたものは「単結晶シリコン」という素材を使ったものでした。1950年代のことです。トランジスタもこの時代に発明されています。

1998年頃から、主役は「多結晶シリコン」に移っていきました。その特徴は何といっても単結晶に比べて安い製造コストです。シャープ、京セラ、三菱などのメーカーが生産し、もっともポピュラーな太陽電池となっています。

「アモルファスシリコン」は、単結晶、多結晶シリコンとは異なり、結晶を作りません。薄膜化が可能、加工がしやすく、安価に量産ができ、一度に大面積の太陽電池を作りやすいことから、大きく期待されています。

「HIT太陽電池」は、単結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層形成した、新しいタイプの太陽電池です。気温の高い地域では発電効率が低下しがちな結晶系シリコンの太陽電池に比べ、高温時でも発電効率が比較的高いという特徴があります。

新しい素材を用いた「化合物系太陽電池」があります。材料に主流のシリコンを使わず、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)などの金属化合物を採用しています。そのひとつに、自動車メーカーのホンダの製品「CIGS化合物太陽電池」があります。極薄にでき、影の影響を受けにくいという特徴がありますが、資源量が少なく製造コストが高くなる懸念もあります。

2008年9月16日火曜日

「藻」から「石油」を生産

私たちが日常使っている食用油、菜種油・大豆油・コーンオイルなどをつくる「油糧植物」の種子にはたくさんの油が含まれています。植物が発芽する時、すぐにエネルギーを取り出して、成長することができるように、エネルギーに変換しやすい油を種子に貯えているようです。

ところが、地球温暖化の防止に役立つことから、代替燃料の原料として、サトウキビやトウモロコシやアブラヤシなどの「油糧植物」の栽培が広まり、食糧価格の高騰や森林伐採など新たな問題を引き起こしています。森林面積が減少すれば、CO2の削減どころではありませんね。

そこで、今、注目されているのが藻類です。
日本では、1970年の石油危機後、石油生産に藻類の利用が検討され、大規模な研究開発プロジェクトもあったそうですが・・・

現在、採掘されている石油も生物が作り出したものと考えられています。油田が集中する中東エリアでは、太古に遠浅の海が広がり、藻類が長期間、大量に生息していたことが分かっています。

藻類には脂肪や炭化水素を大量に生産する種が多く、根こそぎ採らずに、上手く残すように採取すれば、何度でも油を取れるうえ、栽培の手間は格段に軽いそうです。

そして、何よりも、藻類の油分生産能力は、陸上植物である作物に比べて微細藻の収量は単位面積あたり年間で数十倍から数百倍になると言われているのです。

2006年からアメリカのベンチャー企業が藻類の大量栽培を始めています。
2007年から日本の化学メーカー帝人は藻類を開発するオランダのバイオベンチャーと共同研究を始めました。そのほかにも、多くの会社が藻類の研究をはじめていると言われています。

国内では、「カイワレ大根」の大手業者三和農林が水耕栽培の冬季暖房用の燃料を調達するために、藻類の培養タンクを設置、デンソーもCO2を吸収しながら作れるバイオ燃料に着目、研究を開始しました。

石油輸入大国から脱却できる日が早く来るといいですね。

2008年9月12日金曜日

トレーサビリティ

トレーサビリティは、食品がいつ・どこで・どのように作られ、どのような経路で流通されたかなどの生産履歴を明らかにする制度です。
以前このブログの「近代マグロ」でも少し触れたことがありましたが、trace(トレース:追跡)とability(アビリティ:できること)の2つの言葉を組み合わせたものです。

社会的に普及が期待されているトレーサビリティシステムですが、現在、日本において法律で義務付けされているのは国産牛肉のみです。(国産牛肉というのは、国内で生まれたすべての牛と生体で輸入された牛、及び内臓肉並びに挽肉を除いた国産牛肉のことで、輸入牛肉は対象外となっています。)

牛肉の場合には、BSEの発生に対応して、2003年、牛肉トレーサビリティ法が成立しました。すべての牛には出生時に個体識別番号が付けられ、インターネット検索でも牛の履歴が分かるようになっています。2004年には店頭で販売される牛肉すべてに、識別番号を付けることが義務化されました。

青果物、鶏卵、貝類(カキ・ホタテ)などのトレーサビリティについては、2004年に、農林水産省が、「食品のトレーサビリティシステムの構築に向けた考え方」を作成、これらを基礎として、品目別ガイドラインの作成を進めているそうです。

消費者としては、青果物などでは、流通経路のほかに、どこの誰が、どのような農薬を使って、どのように栽培したかなどの情報も欲しいですね。

最近、偽装表示事件など、食品の信頼を揺るがせる問題がたびたび起こっています。そのため、生産・流通の履歴が明確にされた、安全で信頼性の高い食品が今まで以上に求められるようになってきています。

近代マグロ
http://thinking-eco.blogspot.com/2008/04/blog-post_03.html

2008年9月9日火曜日

炭酸水で肥料代半減

今朝、炭酸水を利用して肥料を半減させる栽培方法を考案というニュースを見ました。
高知県の雨森さんが考えられたのですが、資源価格の高騰で肥料の値段も上昇する中、画期的な農法として注目を集めているそうです。

炭酸水は、圧力を加えて、炭酸ガスを溶かしたものです。CO2が溶けているのですね。
からだの老廃物を排出し、疲労回復につながることから、スポーツ選手にも愛飲されているそうです。

では、土壌では炭酸水は・・・・・
ほうれん草やレタスなどの例外はありますが、多くの作物は、pH6.0~pH6.5の弱酸性の土が生育に適しているそうです。酸性が強くなりすぎると、必要な栄養分を十分に吸収できなくなるそうです。また、石灰を散布しすぎたり、ハウス内だったりすると、アルカリ性土壌になることがあり、改良が必要だそうです。

雨森さんは、2005年から、土壌中のpHによって肥料の吸収量が違うことに注目、研究し、最適な状態を保てば肥料を減らせると考えました。
そこでpHを下げる作用がある炭酸水を思い付いたそうです。

通常、土壌はマイナスの電気を多く持ち、肥料の成分であるカルシウム、カリウムなどは〔Ca2+〕、〔K+〕のようなプラスの電気を持っていて、土壌のマイナスの電気が肥料成分のプラスの電気を吸着保持しているそうです。雨によって、肥料の成分が簡単に流れてしまわないのはこういう理由ですね。

この土壌のマイナスの電気と肥料成分のプラスの電気の割合は、土壌のpHと深い関係があり、プラスの電気の割合が大きくなるほど、土壌のpHも高くなるそうです。

そこで、炭酸水の登場です。
炭酸中の水素イオン(H+)が、土壌のマイナスの電気が吸着保持されている肥料成分のカルシウム〔Ca2+〕やカリウム〔K+〕などと置き換わって吸着されるのです。その結果、カルシウム〔Ca2+〕やカリウム〔K+〕は流出し、pHが下がるのです。

雨森さんは、約3年かけて実用化にたどり着いたそうです。
肥料代は10アール当たり約25万円で、通常の半額以下に抑えることに成功しました。これからの普及が期待されます。

2008年9月7日日曜日

首都高速道路の「溶岩パネル」による壁面緑化

東京の年平均気温は、過去100年で3.0℃の上昇、他の大都市でも平均2.4℃上昇したそうです。気温上昇の原因には、地球温暖化やヒートアイランド現象が考えられます。

ヒートアイランド現象の原因としては、ビルや自動車からの排熱、アスファルト舗装や建物表面の蓄熱、建ち並ぶ高層ビルによる微風化などが考えられます。特に夏場は、空調の使用が増え、その排熱でヒートアイランド現象が更に進行します。

そこで、東京都では、ヒートアイランドを招くさまざま原因に応じた対策を行うとともに、民間と協働で、新素材・新技術を積極的に導入した取り組みを行っています。

緑化事業もその一つです。首都高速道路では、人と環境に優しく快適なハイウェイを創造する「首都高から始まる東京緑化計画・グリーンでゆこう!」を積極的に推進しています。

そこでの緑化に一役も二役も買っているのが「溶岩パネル」です。

溶岩には噴火のときにできた多数の気孔や気泡があります。そのため、他の天然石に比べて、水や空気を吸収しやすく、湿気を保ちやすく、さまざまな微生物などが暮らしやすいという特徴があります。また音を吸収する性質もあります。

これらの溶岩の性質を生かして開発されたのが「溶岩パネル」です。
住宅や道路脇の壁などの無機質なコンクリートも、「溶岩パネル」を覆うことで、微生物が生育し、コケなどの緑の植物で覆われ、昆虫や小動物が生息する環境に生まれ変わります。CO2の吸収効果や断熱効果も生まれ、ヒートアイランド現象の緩和に役立ち、省エネにもつながります。

首都高速道路は、「溶岩パネル」の産みの親である日本ナチュロックの佐藤俊明さんと更に研究を進め、潅水などのメンテナンスを軽減する工夫を施した、次世代の緑化型遮音板として、また壁面緑化用としての「溶岩パネル」を開発、首都高の緑化を進めています。

2008年9月5日金曜日

自動車に関する環境ラベル(1)

国立環境研究所が2008年に発表しました「2006年家庭からのCO2排出量」では、「自動車から」排出されるCO2は30.3%、「照明・家電製品などから」排出されるCO2は30.1%を占め、わずかな差ですが、「自動車から」のCO2排出量が家庭の中でもっとも大きな割合を占めています。

自家用車の利用者は環境に配慮したエコドライブを心がけていますが、ハイブリッドカーをはじめ技術面での低燃費・低排ガス車の開発も進んでいます。

そして、国土交通省は、ラベリング制度を設けて、燃費性能の高い自動車の普及促進を図り、自動車の排出ガス性能に関する一般消費者の関心と理解を深めようとしています。

車体に貼付されているステッカーを目にすることがあると思います。参考までに、一部ご紹介します。

燃費基準達成ラベル
自動車の燃費性能を示すラベルのこと。
省エネ法(エネルギー使用の合理化に関する法律)に基づく燃費基準を達成しているもの、及び、同基準を5%以上上回る燃費性能を有するものの車体に貼付されます。

低排出ガス車認定ラベル
国土交通省の低排出ガス車認定制度に適合した自動車の車体に貼付されるラベル。
「平成12年(2000年)排出ガス規制」に対応した低排出ガス車であると認定を受けた自動車に表示される低排出ラベル。低減した値が大きくなると「☆」の数が増える 。

平成17年(2005年)排出ガス基準」よりも有害物質を75%以上低減させたガソリン乗用車等に表示されるラベル

2008年9月3日水曜日

カーボンオフセット協会

カーボンオフセットは、日常生活や経済活動で排出したCO2(カーボン)を森林などに吸収させることで「埋め合わせる」(オフセット)活動のことです。

ビジネスとしては、消費者が商品やサービスを買う際、排出枠の購入額を上乗せして支払い、企業が植林などの事業を行ってCO2などの温室効果ガスの削減を目指すといった手法が多いようです。

身近なものでは、カーボンオフセット年賀状、佐川急便の「CO2排出権付き飛脚宅配便」、大阪前田製菓の排出権付きお菓、JTBはカーボンオフセットによるCO2排出権付き海外旅行商品、セブン&アイホールディングのオリジナルエコバッグなどカーボンオフセット商品が続々と登場しています。

そのおかげで、消費者は、わずかな負担でCO2削減に貢献できるようになりました。

しかし、企業が説明通りに、資金を排出枠の購入に使っているのか否かの疑問がよぎることもあります。目に見えないオフセットの価値に疑問を持つ人も多いようです。現に、オフセットサービスで先行する英国では、排出量相殺のために利用者が支払った代金が、CO2の排出削減事業に適切に使われていなかったなどの不正も起こっているそうです。

そこで、排出枠を販売する企業(プロバイダー)9社が、カーボンオフセットの信頼性を確保するために、業界団体「カーボンオフセット協会」を設立しました。
これからは、共同でオフセットの仕組みの理解を促す活動をするほか、オフセットの指針を独自に定め、消費者の納得を得やすい仕組みづくりに取り組むということです。

エチゼンクラゲ

水槽でゆらゆらしているクラゲを見ていると心が癒されますね。
実は、この傘をひらひらさせながら漂うクラゲは、太古の昔から海を漂いながら、ずっと地球の進化を眺めてきた、とてもタフな生物のようです。

エチゼンクラゲはまさにタフなクラゲの代表格かもしれません。
水温の高いところでは盛んに増殖し、酸素の乏しい海にも強いことは、他のクラゲも同様ですが、エチゼンクラゲは、強烈な毒をもつこと、長さが5mにも達する触手が多くあること、触手の元にたくさんの口があり、多くの餌をすばやく食べることができることなどから成長が速いのです。
また、からだの1/4くらいまでの損傷なら復元可能で、船などの高い音を危険と察知することもできるとか。

ただ、カワハギやサバはクラゲを好み、イボダイもクラゲを餌にしているそうで、「敵なし」言うわけではないようですが・・・・・

発生時の稚クラゲの大きさはわずか3mm程です。それが成長しながら対馬暖流に乗って移動し、日本海にやってくる頃には、傘の直径が通常1m、ときに2mにも達し、重量も200kgを超えるそうです。

この漁師さんを悩ます巨大生物エチゼンクラゲの大増殖には、私たち人間の営みが大きく関わっているようです。
地球温暖化、海水温の上昇はクラゲにとって活動しやすい環境です。東シナ海での魚の乱獲は、クラゲの天敵である魚を減少させ、クラゲの増殖につながります。中国沿岸の急激な開発に伴う工業廃水や生活排水による富栄養化は、プランクトンの異常発生をまねき、海の低酸素化をまねき、魚には棲みづらい環境になりますが、クラゲには有利にはたらくでしょう。

こうなると、漁師さんだけの問題ではありません。エチゼンクラゲの駆除や利用法を考える事も重要ですが、東シナ海から日本海にかけて豊かな海を取り戻すために、海の汚染や魚の乱獲に関して、国境を越えた規制を行うことも重要でしょう!

2008年9月1日月曜日

エコ・アクション・ポイント

エコ・アクション・ポイントは、楽しみながらポイントを貯めて、地球温暖化STOPに貢献できる新しいポイントプログラムです。

温室効果ガス削減が至上命題になっていますが、家庭やオフィスなどの温室効果ガスの排出量は1990年比で約4割も増加しています。一般消費者の地球温暖化問題についての認識は高まっていますが、温暖化対策に積極的に行動を起こしている人はわずかで、CO2排出量の増加傾向になかなか歯止めがかからない現状があります。

そこで、環境省は、身近でわかりやすい形でCO2削減への取り組みを促すために、モデル事業「エコ・アクション・ポイント事業」を推進、7月から北海道で先行実施しています。
環境省は、このモデル事業の成果を踏まえ、平成21年度からの本格展開を図ることを目指しています。

「エコ・アクション・ポイント」では、地球温暖化対策型商品やサービスを購入すると、エコポイントが発行され、貯まったエコポイントはいろいろな商品と交換することができます。
と言っても、ポイントカードは発行されません。参加者が事前に会員登録をし、温室効果ガス削減の効果のある商品やサービスを購入した際に、その商品やサービスに添付されている「アクションナンバー」を携帯電話やパソコンから入力すると、その商品に登録されている「エコ・アクション・ポイント」がインターネット上で貯まっていく仕組みになっています。

りそな銀行は、10月から「エコ・アクション・ポイント」事業に、金融機関としては初めて参加します。紙を減らしてCO2排出量の削減につながることを実感してもらおうと、預金通帳を発行しない口座を開いた顧客にポイントを発行するそうです。

2008年8月22日金曜日

サンゴ礁の白化現象

熱帯や亜熱帯の海岸を縁取り、天然の防波堤として波をさえぎり、海岸を侵食から守っているサンゴ礁。サンゴ礁の海は、海洋面積全体の0.2%を占めるのみですが、海に生息する生きものの4分の1がサンゴ礁の自然に関わって生きているといわれています。

サンゴは、クラゲやイソギンチャクと同じ仲間の動物です。
今、白化が問題となっているのは、太陽光線の届かない深海にいる宝石サンゴではなく、浅い海でサンゴ礁を形成する造礁サンゴ(以下、サンゴ)です。

サンゴは、褐虫藻と呼ばれる藻類を体内に共生させ、褐虫藻が光合成によって作り出す栄養分を食べて成長します。サンゴ礁の美しい彩りは褐中藻の色の違いから生まれています。

ところが、何らかの環境ストレスにより褐虫藻が光合成回路に異常を来たした時、サンゴが褐虫藻を放出するため、サンゴの骨格の白い色が目立つようになります。この現象が「白化現象」です。

環境ストレスとして、高水温だけでなく、海水の酸性化、淡水や土砂の流入、強い光、これらのストレスの複合効果が考えられます。

環境が回復すれば褐虫藻を再び獲得して、サンゴは健全な状態に戻りますが、環境が回復せず白化が長く続くとサンゴは死んでしまうのです。

1997年から1998年にかけて、エルニーニョに伴う海水温の上昇により、全世界的な規模で白化現象が起き、多くのサンゴが死んでしまいました。

2008年は、国際サンゴ礁年です。サンゴ礁の保全は、海の環境保全の大きなテーマの一つです。大勢の人にサンゴ礁についての理解を深めてもらうための活動が、各国で行なわれます。

2008年8月20日水曜日

バーチャルウォーター(2) 牛丼1杯に水2000リットルが必要!

私たちは、「湯水のごとく・・・」という例えがあるように、「水道の蛇口をひねればいつでも当たり前に『水』を手に入れることができる」と考えていませんか。

日本は、年平均降水量は主要先進国の中では4番目、世界平均の2倍です。ところが、1人当たり年降水総量でみると、世界の1人当たり年降水総量の3分の1程度です。再生可能な水資源量で考えると、世界平均の6分の1、世界では82番目だそうです。

では、なぜ、こんなにふんだんに水を使うことができるのでしょうか?それは、1つには、日本には自然の湖、農業用のため池、人工ダムなどがあるからです。2つ目には、食糧の約6割を国内で生産せずに、海外から輸入しているからです。

海外から食糧を輸入するということは、水を海外に依存していることです。上下水道が整備されていて、一見、日本の水資源は豊かに見えます。ところが、自国の水だけでその豊かさを賄っているわけではなく、見えないところで大量の水を輸入しているのです。

「バーチャルウォーター(VW)」「仮想水」の考え方ですね。最近では、食料の輸出入による世界の水資源への影響を示す指標として使われるようになってきているようです。

東京大学生産技術研究所の沖大幹教授は、牛丼やハンバーガーなどの食材のVWを試算しています。牛丼1杯を生産するのに必要なVWは約2000リットルだそうです。

オーストラリアは100年来といわれる旱魃に見舞われ、米国では穀物栽培に大量の地下水を利用してきたため、水不足や地盤沈下が問題となっています。
VWという考え方で水をとらえると、水資源の問題は、グローバルな視点での議論や行動が必要であることがわかりますね。

*仮想水計算機:
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html  
環境省が提供しているもので、フォームに入力するとバーチャルウォーター量が表示されます。
*バーチャルウォーターMENU:
http://v-water.jp/index.php?com=menu
*バーチャルウォーター(1):
http://thinking-eco.blogspot.com/2008/01/fao-aquastat-33.html

2008年8月19日火曜日

好適環境水の実用化が待たれます

テレビや新聞で大きく報道されています好適環境水。このところの燃料高による休漁、赤潮発生や海水温度上昇のニュースを耳にするたびに、好適環境水が頭をよぎります。

太古の海では今ほど海水は塩辛くなく、海水魚の祖先も淡水魚の祖先もいっしょに棲んでいたはずとか。
岡山理科大学専門学校の山本先生は、その太古の海を研究し、魚に必要なナトリウムやカリウムなどの数種の必須成分と濃度を特定、淡水魚と海水魚を一緒に飼育できる「不思議な水」好適環境水を開発なさったのです。

人間も魚も植物も、体液や細胞液の組成を一定に保つために、浸透圧の調整が不可欠です。好適環境水の中では浸透圧の調整の必要がなく、浸透圧が高い海水に棲む魚も浸透圧が低い淡水に棲む魚も、一緒に棲むことができるそうです。

好適環境水にはメリットがたくさんあります。
浸透圧調整のために消費していたエネルギーを成長のために使えるため、成長が速いのです。従来の陸上での養殖では人工海水代や冷暖房費にコストがかかっていましたが、必須成分を水に溶かすだけ好適環境水は人工海水に比べ60分の1のコストで済むそうです。病気にもかかりにくく、クスリに頼らずに飼育できるのは嬉しいことです。

山間部での養殖はすでに行われており、次は、ハマチやシマアジ、その先はマグロの養殖に挑戦するようですよ。
家庭菜園のごとく家庭で養殖というのも夢ではないかもしれませんね。

3月には試食会が行われ、フグやヒラメは美味しかったそうです。山本先生は、「これから養殖に適合する魚種を確かめ、今年度中に実用化に向け方向性を出したい」とおっしゃっておられます。実用化が待ち遠しいのですね。

2008年8月5日火曜日

雨水は 流せば洪水 溜めれば資源

明日6日、全国初の産学官の連携組織「雨水ネットワーク会議」が設立されます。設立を主導する墨田区は雨水利用の先進的な自治体として知られています。

25年ほど前、墨田区の錦糸町や両国地区などでは、地表面のアスファルト化が原因のひとつと考えられる「都市型洪水」に悩まされていました。
墨田区の年間降雨量2000万トンは、区民が1年間に使う水道水の量と同じだそうです。そこで、雨水を貴重な水資源と捕らえ、「雨を流さずに溜める仕組み」を作ることを考えたそうです。

折りしも、両国に新国技館を作る計画が進行中で、国技館の屋根に降る雨を溜め、冷房やトイレの水に使うことを日本相撲協会に提案、説得し、1000トンの容量の雨水タンクを設置しました。理論上は、相撲興行時に必要な水の必要な水の70%を賄え、洪水防止にも役立っているそうです。

この雨水利用の推進者は、墨田区の環境保全課環境啓発主査の村瀬誠さんです。村瀬さんは、海外では通称「雨水博士(Dr.Rainwater)」として知られ、NPO法人「雨水市民の会」事務局長や国際水協会雨水利用専門グループ副座長も務めておられます。

NPO法人「雨水市民の会」は、バングラデシュで、雨水を安全な飲み水として活用してもらうために、天水「Sky water」プロジェクを行っています。地域のNGOと連携して安価な雨水タンクを開発、マイクロクレジットを活用して、希望する家庭に設置しているそうです。バングラデシュには、井戸を掘っても地下水が有害な砒素や塩分で汚染されていて、安全な飲み水を確保できない人がいます。現地の人にとって、雨水は「Sweet water」だそうです。塩分の入った水に慣れた人にとって、雨水は甘く感じるのですね。

現在、日本でもっとも規模が大きいのは福岡ドームの雨水タンクです。韓国ソウルやドイツのサッカースタジアム、北京オリンピックの施設でも雨水利用が導入されているそうです。

気候変動の影響により洪水や渇水の頻発が予測されています。雨水は「流せば洪水溜めれば資源」です。雨水を有効利用するためにも、雨水タンクの設置などが社会システムに組み込まれるといいですね。

2008年8月4日月曜日

農作物に温暖化の影響じわり

オーストラリアでは、2006年の大干ばつで小麦の生産量が大きく減少し、輸出量も約3分の2に減少、輸出価格は上昇しました。そのため、小麦粉を始め、パン、うどん、パスタが大きく値上がりし、私たちの生活に大きな影響を与えています。

日本でも温暖化の影響が懸念されていましたが、日経新聞によりますと、47都道府県の農業関係試験研究機関を対象に実施した調査では、コメやリンゴ・ミカンなどの果物に、地球温暖化の影響とみられる被害が広がっていることがわかりました。

とりわけ、コメの品質低下が西日本を中心に深刻化し、コメ粒が白濁する現象は37府県で発生していることがわかりました。コメの場合は出穂後20日間の平均気温が26~27℃を超えると急激に玄米が白濁するそうです。
コメ粒の白濁現象は、収穫量の減少や品質低下につながるため、多くの機関が高温に強い品種の開発に着手しています。
九州沖縄縄農業研究センターは、高温でも白濁の少ない品種『にこまる』を開発、長崎県や大分県で作付けを本格化しています。また、熊本県は、今年、草丈が短く台風にも強い『くまさんの力』を品種登録したそうです。

果物でもさまざまな影響が報告されています。
果物は樹木になりますから、気温に合わせて種を蒔く時期を変えるわけにもいかず、新たに植えて、根付いたとしても、収穫まで時間がかかります。それだけに早く手を打つ必要があります。
関東地方では南国特産果物の栽培研究が始まっているそうです。

温暖化によって、今まで食べていたお米の銘柄や、果実の名産地などが、様変わりしていくのでしょうね

人工降雨 オリンピック開会式は晴天に!?

開発途上国の人口増加や経済発展による水需要の拡大、地球暖化による異常気象の頻発、水資源への影響から、水不足への関心が高まっています。

そんな中、人工的に雨を降らせる「人工降雨」の技術に期待が集まっています。

人工降雨の最初の実験は1946年、ノーベル化学賞を受賞したこともあるアメリカ化学者・物理学者のアーヴィング・ラングミュアによって試みられました。今では,世界気象機関(WMO)に報告されたものだけでも約40 カ国で毎年100 件以上もの大きなプロジェクトが実施されています。

日本でも、1947年、九州電力の要請で九州大学が人工降雨の実験を行っています。1994年からの9年間は、首都圏の水瓶である利根川上流のダム周辺に十分な量の雪を安定して降らせる可能性を検討するために、越後山脈での人工降雪実験が行われ、この夏は、四国の水不足解消につなげるため、早明浦ダム周辺で人工降雨実験を実施しています。

人工降雨実験に特に熱心な国は中国とアメリカです。
中国では、農業用水など水資源を安定的に確保するために、1950年から中国全土で人工降雨事業に取り組んできました。

中国は、この人工降雨の技術を使い、オリンピック開会式当日の北京上空を晴天にする計画を立てているようです。もし、雨雲が開会式会場に近づいた場合には、雲が会場へ届く前に人工降雨として雨を降らせ、北京上空を晴天にするようです。

是非、開会式が「晴れの舞台」になって欲しいですね。

2008年8月2日土曜日

海水や泥水から飲料水をつくる逆浸透膜

「命をうばう水・命をくれる水」、日本では、水道の蛇口さえひねれば、安全で衛生的な水をいつでも手に入れることができますが、世界には安全な飲み水を飲めない人が11億人もいます。アフリカのマリ共和国の農村部では、3人に2人が沼や池などの水、人手で掘った浅い井戸の水を使用して生活をしています。

今、このような泥水でも逆浸透膜を通すことで、きれいな水が得られるのです。海水からも飲料水をつくることができます。
自衛隊は、災害派遣やPKO活動で、逆浸透膜浄水システムを使って、飲料水を供給しています。中東、シンガポールなどの水資源の乏しい地域では、豊富な海水を淡水化しています。

逆浸透膜の原理を簡単に説明しましょう。
私たちの髪の毛の太さは約10万ナノメートルです。ウィルスは約10ナノメートル、腎臓の病気のときに人工透析する膜は10ナノメートルくらいの目の粗さです。そして水の分子は0.2ナノメートルとさらに小さいのです。
逆浸透膜というのは、0.2ナノメートルの水と1ナノメートルの塩を分けることができる膜のことです。

                  

片側に真水、もう一方に食塩水を入れておくと、真水は自然に食塩水側へ移動し、同じ濃度になろうとします。この現象を浸透と言い、同じ濃度になろうとする力を浸透圧と言います。
これに対し、浸透圧より大きい圧力をかける事で、半透膜を通し、食塩水中の水分子だけを透過させることができます。通常の浸透現象と逆の働きをする事から「逆浸透」と言われ、このときに使用される半透膜が逆浸透膜です。

逆浸透膜について、日本は世界の65%のシェアを持っているそうです。技術開発によって膜の製造のコストを下げ、貧しい国でも導入できるようになるといいですね。

※1ナノメートルは1メートルの10億分の1です。
NEWater
http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080628
海水の淡水化
http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080325

2008年7月30日水曜日

アーティストが設立したNPO銀行「ap bank」

「ap bank」という銀行をご存知でしょうか。
「ap bank」をご存知でない方でも、人気バンドMr. Children(ミスチル)の櫻井さんとか、世界的に活躍する坂本龍一さんといえば、ご存知の方も多いと思います。

「ap bank」は、2003年、音楽プロデューサーの小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの3名が、自己責任において拠出した資金をもとに、環境プロジェクトに融資を行うために設立したNPO銀行なのです。

融資対象は、自然エネルギーをはじめ環境に関する、地域性を生かした、ふつうに生活する人にできる、小さいけれどもアイデア溢れるさまざまなプロジェクトが中心です。小さい組織ですと、資金が足りない・・・ということも間々あります。ありがたいですね。

「ap bank」の「ap」は、「Artists’ Power」「Alternative Power」の「AP」だそうです。現在は、小林さん、櫻井さんを中心に結成されたバンド「Bank Band」や、多くのアーティストの協力を得て行うイベント、CDやDVDなどの制作物の収益金を主な融資原資、活動資金としているそうです。

融資の仕組みは、貸金業法に基づいており、融資額の上限は500万円、 融資期間は最長10年、融資金利は年1%の固定ということでした。

昨日のブログ「足温ネット」のプロジェクト「ものぐさ省エネ&節電所」の原資にも融資しています。

小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんの『各地域の人々の小さな試みを「融資」という方法で支援することで、「自分たちの力で社会を変えていける」と思う人々が増え、その人々とともに新しい未来を作っていきたい』というあつい思いが伝わってきますね。

我が家には、ミスチルや坂本さんのCDが何枚かありますが、ますます応援したくなりました。

ap bank:http://www.apbank.jp/about/whats.html
Mr. ChildrenのHP:http://www.mrchildren.jp/
坂本龍一さんのHP:http://wmg.jp/artist/sakamoto/

2008年7月29日火曜日

足温ネット(NPO法人 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)

東京都の最も東に位置する江戸川区。その江戸川区に、地域を基盤に、市民が主体となって活動するNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」があります。略して「足温ネット」です。

「足温ネット」の活動は画期的で、「このようなNPO法人があるのだ!!」と驚くばかりです。主な活動は「フロンガスの回収」「市民立江戸川第1発電所建設」「ものぐさ省エネ&節電所」の3つですが、それ以外にもきめの細かい活動をしておられます。地に足の着いた力強い活動ばかりです。

「ものぐさ省エネ&節電所」を簡単にご紹介します。
例えば、電気量販店で、大手家電メーカーの、消費電力190kw/h、省エネ・ノンフロン冷蔵庫が10万円台で売っています。その傍では、消費電力500kwh近い冷蔵庫が6万円台で売っています。
あなたなら、どちらの冷蔵庫を買いますか?省エネが良いことは分かっていても、電力消費量より価格を基準に選んでしまいそうですね。

そこで、足温ネットは、省エネによって達成できる節電料金5年分を無利子で融資し、返済も省エネ節電料金分から返済するというシステムをつくりだしたのです。
消費電力190kw/hの省エネ冷蔵庫に買い替えると、買い替え前より電気代は安くなりますね。その分を計算し、5年分を無利子で融資してもらいます。少し高かった省エネ・ノンフロン冷蔵庫も購入しやすくなります。そして、返済には、安くなった分の電気料金を当てますから、買い替え前の電気料金で、「省エネ&節電」ができるわけです。
新たな出費を作らずに、「省エネ&節電」が行えるのです。

素晴らしいですね。詳しくは、下記のHPをご覧ください。
http://www.sokuon-net.org/index.html

2008年7月27日日曜日

「省エネ大賞」マーク ~エコ替えの参考に~


「省エネ大賞」は、省エネルギー性、省資源性に優れた製品の開発と普及を図り、CO2などの温室効果ガスの排出量削減に貢献した製品に贈られる賞です。

「明日のエコでは間にあわない」と、エコ生活を心がけていても、連日の猛暑、室内での熱中症も心配になりますね。夜間は、防犯や快眠のために、エアコンが不可欠という方も多いのではないでしょうか。

最近の家電の省エネ性能の進歩は著しく、10年くらい前と比べると消費電力もかなり削減されています。環境負荷の小さい、地球に優しい、多彩な機能を備えた製品がどんどん開発されています。

エコ替えをお考えの時には、省エネ性能や電気料金の目安が表示された「統一省エネラベル」や「省エネ大賞」マークを是非参考になさってくださいね。

省エネ大賞を受賞した製品の中からいくつかをご紹介します。

経済産業大臣賞
*蛍光灯照明器具「Wエコ 環境配慮型照明器具」松下電工株式会社

資源エネルギー庁長官賞
*家庭用ルームエアコン「東芝ルームエアコン大清快」東芝キヤリア株式会社

省エネルギーセンター会長賞
*電気冷蔵庫「栄養いきいき真空チルド」「まんなか冷凍」シリーズ 日立アプライアンス株式会社
*家庭用 冷房・暖房・除湿ルームエアコン「日立PAMエアコン ステンレスクリーン 白くまくん Sシリーズ」 日立アプライアンス株式会社
*電球形蛍光ランプ 「ネオボールZリアル 電球100ワットタイプA形」東芝ライテック株式会社*効率LEDダウンライト 「E-CORE[イー・コア]」東芝ライテック株式会社

2008年7月26日土曜日

スーパーカブ

「スーパーカブ」はホンダが誇る50ccバイク。1958年8月の初代モデル「スーパーカブC100」の発売以来、今年で50周年を迎えます。現在まで世界15ヵ国16拠点で生産され、延べ160ヵ国以上で販売され、今年の4月にはカブシリーズとして世界生産累計6000万台を達成しました。

と言っても、「スーパーカブってどんなバイク?」と、お思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっとご覧になったことがあると思いますよ。
銀行の人が外まわりの時に、郵便局員の人が配達時に、おまわりさんが巡回の時に乗っているバイク、かなりの割合でスーパーカブなのです。アジア諸国でも庶民にとってなくてはならない「日常の足」となっているようです。

そんなスーパーカブ、「そば屋の小僧さんが片手でも運転できる、手の内に入る小さなオートバイをつくろう」と言うホンダ創業者の本田宗一郎氏の呼びかけで、57年の正月から開発が始まったそうです。

左手レバーのクラッチ操作をなくし、右足でペダルを踏みこめば変速できる「自動遠心式クラッチ」を生み出し、左手でおかもちを持って運転できるようにしました。
心臓部には、荷物を載せて坂道も上れるパワーがあり、燃料代も安い、4サイクルエンジンを開発。タイヤは「大きくて、でこぼこ道も走りやすい」と、規格外の17インチを特別に作らせ、デザインも女性がスカートでもまたぎやすいようにしたそうです。

昨年10月からオートバイにも排ガス規制が施行されました。
ホンダ技術陣は、この厳しい規制をクリアするため、エンジンの排ガスをきれいにすべく、技術的にもコスト的にも難しいと考えられていた燃料噴射装置を採用し、外観をそのまま残しつつ、進化したスーパーカブを創りあげました。テスト走行での燃費は約110km/ℓ。エンジン付き乗り物の中では世界一の燃費を誇り、環境にやさしいバイクに生まれ変わりました。

「スーパーカブ」は、本田宗一郎氏を始め、多くの技術開発者の情熱と努力に支えられ、これまでの50年間同様、これからも、世界中で愛用され続けることでしょう。

2008年7月23日水曜日

日本とハンガリーの排出量取引


7月19日のブログ『バチカン市国のカーボンニュートラル化』の中で、「クリマファは、ハンガリー中央部の15㌶の区画に森を蘇させることによって、バチカン市国が排出するCO2を相殺」の旨紹介しました。

ハンガリーの新興企業クリマファが、バチカン市国に、「排出量」という形の寄付を行ったのですね。寄付と言えば、お金や貴重な物品を連想しがちですが、これからは、「排出量」という形の寄贈もあるのでしょうね。

ハンガリーでは、森林の荒廃がすすみ、1990年代初めには、森林の約3割に枯死や落葉の異変などがみられたため、植林計画を立て、植林に力を注いでいます。
また、ハンガリーは、京都議定書で、6%の削減義務を負っているのですが、社会主義から市場経済への移行期に経済が低迷だったこともあって、すでに目標を達成し、さらに、最大1億トン程度の余剰が発生する見通しだそうです。
余剰分は目標達成が難しい国などに排出権として売却できるため、ハンガリーは日本や他の欧州諸国と交渉を進めているそうです。

そこで、日本政府は、省エネなどの国内対策だけでは、京都議定書で定められた温室効果ガス削減目標を達成できないと見られることから、その分を補うために、京都メカニズムの先進国同士の排出量売買を決めた「共同実施(JI)」を活用し、ハンガリー政府から、温室効果ガスの排出権を買うことを決めました。

さらに、支払う代金の使い道は、「グリーン投資スキーム」活用し、ハンガリー国内の温室効果ガス排出量の削減に貢献し得る環境対策に限定されています。
日本政府は、ハンガリーが2008年に約1000万トンを売ると想定し、欧州連合(EU)の企業間市場で取引されている値段を参考に、全量買った場合の代金は200億円規模になると見ているようです。

2008年7月22日火曜日

J8サミット

G8の開催に合わせて、「J8サミット2008千歳・支笏湖」が行われていたことをご存知でしょうか。

J8サミットは、Junior 8(ジュニア・エイト)サミットのこと。
J8サミットは、ユニセフ(国連児童基金)等の協力を得て、G8各国の中高生を中心に、世界の問題について話し合う国際交流事業です。2005年のイギリスでのグレンイーグルスサミットからスタートしました。

今回は、外務省とユニセフの共催で、日本を含むG8の各国から1チーム(4名)とG8以外の国から7名、計15カ国39名の中高生が参加し、1)気候変動、2)貧困と開発、3)国際保健の3つのテーマに基づいて話し合いが行われました。
そこで出た意見は、「千歳宣言」と「J8アクション・プラン」としてまとめられています。

J8の様子は、テレビ報道では殆ど見ることができませんでしたが、「政府インターネットテレビ」で見ることができます。

いろいろな国の若者たちが集い、世界で起こっている諸問題を共有し、解決のために討議を重ねる様子を見て、未来には希望があり、世界は良くなると思いました。

お時間がありましたら、ご覧になってはいかがでしょうか。8分30秒ほどのビデオです。
「政府インターネットテレビ」からお入りください。
政府インターネットテレビ>21ch地球環境・サミット>「今」実行し「未来」へ引き継ぐJ8サミット

2008年7月21日月曜日

森林はCO2を吸収しています

IPCC第4次評価報告書によりますと、大気中の炭素量は7600億トンで、毎年34億トンずつ増加しているそうです。そんな中、植林等によって吸収される炭素量は年間14億トンだそうです。

森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長しています。


樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素量は一本一本みんな違っていますが、CO2排出量と森林(スギ人工林)のCO2吸収量を身近なもので考えてみました。目安にしていただければと思います。

1世帯から1年間に排出されるCO2の量は6500kg、スギ人工林0.8ha(スギ460本)の年間吸収量と同じくらいだそうです。100m×80mの土地にスギを460本植えた時の吸収量と同じくらいですね。

人間1人が呼吸により排出するCO2は年間320kgで、スギ23本の年間吸収量と同じくらいです。

自家用車用乗用車1台から排出されるCO2は年間2300kg、スギ160本の年間吸収量と同じくらいです。

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。地球上の二酸化炭素循環の中では、森林が吸収源として大きな役割を果たしています。(参考:林野庁HP)

注)ここに掲載されていますイラストの著作権は、THINKING ECOにあります。転載はお断りいたします。

2008年7月20日日曜日

電気自動車

夕方の番組「夢の扉」で紹介されていました究極のエコカー「エリーカ」には、インホイールモーター、リチウムイオン電池、回生ブレーキなどの多く技術が凝縮されているようですね。

時速370kmで走り、加速性にも優れた「エリーカ」は、タイヤのホイールに取り付けたモーターで車輪を回しています。「エリーカ」の8つ車輪すべてが駆動輪、全輪駆動車なのです。4輪駆動車が雪道でも走れるように、運動性能が良く、加速も良いのです。これはインホイールモーター方式と呼ばれ、トヨタやホンダなどの車でも採用されています。

電気自動車には電池(バッテリー)が欠かせません。日産自動車とNEC、トヨタ自動車と松下電器産業、独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機、三菱自動車と電池大手ジーエス・ユアサコーポレーションなど、自動車大手と電機大手が組んで、「エコカー」向けのリチウムイオン電池の開発・販売に力を入れています。

次に回生ブレーキです。回生ブレーキというのは、電気自動車やハイブリッドカーなどで用いられる電気ブレーキのことです。
例えば、自転車でブレーキをかけると、車輪とブレーキパッドの間に「摩擦熱」が発生しますね。「運動エネルギー」から「熱エネルギー」にエネルギーが形を変えることで、自転車は止まります。しかし、電気自動車では、摩擦熱のような形でエネルギーを捨ててしまうのではなく、電気エネルギーという形でバッテリーに回収しています。このエコロジーなシステムが回生ブレーキです。
ちなみに、2007年デビューの新型新幹線N700系は、必要なブレーキ力の全てを回生ブレーキでまかなっているそうです。新幹線はエコトレインといわれる所以ですね。

最後に、「エリーカ」は1回の充電で300kmは走れるそうです。「エリーカ」も三菱の電気自動車「iMiEV」も夜間電気を使うと1kmあたり1円で走るそうです。

ガソリンスタンドでガソリンを入れるように、短時間で充電が可能になれば、移動範囲も広がり、普及にも拍車がかかるのでしょうね。

2008年7月19日土曜日

バチカン市国のカーボンニュートラル化

カトリック信者10億人の総本山バチカン。バチカンは国全体が世界遺産に登録されている世界最小の国家です。国土の面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドのテーマパークエリアは0.51平方キロメートル、皇居は1.15平方キロメートルですから、その広さは容易に想像していただけると思います。

そのバチカン市国はカーボンニュートラル化を進めています。

カーボンニュートラルというのはCO2の増減に影響を与えない性質のことです。
バイオエタノールのような植物由来の生物の燃料は、燃やすとCO2が出ますが、植物は成長過程で光合成によりCO2を吸収していますので、ライフサイクル全体でみるとCO2の収支はゼロ、カーボンニュートラルであると考えられます。

また、事業活動などで排出されるCO2を、植林によって吸収させ、実質的に相殺してゼロに近づける取り組みのことも、カーボンニュートラルと呼ばれています。

バチカンは、ハンガリーの新興企業クリマファからの寄贈を受けました。
クリマファは、ハンガリー中央部の0.15平方キロメートルの区画に植林し、かつてそこにった森を蘇させ、バチカン市国で一年間に車や暖房などによって排出されるCO2を吸収させるという取り組みを行っています。

そのバチカン市国は昨年2007年の9月に世界で初めてカーボンニュートラルな国になました。

2008年7月17日木曜日

エコな飛行機

エコカーやエコトレインが身近な言葉になってきましたが、航空機でも2013年には温室効果ガス排出規制の導入が予定されています。

航空機が排出している温室効果ガスの量は、全体から見るとまだ少ないのですが、航空機による輸送はこれからも増えていくと予想されています。近距離移動は、日本の新幹線のように、各国の高速鉄道などに振り替えることができますが、開発途上国ではそういうわけにいきません。また、海外へ行くときには飛行機は不可欠です。

そこで、エコな飛行機の開発が求められています。

先ず考えられたのが、軽量化です。
航空機がどれくらいの燃料を積んでいるかご存知でしょうか。
空荷の状態で236トンの機体に、86トン程度の人と貨物を積むと322トンになりますが、これを米国東海岸まで飛ばすために178トンもの燃料を積むそうです。86トンの人や貨物を運ぶのになんと2倍の178トンの燃料が必要で、総重量は合計500トンにもなるのですね。
まさに、「燃料を空中に持ち上げるために燃料を燃やす」という感じですね。

離陸時に、もっとも大量の燃料を消費するのですが、日本の複合材料、特に、炭素繊維複合材の技術はこの軽量化のために活用されています。

今、開発が急がれているのは、CO2排出量の少ない飛行機です。

アメリカのボーイングは、ジェット燃料に植物プランクトンで生産するバイオ燃料を混ぜるという計画を発表しました。水中に繁殖する緑藻が、水とCO2を吸収し光合成を通じてジェット燃料似た成分の油をつくる性質利用して、燃料になる油を抽出、ジェット燃料に混ぜるそうです。

ヨーロッパのエアバスは、燃料電池を搭載した航空機を開発しています。航空機は、機内で消費する電気をつくる発電機を燃料電池に置き換えることでCO2を削減したいと考えています。

2008年7月16日水曜日

みかん(柑橘類)のリサイクル

夏には夏みかん、冬には温州みかん、砂糖煮やジャムもあり、みかんはとても馴染みの深い果物ですね。
また、リサイクルなんて言葉は使っていませんでしたが、みかんの皮は、昔から、漢方薬(陳皮(ちんぴ))や入浴剤、掃除にも重宝されていました。

みかんなどの柑橘類の皮には、天然の油「リモネン」が含まれています。柑橘類の皮をよく見ると、表面に油の入ったプツプツしたものがありますね。この油が柑橘特有の香りの成分「リモネン」です。

リモネンの分子構造は、発砲スチロールの原料のポリスチレンと似ていています。似ているものですから、約98%が空気でできている体積の大きい発砲スチロールですが、リモネン液に簡単に溶け、1/50の容量になるそうです。もともと2つの液は化学反応を起こしたわけではありませんから、リモネンが蒸発するとポリスチレンに戻ります。純度100%のポリスチレンを取り出し、再生発砲スチロールを生産できるわけですね。この天然リモネンによる発砲スチロールリサイクルシステムはソニーが開発したそうですよ。

また、「リモネン」はプラスチックにもなるそうです。コーネル大学の研究グループがオレンジなどの柑橘類果実と二酸化炭素(CO2)からプラスチックを作る方法を開発しています。リモネンの酸化物と温室効果ガスであるCO2を、触媒を用いて反応させてつくるようです。

日本でも、株式会社バイオテックマテリアルは、独自のバイオマスプラスチック製造技術を生かし、みかんジュースの絞りかすとポリプロピレンを高温高圧で混ぜ、建材をつくっています。

化石燃料の使用量も減らせ、みかんも丸ごと有効利用でき、素晴らしい技術ですね。いつまでもみかんを食べられる環境であって欲しいですね。

2008年7月13日日曜日

アメリカの山火事

今年もまた、アメリカのカリフォルニア州で、大規模な山火事が発生しているようですね。カリフォルニア州では、この30年で大規模な山火事が約4倍に増えたそうです。

気温の上昇が、山間部の雪解けを早め、夏から秋にかけて土地や木をいっそう乾燥させ、山火事が起こりやすい状況をつくっているのだそうです。
そして、温室効果ガスを吸収する木が大量に失われ、気温上昇と山火事の頻発を招く悪循環にはまっているそうです。

昨年の南カリフォルニアの山火事だけで排出された二酸化炭素は約200万トン、これは44万台の車の年間排出量に匹敵するそうです。


上の写真は、アリゾナ州で撮ったものですが、カリフォルニア以外に米国西部でも大規模な山火事が発生し、長期的な温暖化の影響が出始めているそうです。

山火事によって、温室効果ガスを吸収するはずの森林が、大量の温室効果ガスを排出してしまっているのですね。

シガテラ中毒

シガテラ中毒は、サンゴ礁海域にすむ魚を原因として起きる食中毒です。自然毒食中毒としては世界的に最大の規模で、年間2万人以上の中毒患者が発生しています。死亡率は低いものの、下痢や吐き気のほかに、ドライアイス・センセーションと呼ばれる温度を感じる感覚の麻痺を伴い、回復には数ヶ月以上かかるそうです。

コロンブスが航海を始めた15世紀から、「サンゴ礁に船が座礁すると、そこに住む魚が毒をもつ」という言い伝えがあり、クック船長の日記にも「ふだんは無毒のはずの魚をたべ、奇妙な中毒を起こす船員がいる」と書かれているそうです。

東北大学の安元先生は、1976年にWHO(世界保健機構)の依頼を受け、シガテラ中毒の多発地帯のタヒチで、シガテラ毒の研究を始め、原因を明らかにしました。
その結果、サンゴが何らかの原因で死んだあとに、環境の変化に強い石灰藻が増え、その石灰藻に付着する渦鞭毛藻と呼ばれるプランクトンよって、シガテラ中毒の原因となるシガトキシン類が生産されることが分かりました。

シガトキシン類は食物連鎖をとおして次々と魚に蓄積されていきます。
沖縄県や南九州での中毒はしばしば発生していましたが、2002年末、千葉県内の料理店でイシガキダイを食べた人が、昨年には大阪府でも、イシガキダイを食べた釣り人が、中毒になりました。

地球温暖化により海の環境も変化してきています。
オニヒトデが大量発生し、サンゴを食い荒らすという異常事態も起きています。サンゴの死滅は、シガテラ中毒の発生につながります。海水温上昇によって魚を毒化するプランクトンの生息域が広がっている可能性があります。亜熱帯以南でしか起きないはずの「シガテラ中毒」の温帯域への拡大が懸念されています。

2008年7月11日金曜日

諫早湾干拓訴訟

干拓と漁業被害との因果関係が最大の争点となっていました諫早湾干拓訴訟。干拓事業と諫早湾の環境変化、漁業被害との因果関係を認め、潮受け堤防の排水門開門を命じた佐賀地裁判決を受け、国は、開門によって、農漁業者が救済されると判断するのは困難と判断、福岡高裁に控訴しました。

諫早湾奥が閉め切られたのは1997年。それ以来、漁獲量の減少、ノリの不作など、年々環境の急激な悪化が心配されています。しかし、すでに干拓事業は完了し、今年4月から営農が始まっています。排水門を開けると、今度は農業に支障をきたすそうです。そして、新たな税金投入も必要になるかもしれないとか。困ったものですね。「始まると止まらぬ公共事業」、時間が経過するほどに、解決が難しくなるような気がしますね。

そして、時間が経過するほどに取り返しのつかないものが、もう一つ。有明海にしか生息しない貴重な生物や絶滅が心配されている多数の生物が息づく自然環境です。
九州の有明海沿岸には、日本に残る干潟の約4割があると言われています。有明海の沿岸には6メートルに及ぶ、日本最大の干満の差と、100を超える河川の流入によって形成された、大きな干潟が発達しています。WWFジャパンも支援活動をしています国内でも有数の貴重な自然環境なのです。

シチメンソウで赤く染められた海岸、すぐ傍の干潟で飛び跳ねる愛嬌たっぷりのムツゴロウ。干物になると、ちょっと凄みのきいた顔に変身するワラスボ。どれもこれも守りたいものばかりです。
農水相は、特産魚類の生息調査や貝類も含めた増・養殖技術開発の検討などに取り組む方針も示していました。早々に行われることを期待したいですね。

2008年7月10日木曜日

「エコ松」の植樹

あっという間に閉会した洞爺湖サミットでしたが、昨日、G8首脳が和やかな雰囲気で「松」の植樹をしていましたね。

あの松は「クリーンラーチ」と名づけられた新しい品種の「エコ松」なんです。ラーチは英語でカラマツのこととか。

豊かな森林をつくるために、苗木の品種改良を進めていました道立林業試験場が、林産試験場と共同で、カラマツとグイマツをかけあわせて、新品種を開発したそうです。

クリーンラーチの特徴は、父方のカラマツから「成長がよい」という性質を受け継ぎ、母方のグイマツからは「野ネズミ食害に強い」「材密度が高く、強度がある」という性質をもらい、さらに二酸化炭素の吸収量も従来の品種より7~20%多くなったそうです。
双方の良いところを受け継ぎ、さらに優れた性質が生まれるなんて、素晴らしい限りですね。

CO2の吸収など、その森林の機能を最大限に発揮させるためには,そこから収穫される木材をできる限り長期間利用することが重要だそうです。木材利用の促進も大切なことなのですね。

道立林業試験場のHPには、「32年生のクリーンラーチ」の写真が載っていました。長い年月をかけての研究が実ったのですね。
道立林業試験場:http://www.hfri.pref.hokkaido.jp/cleanlarch/cleanlarch.html

2008年7月9日水曜日

低公害車

洞爺湖サミットでは、トヨタ自動車など各社が、低公害車を合わせて約200台提供しているそうです。

低公害車には、燃料電池車、電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス車などありますが、それぞれに、一長一短ありそうです。

燃料電池車は、水素と酸素の反応で生じる電気が動力源になっています。走行中は水しか排出しないのですが、電池の材料に白金を使用するため価格が高く、ガソリンスタンドのように水素を供給する施設の整備が必要です。水素はメタンガスから作り出すそうです。そのメタンガスは都市ガスやLPガスに含まれるメタンガス、バイオガスから発生するメタンガスからも取り出すことができるようですが、CO2を排出の課題は残りますね。

電気自動車は、バッテリーに蓄えた電気が動力源になっています。CO2などの排出ガスは一切なく、ガソリン車などに比べ、走行時の騒音が少ないそうです。ただ、走行距離が短いこと、充電にも時間がかかること、基になる電気を発生するためにCO2を発生する可能性があるなどの課題もあります。

天然ガス車の動力源は文字通り天然ガスです。天然ガスは石油と違って世界各地に埋蔵しています。ガソリンは使いませんが、燃料電池と比べると環境によくないそうです。

ハイブリッド車は、ガソリンエンジンとモーターを併用しています。燃費がよく最も普及しています。当初はバスやトラックなどが多かったのですが、一般乗用車で増加しています。トヨタ自動車のプリウスがその代表ですね。課題としては、ガソリンを使うため環境に悪影響があることや、一台をつくるのに、通常の車より20%程度多くCO2を排出する(日本自動車工業会)などがあげられます。

地球温暖化問題、ガソリン価格高騰などを考えると、これからはどのような車が良いのでしょうね。価格や性能を継続的に勉強していきたいですね。

2008年7月5日土曜日

クールアースデー

今年から、7月7日は「クールアースデー」。
政府は、環境問題の大切さを国民全体で再確認していくため、7月7日を「クールアース・デー」と定め、施設や事業所、家庭などで一斉に電気を消す「七夕ライトダウン」を呼びかけています。

消灯の時間帯は、午後8時から10時までの2時間です。

東京タワー、東京ドーム、横浜ベイブリッジ、通天閣など、818ヶ所の施設が参加。東大寺、大阪城、熊本城など、多くの歴史上の建造物も明かりを消す予定。全国で72818ヶ所の施設が参加、セブン・アイ・ホールディングやイオンなどの小売業界も看板の消灯に協力するそうです。環境省によると、これによって削減される電力量は108万7795kwhに達し、二酸化炭素に換算すると420㌧になるそうです。

七夕と言えば、七夕飾りは趣きがあっていいですね。小さい子どもたちが願いごとを書いた短冊を笹に結びつける様子はいつ見てもほほえましいですね。
そして、天の川。ご家族で星を眺めるというのはいかがですか。「七夕ライトダウン」のおかげで、お天気がよければ、天の川が見えるかもしれませんね。

織姫と彦星の年に一回の逢瀬、実らせてあげたいですね。

織姫は琴座のベガ、彦星はわし座のアルタイルという名前で呼ばれています。
下に書いてあるURLにアクセスしてみてください。ベガ、アルタイルの位置がわかりますよ。
国立天文台 天文情報センター: http://www.nao.ac.jp/hoshizora/index01.jpg

2008年7月1日火曜日

家庭用燃料電池(1)

最近、燃料電池自動車の開発が進んでいますが、今朝の新聞に『政府は来春から家庭用燃料電池に補助金制度を導入の予定。また、松下電器産業は、7月から発電効率を高めた小型燃料電池の性能や安全性を確かめる実証実験を開始』という記事がありました。

「燃料電池?」とお思いの方も多いのではないでしょうか。燃料電池は化学反応を利用して電気を取り出す「化学電池」の仲間で、水素と酸素の化学反応によって電気を得ています。

中学生の頃、理科の時間に「水の電気分解」の実験をしたことがありましたね。確か、電気が通りやすくなるように、水酸化ナトリウムを加えた薄い水酸化ナトリウム水溶液を作り、その中に立てた2つの電極間に電気を通すと、それぞれの電極に水素と酸素が発生するという実験でした。思い出していただけたでしょうか?

水に電気を通し酸素と水素を作る。この逆の反応は、酸素と水素を反応させて電気と水を作ることですが、燃料電池はこの原理を使って発電しています。水素という燃料さえ補給してやれば、ずっと自力で発電し続けることができるため、燃料電池と呼ばれているのです。

燃料電池は火を燃やすのではなく、酸素と水素が持っているエネルギーを直接、電気エネルギーに変えることができるため、発電効率が良いそうです。

ガスコンロでお湯を沸かすとき、まわりの空気も暖かくなることからも想像できますが、現在の発電所は、発電効率がだいたい35%、残り65%のエネルギーは、利用されずに排熱となって海へ捨てられています。また、発電してから、長い距離を送電される途中で、電線の抵抗によっても1割くらいの電気が失われてしまっています。

では、電気を使うすぐ傍で発電できればどうでしょうか?電気を送電するときのロスも小さいですし、発電時に発生する熱をお湯として利用することができます。ここが、家庭用燃料電池の良いところなのです。
家庭用燃料電池は、発電効率が30%ぐらいですが、排熱利用効率が50%、一次エネルギーの80%を利用することができるという優れものなのです。

参考:http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080428

2008年6月30日月曜日

環境クイズ(2)

先日の環境クイズはいかがでしたか?続きをお楽しみください。

Q1 日本のエコマーク第1号製品は?

    ① ノンフロンのヘアスプレー  ②  ノンフロンの冷蔵庫 ③ ノンフロンのエアコン

Q2 太陽光発電の導入量ベスト3は?

    ① 1位 日本/2位 ドイツ/3位 米国  ② 1位 ドイツ/2位 日本/3位 米国  ③ 1位 米国/2位 日本/3位 ドイツ

Q3 京都議定書で、日本に課された温室効果ガスの削減義務は、1990年比で何%?
    ① 6%  ② 9%  ③ 12%

Q4 温室効果ガスのうち、もっとも温暖化への寄与度が高いものはどれ?
    ① 二酸化炭素  ② 一酸化二窒素  ③ フロン

Q5 土地や建物を市民が買うことで、自然環境や歴史的景観を守る「ナショナル・トラスト」。日本の第一号は?
    ① 鎌倉(財団法人 鎌倉風致保存会)  ② 阿蘇(NPO法人 阿蘇花野協会) ③ 知床半島(しれとこの森・トラスト関西)

A1 ノンフロンのヘアスプレー1981年、ちふれ化粧品のノンフロンヘアスプレー、セットローション、ヘアトリートメントの3商品が、エコマーク商品第1号に認定されました。

A2 1位 ドイツ/2位 日本/3位
    米国 2004年までは日本が最大の導入国でしたが、現在はドイツが第1位です。

A3 6%日本は1990年比で6%の削減を義務づけられています。米国は7%、欧州連合(EU)は8%です。

A4 二酸化炭素二酸化炭素が9割以上を占め、残りは、フロン、メタン、一酸化二窒素の順です。

A5 鎌倉(財団法人 鎌倉風致保存会)鎌倉の景観を守るため、1964年に結成されたのが財団法人鎌倉風致保存会で、日本のナショナルトラスト第1号です。
参考:http://blog.goo.ne.jp/thinking-eco/d/20080525

2008年6月28日土曜日

ニューウォーター(NEWater)

「ニューウォーター」と聞くと、スポーツ飲料を想像する人も多いのではないでしょうか。実は、これは、シンガポールで名づけられた、飲用に適するレベルまで高度処理した再利用水のことなのです。

どのような高度処理かと言いますと、通常の下水処理後、

  1. マイクロフィルターという装置で、固形物、コロイド、細菌、一部のウイルスなどを除去。
  2. 逆浸透膜装置により、微細な大きさの重金属や、農薬等の有機物、ウイルスなどを除去。処理後の水にはごく低レベルの塩分と有機物が残るのみで、ほぼ純水に近い状態になるそうです。この段階で、大腸菌類も完全に除去できるそうです。
  3. 紫外線殺菌によって有機物を不活性化させ、phバランス調整のためアルカリ性化学物質を添加。


シンガポールでは、水の総消費量の約半分をマレーシアからの輸入に頼っており、マレーシアへの依存度を低減するため、新たな水の調達手段を検討していました。ニューウォーター開発研究が始まったのは1998年のことです。再処理費用は海水の淡水化費用の半分くらいとか。

ニューウォーターの上水利用では、ニューウォーターをいったん貯水池に放水して混合し、通常の浄化処理を施してから給水しています。これは、再利用水への心理的な抵抗感を和らげるとともに、処理過程で失われたミネラル分を添加できるという利点もあるそうです。
政府は、放水されるニューウォーターの全消費量に対する割合を、2011年までに2.5%に上げる計画のようです。

シンガポールの水資源を統括・管理する公共機関「PUB」が製造する再生水『NEWater』は、「グローバル・ウオーター・アワード2008」で、その年にもっとも環境に配慮した再生水を作り出す水道会社に与えられる「エンバイロメント・コントリビューション・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。

現在シンガポールは、国内、外資系産業に使われる工業用水の15%以上を供給しており、2011年までに国内で必要となる工業用水のすべてをニューウォーターでまかなえる見込みだそうです。

2008年6月27日金曜日

環境クイズ(1)

環境月間の6月も余すところ数日になりましたね。今日は、環境クイズでお楽しみください。

Q1 日本の国土に占める森林の割合は?  ①3割 ②5割 ③7割

Q2 日本の木材自給率は?           ①2割 ②5割 ③7割

Q3 「3R」の組み合わせで正しいものは?  ①リデュース リユース リサイクル ②リデュース リサイクル リフューズ ③リユース リサイクル リフューズ

Q4 フードマイレージの計算の仕方で正しいものは?   ①食料の輸送距離 ②食料の輸送距離×総重量 ③食料の輸送距離×横断した国の数

Q5 世界で初めての環境ラベルは?   ①日本の「エコマーク」 ②ドイツの「ブルーエンジェル」 ③カナダの「環境チョイスプログラム」

A1 7割 (日本の国土の約7割は森林です。国土に占める森林の割合は、先進国において世界第三位で、第一位はフィンランド、第二位はスウェーデンで、これに日本が続きます。)

A2 2割 (日本の木材自給率は約2割で、8割は海外からの輸入材です。)

A3 リデュース リユース リサイクル (リデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)をあわせて「3R」(スリーアール)といいます。3Rには含まれませんが、過剰包装などを拒否する「リフューズ」も心掛けたいですね。)
参考:http://www.thinking-eco.net/term_ma-mottainai.htm

A4 食料の輸送距離×総重量 (食料の輸送距離に総重量を乗じたものがフードマイレージです。フードマイレージの値が大きいほど、輸送にかかるエネルギーが多くなり、環境に対する負荷も増えます。)
参考:http://www.thinking-eco.net/term_ha-food_mileage.htm

A5 ドイツの「ブルーエンジェル」 (ブルーエンジェルは1978年に世界に先駆けて制定されました。日本のエコマークは、1989年、カナダの環境チョイスプログラムは、1988年に制定されています。どれも、一定の基準を満たした環境配慮の商品に対して認定されます。)
参考:http://www.thinking-eco.net/term_a-eco_mark.htm

2008年6月26日木曜日

省エネラベル

ボーナスの季節を迎え、エアコンやテレビ、冷蔵庫といった家電製品の買い替えを検討しておられる方、「環境」にも「お財布」にも優しい製品を選ぶために、省ラベルをご参考になさってはいかがでしょうか。

「省エネルギーラベリング制度(省エネラベル)」は、2000年から5品目を対象にスタートしました。2008年6月現在では16品目を対象にカタログと製品本体に表示され、製品を選ぶ時に、省エネ性能を簡単に比較できるようになっています。

省エネラベル


目標年度:省エネ基準達成のための目標年度
省エネマーク:省エネラベルの目印。省エネ基準を達成すると緑色、未達成の場合はオレンジ色で表示される
省エネ基準達成率:その製品が省エネ基準をどれくらい達成しているかを%で表示
エネルギー消費効率:エネルギー消費効率は、年間消費電力量など、製品がどれだけエネルギーを使うかを示す数値

「統一省エネラベル」は機器単体のエネルギー消費量が大きく、省エネ性能にばらつきが大きいエアコン・冷蔵庫・テレビで表示されている環境ラベルです。統一省エネラベルのポイントは、何といっても、「☆」の数と年間の目安となる電気料金でしょう。

統一省エネラベル

① ノンフロンの冷蔵庫にはノンフロンマークが表示されています。
② 多段階評価制度:エアコン・冷蔵庫・テレビについては、省エネ性能を5段階に分け、市場における製品の性能の高い順に5つ星から1つ星で表示
③ 年間の目安電気料金
④ 統一省エネラベルの針間違いがないように、メーカー名、機種名を表示
⑤ 省エネラベリング制度
⑥ 本ラベルが、何年度のものであるか表示

2008年6月25日水曜日

LED照明器具

エコ照明といえば、電球形蛍光灯でしょうか。
政府も、白熱電球から、消費電力が少なく長持ちする電球形蛍光灯への切り替えを促しています。国内での製造・販売を数年以内に中止する方針だそうですね。メーカーの試算では、白熱電球に比べ蛍光灯は、消費電力は1/5倍、1万時間使った電気代は1個当たり9600円ほど安く、寿命は10倍だそうです。

とは言うものの、これからはLEDを考えたいですね。
今年の1月、イギリスのロンドン市では、、地球温暖化や省エネルギー対策の一環として、3日間限定、1家庭2個までということで、白熱電球を消費電力の少ないLEDを使った電球と無料で交換するキャンペーンを行いました。

LEDとは「Light(光る)」「Emitting(出す)」「Diode(ダイオード)」の頭文字を組み合わせたもので、電気を流すと発光する半導体のことです。LEDは1960年代に暗めの赤色と黄緑色のLEDが開発されて以来、信号機などの表示用途で実用化されてきました。その後、発展の契機となる1993年の青色LEDの開発、またそれを応用した1996年の白色LEDの開発を経て、現在に至っています。

LEDは白熱灯や蛍光灯に比べて寿命が長く、消費電力も小さく、直流回路を使うため蛍光灯のようなチラツキもなく、熱の発生も少なく、紫外線が少ないので虫も寄ってこず、とても小さくデザインが自在、水銀も使っていません・・・LEDは環境に優しいエコライトとしては素晴らしいものです。

しかし、クリスマスのデコレーションなどに使われている電飾のLEDを見る限りはまぶしいのですが、明かりとして考えるとまだ少し明るさが足りないそうです。間接照明には良いでしょうね。

今、各メーカーさんは蛍光灯の明るさに追いつくくらいの明るさを求めて研究開発に凌ぎを削り、新しい製品を徐々に発表してきています。
電球形蛍光灯もいいですが、LEDもいいですよ。

2008年6月24日火曜日

フードバンク

日本の食料自給率は4割を切ると言いながらも、まだ食べられる食べ物が大量に捨てられています。

日本で1年間に廃棄される食品は約2000万トン、そのうち24%は肥料や飼料などにリサイクルされ、76%は焼却や埋立て処分されているそうです。そして、この費用は自治体の財政面で負担になっています。

コンビニなどでは、消費期限になっていなくても、賞味期限を過ぎれば廃棄される加工食品がたくさんあります。
また、店舗によって異なりますが、スーパーなどでは、パンなどの消費期限が3日間で、その3日目当日には陳列棚に並べられることは殆どありません。消費期限に問題がなくても、パッケージに傷があれば、陳列棚から外されます。野菜などは新しい荷が入ると、鮮度が落ちていなくても廃棄されてしまうこともあるそうです。このように十分安全に食べられる食品が、ある基準で商品価値を失うと捨てられてしまっているのです。

一方で、低所得者やホームレスのシェルター・児童福祉施設・障害者通所作業所や共同生活ホーム・母子緊急生活支援施設などの団体は福祉予算の削減などで苦しい経営をしています。

「フードバンク」というのは、品質に問題がないのに廃棄せざるをえない食品を、メーカーや小売店から寄付してもらい、必要としている人に無償で届けるボランティア活動のことです。
命をつなぐ糧である食品の「金銭の介在しない新しい流れ」、再分配システムを作り出しているのです。また食品の廃棄量が減少すれば産業廃棄物として焼却処分される量も減り、環境保全にも貢献できます。

このような活動は、アメリカでは、約20年前から取り組まれているそうです。日本へは東京にあるNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」(旧フードバンクジャパン)が持ち込み、2000年からスタートしました。関西でもNPO法人「フードバンク関西」が2003年から活動しています。

東京では、約60の企業が参加し、30以上の施設やホームレスに届けられています。関西では、8社と1団体から定期的な食品の提供を受け、31団体に届けられています。応援したいですね。

太陽光発電に補助金

住宅用太陽光発電システムのカタログをひらくと、「太陽光発電のある暮らしは地球環境と我が家の家計のどちらにも嬉しい。石油消費年間削減量は18リットル缶約58本分、CO2削減量は杉の木約103本分の吸収量に相当。」などという文言が目に飛び込んできます。

そこで、値段を聞いてみますと、初期投資に200万円くらいは必要とのこと。環境に優しいかもしれないけれど、本当に家計に優しいのかしら?と、ちょっと考え込んでしまう金額です。

と言うのも、1994年導入されていた太陽光発電補助金が2005年末に打ち切られていたからでした。京都議定書は1997年に採択され、発効は2005年2月でしたから、温室効果ガス削減の必要性は十分わかっていたはずです。どうして打ち切ったのでしょうね?

補助金廃止も原因の一つだと思いますが、7年間連続世界一位だった、日本を代表する企業シャープの太陽電池生産量は、2007年にドイツのQセルに抜かれてしまいました。
原料のシリコン調達に油断があったようです。海外勢は需給が逼迫すると見て、いち早く長期契約に踏み切っていましたので、今までどおり調達できると思っていた日本勢は原料を手に入れることができなくなったのです。

Qセルは、ドイツ政府の「再生可能エネルギー法」による太陽光発電電力の優遇措置で、急成長してきた、太陽電池パネル専門の企業です。一方大きな会社の一つの事業部が担当する日本勢は世界の流れに乗り遅れたのかも知れませんね。

その住宅用太陽電池に、再び、補助金がでることになりそうです。
経済産業省は、地球温暖化や原油高に対応するためのエネルギー政策をまとめ、太陽電池発電を本格的に普及させるために、家庭向けに補助金制度や優遇税制を検討。今後3~5年で住宅用発電システムの価格を半額にするという目標を示しました。

2008年6月18日水曜日

洞爺湖サミットの参加国はいくつ?

洞爺湖サミットへの参加国は、正式メンバー(G8:日本、米国、英国、仏、独、伊、カナダ、ロシア、EUの委員長)以外に14カ国が加わり、史上最大規模の22カ国です。
もともとは、1970年代に浮上してきた経済問題を、「顔を合わせ、ざっくばらんに話し合う」ために始まったサミットですが、地球温暖化問題など地球規模の問題が課題となってきたため、広く参加を呼びかけるようになりました。

1977年から当時の欧州共同体(EC)(現在は欧州連合EU)の委員長がサミットに参加。
1997年から正式メンバーになったロシアの場合は、1991年からG7会合後に、G7と旧ソ連大統領との会合が設定されました。
2003年から主要途上国の首脳もサミットに参加。過去3回のサミットでは、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの5カ国がゲスト参加し「常連組」になっています。

今回は、「常連組」5カ国ほかに、韓国、インドネシア、オーストラリアが加わり、G8と温暖化問題に関する特別拡大会合を開くことになっています。G8とこれらの8カ国が排出する温室効果ガスは世界の7割以上にもなるそうです。

洞爺湖サミットでは、
7月7日(月)には、G8とアフリカから7カ国(アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、タンザニア、南アフリカ)が参加し、拡大会合がもたれます。
7月8日(火)は、G8会合。
7月9日(水)は、G8と中国、インド、ブラジル、メキシコ、韓国、インドネシア、オーストラシアが参加し、主要排出国会合が予定されています。

最大の懸案は地球温暖化問題。2012年に現行の国際取り決めである京都議定書が期限切れになりますから、新しい枠組みを作らなければなりません。食糧価格の高騰、テロ、武器拡散防止も重要なテーマです。

正式メンバー内の意見調整だけでも難しいでしょうに、これだけ多くのゲスト国の意見まで集約するとなると、さぞや本当に大変でしょうね。

福田さん、がんばれぇ!!!!!!!

2008年6月17日火曜日

サミットの歴史

今年のサミットは、洞爺湖で行われることや、地球温暖化や原油・食糧価格の高騰など身近な問題がテーマになっていることもあって、関心をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで、これまでのサミットを簡単に振りかえってみました。
1970年に入り、1971年のニクソンショックと呼ばれている「金ドル交換停止」、1973年の第4次中東戦争、石油輸出国機構(OPEC)の原油価格引き上げによる第一次石油危機後の世界的不況など、さまざま問題が起きてきました。

当時のフランス大統領ジスカール・デスタンは、指導者たちが顔をあわせ、これら諸問題への対応を協議するために、主要国首脳会議「サミット」の開催を提唱しました。
1975年第1回サミットはフランスで開催され、参加国は日本、米国、英国、仏、独、伊の6カ国でしたので、この時はG6(Group of Six)と呼ばれました。翌1976年にカナダが加わって7カ国になり、G7となりました。1977年のロンドンサミットからは、欧州連合の委員長が参加。1997年からロシアが正式参加して8カ国になり、G8と呼ばれるようになりました。

日本国内の開催としては1979年と1986年、1993年はいずれも東京で開催され、2000年は沖縄で開催されました。洞爺湖サミットは5回目になります。

実は、2000年のサミットでは、北海道、千葉県、横浜市、大阪府、広島市、福岡市、宮崎県、沖縄県が開催地として立候補しており、沖縄県は、外務省や警察庁が宿泊・交通・警備の問題などを検討した結果、最も低い評価だったそうです。

しかし、当時の小渕恵三首相が沖縄でのサミット開催を決断したそうです。
早大の学生時代に沖縄返還運動に携わり、初入閣も沖縄開発庁長官と沖縄には縁の深い小渕首相は、『沖縄県民斯(か)ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ』という大田実海軍中将の言葉を重く捉え、サミット開催による経済効果とともに、沖縄が世界の注目を集めることを考慮して決断したそうです。

そういえば、首里城の「守礼の門」が描かれた2000円札は、沖縄サミット開催を記念して発行されたのでしたね。

2008年6月14日土曜日

お台場の観覧車もライトダウン


お台場の大観覧車「palette town 大観覧車」が今年もライトダウンキャンペーンに参加します。

環境省では、温暖化防止への関心を促すために、「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」を展開しています。夏至の6月21日(土)はブラックイルミネーション、7月7日(月)は七夕ライトダウンと題して、20:00~22:00の2時間、『全国のライトアップ施設や家庭のあかりを一斉に消しましょう!!』と ライトダウンを呼びかけます。

palette town 大観覧車」も、イルミネーションを消するそうです。真っ暗な観覧車ってどのような雰囲気でしょうね。案外オツかもしれませんね。

また、「クールビズの普及」と「省エネ製品への買いかえ」を呼びかけるために、イルミネーションで、「COOL BIZ」と「CHANGE A LIGHT」の文字を描くそうですよ。

昼夜、老若男女を問わず多くの人で賑わうお台場、温暖化防止を呼びかけるには絶好の場ですね。

2008年6月13日金曜日

洞爺湖の水温が上昇!

7月に行われるG8、主要国首脳会議の舞台となる洞爺湖の水温が、地球温暖化の影響を受け、上昇傾向にあることが、北大大学院の浦野慎一教授の調査で分かりました。

2004年から洞爺湖の約300メートル沖合にブイを浮かべ、水深0m、5m、10m、15m、25m、45mの6点の水温を1時間ごとに観察してきました。このデータと、北大が毎日行ってきた湖岸近くの表面水温の観測データをもとに、1981年から平成2005年5月までの洞爺湖の年平均水温の変化を分析したそうです。その結果、水深55メートルまでの層でみると、過去23年間で約0.8℃上昇していることが分かったそうです。

洞爺湖周辺の大滝(伊達市)、伊達、室蘭の三地点の年平均気温も、気象庁のアメダスのデータでは、1980-1999年の20年間で約1℃上昇しているそうです。

湖の水温は太陽の放射量や大気中の熱に大きく左右されることから、浦野教授は「地球温暖化によって、気温と同じように水温も上昇した」と指摘しています。

琵琶湖でも1985年から2004年までに水温が約1.5℃上昇したとの調査結果がありますが、国内での湖の水温を長期的に分析したデータは少なく、地球温暖化が湖にどのように影響しているかを考える貴重なデータとなりそうです。

洞爺湖は厳しい寒さのなかでも湖面が凍ることのない湖「不凍湖」としても知られ、サクラマスの養殖も行われています。そのような洞爺湖の生物への影響の心配されますが、湖の平均水温は夏と冬とで10℃前後も変化するそうで、「それよりも緩やかな地球温暖化による水温の上昇が、生物などにどう影響するかは不明」ということでした。

「海のエコラベル」発見!!


MSCのロゴマーク入りの商品を発見!! 早速購入しました。

以前、「漁業のサスティナビリティ」というタイトルでブログを書いたことがありましたが、その時は、このロゴマーク入りの商品を見つけられませんでした。
先日、おむすびの具を「鮭」にしようか「タラコ」にしようか探していました時、このマークが目に飛び込んできました。

MSC〔Marine Stewardship Council: 海洋管理協議会〕漁業認証は、乱獲による世界的な水産資源の枯渇傾向を食い止めるために、「持続可能で適切に管理された漁業」を認証する制度です。「持続可能で適切に管理された漁業」であると認証された漁業の漁獲物から産まれた製品には、MSCのロゴマーク入りのラベルをつけることができます。
製品の製造、加工、流通の全ての過程において、認証水産物が適切に管理されていることを認証するのが、COC認証です。

イオンは、日本の小売りとしては初めて「MSC-CoC」というMSC認証商品を加工することができるライセンスを取得したそうです。

2008年6月10日火曜日

オイルシェール



「三井物産が、利用されていない資源の1つであるオイルシェールの大型開発に参画する」との記事が日経新聞の朝刊一面に出ていました。              

オイルシェールとは、加熱などにより石油または石油ガスに変化し得る炭化水素分含む(通常は4%以上含む)堆積岩のことです。簡単に言いますと、油分を含む岩石のことです。
約6000万年前、中生代(ジュラ紀、白亜紀)、さらに約4億年前の古生代デボン紀に堆積したものが多く、地中からの採掘後、500℃程度で熱分解することによって石油が得られる資源です。 

オイルシェールは、1800年代初めに主に西欧の工業国で採掘・製油されていましたが、1900年代の石油の大量生産開始に伴い、ほとんどが停止しました。
かつて、満鉄は、1909年中国の撫順で「燃える石」を発見、それがオイルシェールだったそうです。 撫順の炭田は、石炭層の直ぐ上にオイルシェール層があり、石炭の露天掘りに伴い、必然的にオイルシェールを採掘する必要があり、オイルシェールは採炭に伴う副産物だったようです。

現在、オイルシェールからの原油生産は、ブラジル・中国等での小規模生産に留まっています。     

オイルシェール資源は世界に広く存在し、非産油国にも多く賦存しているそうですが、世界の埋蔵量の約7割が米国内にあると言われています。
昨今の油価高騰並びにエネルギー安全保障の重要性の高まりを背景にオイルシェール開発の動きが活発化していきそうです。

2008年6月9日月曜日

青森宣言と原子力ルネサンス

主要8カ国(G8)と中国、インド、韓国を加えたエネルギー相会合が8日青森で開かれ、共同声明「青森宣言」を採択しました。この宣言の中では原子力発電の有効性も指摘されました。

原子力発電といえば、1979年アメリカでのスリーマイル島原発事故や1986年ソ連(当時)でのチェルノブイリ原発事故が即座に思い出されます。それ以来、原発に対しアレルギーのようなものを持っている方も多いのではないでしょうか。ここ30年、世界的に「反原発」の世論が大勢を占めていたように思います。日本でも1995年に起きた、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故は記憶に新しいですね。

しかし、地球温暖化と原油価格高騰が政策転換を促し、凍結していた原発の建設再開が検討されるようになりました。

地球温暖化の原因の1つとされるCO2の排出量を、建設・運用・燃料輸送などを含むサイクル全体で考えた場合、1kWhあたりのCO2排出量は、石油火力発電が約742g、太陽光発電は約53g、原子力発電が約23g、水力発電は約11gです。(出典:ライフサイクルCO2排出量による発電技術の評価、電力中央研究所報告)

原子力発電は、石油火力発電に比べると、明らかにクリーンなエネルギーです。また、石油には価格高騰や枯渇不安の懸念があり、「石油依存からの脱却」という面からも、原発が注目されているのです。

電力の15%をスウェーデンなどから輸入し、天然ガスをロシアから輸入しているフィンランドは原発の建設を約30年ぶりに始めました。イギリス、イタリアも原発再評価の必要性を訴えています。ドイツでは、既設の稼動中の原発は2020年までに閉鎖されることになっていますが、メルケル首相は、明確な意思表示はないものの、原発推進の意向を持つとされているようです。米国では既に原発政策を転換し、大量建設計画が進んでいます。カナダも、原発の新規建設を検討しているようです。

原子力産業や原子力政策の関係者は、このような脱原発から原子力発電への回帰を「原子力ルネサンス」と呼んでいます。

日本ではどのように進んでいくのでしょうね?

2008年6月8日日曜日

CO2削減チェッカー

私たちは、1人1日約6kgのCO2を排出しているそうです。チーム・マイナス6%は「1人1日1kgのCO2排出量削減を目指そう!」と呼びかけています。

1kgのCO2の体積は、1リットルペットボトル約510本と同じくらいです。また、サッカーボール100個分とも言われています。

下の写真をクリックしてみてください。あなたはどれくらいCO2を削減できそうですか?

2008年6月6日金曜日

COOLBIZ+(クールビズプラス)

6月は環境月間です。
一昨日も東京ミッドタウンで「COOLBIZ+」の「+」から生まれ変わろう!!と、「チーム・マイナス6%」のイベントが行われていましたね。

「チーム・マイナス6%」は1990年を基準にして2014年までに、温室効果ガス排出量の6%削減を目指す、官民一体の国民的プロジェクトのことです。
今年は、夏場の軽装にプラスして、マイ箸、マイバッグ、扇子(せんす)の利用や自転車通勤など一歩進んだ行動の提案をしています。

マイ箸お使いですか? 何気なく使っている割り箸の消費量は1年間約250億膳とも言われ、その9割以上が輸入だそうです。大量生産されたものを、燃料費をかけて輸入し、大量消費しているのですね。
マイバッグ、大手スーパー「イオン」での2008年4月度のエコバッグ持参率は23%だったそうです。
扇子(せんす)はいいですね。家庭ではやはり団扇(うちわ)でしょうか。うちわの風は通常2m/秒ほどの風だそうです。風速1m/秒の風で体感温度は1℃下がるそうですから、エアコンの設定温度を2、3℃あげても、団扇を併用すれば、環境にも体にも優しい涼しさが得られるわけですね。

我が家でも「MY箸・MYバッグ・MYうちわ」を愛用しています。どれも景品でもらったものばかりですが(笑)。

あなたは、何を「+(プラス)」しますか?

食品にも排出量表示

経済産業省の発表によりますと、食品や日用品を対象に、商品の製造・流通過程で排出したCO2の量を表示する制度を導入、流通大手や食品メーカーも参加して指針を策定し、2009年度から試験的に実施するそうです。

新たな制度は、例えばポテトチップスでは原料のジャガイモの栽培から商品の製造、配送といった全工程から出るCO2を合計し、商品の袋に「CO2排出量75グラム」などとラベル表示するということです。

サッポロビールはCO2排出量を出していました!!
サッポロビールの生ビール<黒ラベル>の大びんビールと350ml缶の、原料の採取から製造、使用、廃棄、リサイクルに至るまでの製品の一生のうちに排出するCO2量は、2005年では、大びん1本188g、350ml缶161gだったそうです。サッポロビールは原料栽培を協働契約栽培で行っていますので、栽培情報の把握し、CO2排出量の算出が可能だったそうです。

今回の導入に向けての研究会には、学識経験者のほか、イオン、セブン-イレブン・ジャパン、サッポロビール、コクヨなどの企業が参加し、排出量の算定方法や表示に関する指針や制度の在り方を議論するそうです。

英スーパー最のテスコは、地球温暖化対策として自社ブランド製品の一部、各製品の流通・販売過程などで直接生じるCO2排出量のラベル表示を始めています。
日本でも、カロリーだけでなく、これからはCO2排出量も表示されるようになるのですね。

2008年6月3日火曜日

世界環境デー

6月に入り、テレビ各局で、エコ満載の番組が放送されていますね。

毎年6月5日は「世界環境デー」です。
「世界環境デー」は、1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、1972年12月の国連総会で制定されました。そして、この総会で採択された決議案がUNEP(国連環境計画)設立の契機になりました。

2008年の世界環境デーのスローガンは、『 Kick the Habit! Towards a Low Carbon Economy(低炭素経済に向け、習慣をやめよう!)』です。今年の世界環境デーの国際的な祝典はニュージーランド、ウェリントンで開催されます。
ちなみに、2007年のテーマは、「氷が溶ける-ホットな話題?」、記念式典は、6月3、4日にノルウェーのトロムソ、6月5日にオスロで行われました。

日本では、1973年から「環境週間」がスタート、1991年からは6月を「環境月間」としています。また、1993年に制定された、地球化時代の環境政策の新たな枠組を示す基本的な法律「環境基本法」の中で、6月5日を環境の日と定めています。

6月中は、全国各地で様々なイベントが行われます。参加してみてはいかがしょうか。

2008年6月2日月曜日

食糧サミット

福田康夫首相が、3日からイタリアで開催される食糧サミットに出席します。フランスのサルコジ大統領、ブラジルのルラ大統領など約190の国・地域の元首や閣僚らが参加するそうです。

食糧サミットは、国連の専門機関のひとつである国連食糧農業機関(FAO)が開催しています。1996年には186カ国が参加して、世界の飢餓撲滅のため世界食糧サミット開催されました。2002年には179カ国・EUの代表が参加し、2015年までに飢餓人口の半減目標が再確認されました。しかし、現実には、飢餓人口は増え続け、今では、1日あたり24000人が餓死しています。

今回のサミットは、国連緊急援助調整官室(OCHA)などが、食糧価格の高騰によって世界各地で暴動が起きていることに対処するため、各国首脳が参加する食糧サミットの開催などを盛り込んだ「地球規模の食糧課題」と題した提言書を潘基文・国連事務総長に提出、開催の運びとなったようです。

世界銀行のゼーリック総裁は、「世界では60億の人々が食事をするのに十分過ぎる食料が生産されている。問題は食料が平等に分配されていないことだ。」と話しています。また、FAOのディウフ氏は、「誰もが食料を得る権利を保障されている」と訴えています。

牛肉1kgの生産するために飼料穀物11kgが必要だそうです。メタボ対策が叫ばれる昨今、食生活を改め、食料を途上国などに回せば、少しは飢餓を救えるかもしれません。私たちにもできることがありそうですね。
この食糧サミットでは、バイオ燃料、食糧輸出規制、支援のあり方などいろいろな分野で食糧危機打開策が検討されます。

国連食糧農業機関(FAO):
http://www.thinking-eco.net/term_ka-fao.htm

2008年6月1日日曜日

ESCO(Energy Service Company)事業

多くの企業にとって、温室効果ガス削減の取り組みは大きな課題になっています。省エネは収益を生み出すような事業ではありませんので、専門の技術者を抱えるのも難しく、特に中小企業にとっては、本格的な省エネができにくいのが現状のようです。

甲子園球場では、プロ野球の試合中のチーム交代に要する時間を電光掲示板に表示することによって、平均試合時間を14分も短縮することに成功し、照明などのエネルギーを節約していますが、それ以上の省エネには設備投資が必要だそうです。

設備投資には、それなりの費用が、、、
そこで、有望視されているのが、コストをかけずに省エネができる新しいビジネス、ESCO(エスコ)事業です。

ESCO事業の契約形態はいろいろあるようですが、省エネのための設計、施工、導入設備の運転、保守などにかかる費用は、省エネルギーによる経費削減分でまかなわれます。5000万円の光熱水費が4000万円になれば、削減分の1000万円で諸経費をまかなうことになります。ESCO事業者は省エネルギーを保証していますから、削減分が小さくても顧客が損失を被ることはありません。また、契約期間終了後の経費削減分は顧客の利益となりますから、顧客にとって省エネに取り組みやすいシステムになっています。

ESCO事業は、1970年代にアメリカで生まれ、欧米では省エネルギー推進手法の中心的存在として位置づけられている民間ビジネスです。「省エネに特化したリース事業」のようですね。

こちらのHPもご覧ください。
http://www.thinking-eco.net/concordance.htm

2008年5月31日土曜日

中海の干拓地に水戻る

九州有明海の諫早湾に、あの鉄の板が下ろされてから10年ほど経ったでしょうか。テレビで報道された光景が今も鮮明に残っています。

干拓事業は名目はどうであれ、いろいろなところで行われていたのですね。鳥取、島根両県にまたがる中海もそうでした。中海では、水田開発のための干拓事業が1963年から始まり、海水の流入を防ぐ水門や堤防などの施設が造られていました。しかし、減反政策や環境悪化を懸念する反対運動の高まりから、事業は1988年に凍結、2000年には中止が決定していました。

昨日は、その中海に設置されていた遮水板が撤去され、干拓予定地だった所に水が戻るという記念すべき日だったのです。

米国の環境シンクタンク、世界資源研究所(WRI)などの調査によると、日本では13の海域や汽水湖(汽水湖:淡水と海水がまざる湖のこと)でアオコや赤潮が発生しやすい富栄養化が確認されたそうです。島根、鳥取両県にまたがり、全国第5位の広さを有する天然湖の中海もそのひとつに入っていました。

中海は、重要な湿地やそこに生育する動植物を協力して守ろうという条約、ラムサール条約湿地へも登録されているそうです。これからの、水質や生態系の回復など環境改善に大いに期待したいですね。

ラムサール条約:http://www.thinking-eco.net/term_ra-ramusa-ru.htm

2008年5月29日木曜日

新宿御苑展はエコロジカル!




先日、「第3回ロハスデザイン大賞2008新宿御苑展」に行ってきました。

今、日本でも、ロハスな暮らし、ロハスなビジネスやサービスが注目されるようになっていますね。ロハス(LOHAS)は、Lifestyles of Health and Sustainability の略で、地球環境保護と人間の健康を最優先し、人類が共存共栄できる持続可能な社会のあり方を追求するライフスタイルを指す言葉です。

そのロハス展だけあって、会場で使用する電気には廃油を利用し、CO2排出量ゼロのカーボンニュートラルな運営をしているということでした。バイオディーゼルで稼動するジェネレーターを設置し、燃料には東京油田開発が精製するてんぷら油の廃油由来のバイオ燃料「VDF」を使用していました。

小型風力発電機もありました。傍らのボックスにはバッテリーが入っていました。

新宿御苑には「野鳥のインコ?」もいました。 

2008年5月28日水曜日

「U2」ボノさん

アイルランド出身でロックバンド「U2」のボーカル、ボノさんの記事が今朝の新聞に載っていました。早速、動画配信に接続、歌を聞いてみました。歌の力強さもさることながら、全身から大きな大きなエネルギーが放たれているのを感じ、引き付けられ、見入ってしまいました。

ボノさんは、今日から横浜で開催されています「アフリカ開発会議(TICAD)」に参加するためにロック歌手のボブさんと共に来日。福田首相や「MOTTAINAI」でご存知の方も多いノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんを始め、多くの方とお会いになるそうです。

20年以上もアフリカ支援に取り組み、90年代末には、貧困国の債務削減を求める国際的な運動である「ジュビリー2000」に参加しました。彼はローマ法王やクリントン米大統領と個別に会見をし、ジュビリー2000への支援を取り付け、1999年のケルン・サミットでは、ヒューマン・チェーンの輪に加わり、「貧困国の債務削減」という馴染みの薄い、難しい問題に対して積極的なアピールを行っています。

2002年にはアフリカにおける貧困やエイズ・貿易の問題に取り組むためにNGO「DATA」の設立に関わり、全世界の市民が貧困削減を呼びかけるONEの活動も推進しています。

G8諸国の首脳らと直接対話して貧困国の債務削減を訴えるなど、精力的な活動をアフリカ支援拡大に奔走しているボノさんですが、「開発途上国が直面している最大の問題は、マラリアやエイズといった病気ではなく、政府の汚職問題などの腐敗である。援助額を増やそうとするときは必ず汚職問題に関して条件をつけなければならない。」とも話しておられました。

昨日、ボノさんに、慶応大学から名誉博士の称号が授与されました。

ONE活動:http://www.one.org/jp/
エコ辞典:http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月27日火曜日

サマータイム

またまた、サマータイム制導入が取り沙汰されているようですね。

このサマータイム、第二次世界大戦後の1948年にGHQの指令により強制導入されましたが、夜学生には歓迎されたものの批判が大きく1951年に廃止されています。その後、第二次オイルショックを契機に幾度となく提言・検討・調査を繰り返し、ようやく2003年に滋賀県庁職員を対象に試験導入が行われました。2004年には、札幌商工会議所の呼びかけによって、複数の役所と企業が「北海道サマータイム試行実験」に取り組み、現在も続いています。

では、サマータイム制導入によって、どれくらいのCO2削減が期待できるのでしょうか。生活構造改革フォーラムが発表した最も新しい試算結果によりますと、京都議定書の削減目標値の1%だそうです。報告書では、余暇時間の拡大、夜間運転が減少したことによる交通事故・犯罪の減少などの間接効果をあげるとともに、サマータイム制導入という大きな変化によって、個人も企業も今以上に環境に対する意識が高まるはずと考えているようです。

エッ、わずか1%とお思いの方も多いことでしょうね。余程意識の改革が為されないと、かえって残業が増えたり、アフターファイブの使い方次第ではエネルギー消費が拡大するのではと懸念されますね。

世界で最も早くサマータイムを導入した国は1916年のイギリス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フランス、ポルトガルだそうですが、日本では江戸時代に不定時法といって夜明けから日暮れまでの時間を6等分する時間法を使っていました。サマータイム制と考え方が似ていますね。現在、経済協力開発機構(OECD)加盟国中、白夜のあるアイスランドを除いて、実施していないのは日本・韓国だけだそうです。

省エネ知恵袋:http://www.thinking-eco.net/chiebukuro.htm

2008年5月25日日曜日

コッツウォルズとナショナル・トラスト運動

今夜のTBSの「世界不思議発見」で放送されたコッツウォルズの美しい田園風景、産業革命の頃に造られた石炭運搬ための運河をのんびり往くナローボート、その傍の白鳥の巣。すべてが絵本からとび出してきたような景色でしたが、実はこれが絵本の挿絵の原型になった景色であり、今のこの時代にも保存・公開されていることに驚きました。

イギリスでは、アイルランドに27万ヘクタールを超える美しい田園地帯と960キロメートルもの優れて美しい自然海岸線、300ヵ所以上の歴史的建造物、230以上の庭園が保有・公開されており、コッツウォルズもそのひとつです。

今もこれらの景観を見ることができるのは、ナショナル・トラスト運動に依るところが大きいようです。1895年に設立された英国の環境保全団体「ザ・ナショナル・トラスト(The National Trust)」は、美しい自然や景観を永久に守るためにその所有者となって管理をしている団体です。自然環境や貴重な歴史的建造物が失われていくのを防ぐため、一般の人々からの寄付金を募って保存地を買い取り、後世に残していこうというものです。

「ピーター ラビット」の著者べアトリックス・ポッターもナショナル・トラストの自然保護運動にも参加し、湖水地方の所有地をナショナル・トラストに寄贈しました。イギリスの首相を勤めたチャーチルも自宅を寄贈しています。

日本では、1968年に(財)日本ナショナルトラストがイギリスの「ザ・ナショナル・トラスト」に倣い特定公益増進法人として設立されました。(社)日本ナショナル・トラスト協会は、各地域でナショナル・トラスト活動を展開している団体や個人の全国的な連絡・協力組織として、1992年に設立されています。

日本のナショナル・トラスト団体が買い取り、保全契約を結んでいるナショナル・トラスト地の面積の総計は、約8800ヘクタール、東京ドーム約19万個分の大きさになるそうです。

2008年5月23日金曜日

緑ちょうちん

「えッ、緑提灯(ちょうちん)って何?」とお思いの方、あなたの街でこの緑提灯を探してみませんか? かく言う私もまだお目にかかったことがないのですが、応援したい気持ちから、ご紹介することにしました。

この緑提灯は、国産の食材を半分以上使っている飲食店の軒先に下げられています。緑提灯には星がついていています。星の数は自己申告ということですが、カロリーベースで60%までなら星1つ。10%上がるごとに星が増え、90%を超えると星5つになるそうです。

もともと、(独)農研機構農業総合研究センターの丸山所長が「料理を味わいながら、食料自給率の向上や農業の活性化についても考えてもらいたいという狙い」から発案したものです。

2005年に小樽で一号店が誕生、今年2月時点では約80店が下げていましたが、中国ギョーザなど食の安全が問われるようになり、現在は北海道から沖縄まで広がり1000店を突破したそうです。

40%をきっている日本の食糧自給率やフードマイレージのことを考えると、輸入依存を考え直し、国内の農業の活性化を計ることは重要です。緑の提灯が増えれば増えるほど、「食」について考える機会が増えるように思います。是非多くのお店に参加していただきたいですね。

緑提灯を下げているお店の紹介:http://midori-chouchin.jp/
フードマイレージについて:
http://www.thinking-eco.net/term_ha-food_mileage.htm

2008年5月20日火曜日

CO2駅すぱあと

出発駅と到着駅を入力すると、その間の路線・乗換駅・運賃までもを検索してくれる経路検索サービス「駅すぱあと」、多くの方が便利に使っていらっしゃるのではないでしょうか。

今日、お話ししますのは『CO2駅すぱあと』です。これは、従来のサービスに加えCO2排出量も検索できるようになっています。
また、自動車を利用した場合のCO2排出量も併記されていますので、モーダルシフトについて考えることもできます。

『CO2駅すぱあと』へは、「チーム・マイナス6%」のHPから入ります。
ぜひお試しください。

  MENU>さあ、やってみよう>温暖化防止便利ツール>CO2駅すぱあと
  チーム・マイナス6%:http://www.team-6.jp/index.html

チーム・マイナス6%については、こちらのHPをご覧ください。
エコ辞典:http://www.thinking-eco.net/

2008年5月16日金曜日

CO2削減/ライトダウンキャンペーン

『CO2削減/ライトダウンキャンペーン』は、環境省が2003年から行っているキャンペーンです。

昨年は、東京タワーなどの観光施設、百貨店、コンビニエンスストア、遊技場施設など、約6万3000施設が参加しました。

今年は、京都議定書約束期間の初年度であり、サミットイヤーということもあって、6月21日(土)~7月7日(月)までの間、「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」を実施するそうです。 中でも、6月21日と7月7日の2日間については、夜8時~10時の間、全国のライトアップ施設や各家庭へ、一斉消灯を呼び掛けるそうです。

私たちが普段当たり前のように使っている照明・電気、ひいては地球温暖化について考える良いきっかけなるなのではないでしょうか。
あかりを消して、地球に優しい生活を見つめなおしましょう!!
    6月21日(夏至の日)ブラックイルミネーション2008
    7月7日((洞爺湖サミット初日) 七夕ライトダウン

こちらのHPもご覧ください。 
    エコ辞典:http://www.thinking-eco.net/  

2008年5月15日木曜日

ミミズは辣腕エコシステムエンジニア

今日のAFPのニュースに、ミミズの話が載っていました。
「アイルランドのミミズが同国に対し、年間約7億ユーロ(約1100億円)以上相当の働きを行っていることが、同国の環境・遺産・地方自治省が委託した研究の報告書で明らかとなった。・・・・・」というものでした。
アイルランドには約700万頭の牛が生息し、牛1頭につき年間9トンの排泄物が出しているということですが、ミミズが排泄物を分解して、栄養素を土に返すこと、また、耕作や植物栽培、特に土壌構造に与える重要な働きも加えれば、ミミズが提供する働きの価値は10億ユーロ(約1600億円)以上に上る可能性もあるとも書いてありました。

ミミズは英語でEarthwormと書きます。「地球の虫」という意味です。自然の中で植物にとって栄養分が多くふくまれている土は、そのほとんどがミミズの消化器官を通ったものだそうです。

ミミズは土に穴を掘ってくらしています。ミミズが掘ったトンネルは、土の中の空気の通り道になるため、微生物の働きも活発になって有機物の分解が速くなるそうです。

ミミズの食べ物は落ち葉のクズと土。1日に自分の体重と同じくらいの土を食べ、出す糞の量は、体重の1/2~2倍もあるそうです。その糞は多くの有機物を含んだ土の小さなボールで、団粒土と言われています。植物にとって有効な栄養が、すぐに吸収できる形でふくまれているそうです。

ミミズは、地表の植物の残渣を土の中に引き込み、下層の土壌粒子を含む糞を地上に押し出すことで、土壌を撹拌し、耕す働きをし、肥料をまく仕事も一度にやってしまうのです。まさに辣腕エコシステムエンジニアですね。

2008年5月13日火曜日

サンパチェンス

夏のお庭に、サンパチェンスを植えてみませんか。ささやかなベランダガーデニングを楽しんでいる我が家では毎年半日陰でもよく育つインパチェンスを植えていましたが、今年はちょっと休憩です。

このサンパチェンスは、日なたでも半日陰でもよく育ち、1株で鉢植えの場合約60cmになり、露地植えでは約1mもの大株になるそうですよ。サカタのタネがインパチェンスを改良し、開発したものです。

東京大学との共同研究で、CO2の吸収能力は従来の植物の4~6倍、NO2の吸収能力は、従来の植物に比べて5~8倍、シックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドの吸収能力は3、4倍もあることが確認されています。

サカタのタネは、花を楽しんだ後の『サンパチェンス』を、ゴミとして捨てたり、燃やすのではなく、土壌に還元し、その有機物を新たな植物の栄養分として、リサイクルすることを薦めています。

こちらのHPもご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm

CO2排出量の気配値

株などの取引を行う市場のひとつ東京株式市場が、2009年から二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量を取引する専用市場を創設することになりました。

将来の成長が見込める排出量ビジネスにアジアの取引所でいち早く取り組み、先行する欧州の取引所に対抗するためです。

国内でも、排出量取引の活用は大量に二酸化炭素を排出する産業だけでなく、自主行動計画のもとでの製造業やオフィス、さらにはカーボンオフセットなど自主的な環境貢献にも広がろうとしています。

そこで、4月21日から、市場の形成に資するため、国際協力銀行(JBIC)と日本経済新聞デジタルメディアは、「日経・JBIC排出量取引参考気配」の算出・公表を開始しました。

5月12日の参考気配は、1トン当たり2712.0円で、5月7日の値を2.0円上回っていました。

こちらのHPもご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月10日土曜日

胡錦濤主席の訪日

中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は、一連の日程を終了し、今日帰国されました。訪日の成果の有無が取りざたされていますが、温暖化問題については実りがあったようです。

大きな成果の1つめは、京都議定書では温室効果ガス排出の削減義務のない中国に、ポスト京都での新たな枠組みへの参加意欲を改めて表明させたばかりか、温暖化ガスの削減とその負担の公平の観点から、日本が提唱を始めた「セクター別アプローチ」への支持を取り付けることに成功したことです。

大きな成果の2つめは、CO2の隔離貯蔵技術の実用化プロジェクトを日中両国が共同で立ち上げることに合意したことです。これは、中国黒龍江省のハルビンにある石炭火力発電所から排出されるCO2を回収して、100kmほど離れた大慶油田まで輸送し、油層に圧入して、原油の採掘効率を向上させようというものです。

年間300万トンから400万トン程度の温暖化ガスの削減と、年間150万バレルから200万バレル程度の原油の増産が期待でき、日本側では、経済産業省の地球環境産業技術研究機構(RITE)やトヨタ自動車、プラントの日揮、東京電力、中国電力、Jパワーなどが参加する見通しだそうです。

炭素隔離技術:
http://www.thinking-eco.net/term_ta-carbon_sequestration.htm
こちらのHPもご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月9日金曜日

不毛の海に?

気候の温暖化によって、世界の海水温度はこの約50年間で約0.5度上昇したそうです。この海水温度の上昇が、海水中の酸素濃度の低下を引き起こしているそうです。独米の研究チームが、船や観測用浮きが1960~2007年に収集した海洋の酸素濃度などを調べた結果、熱帯の大西洋や太平洋で、低酸素の海域が広がっていることがわかりました。

もともと、海面の表層は酸素濃度も高く、生物の種類も豊富です。そして、全海洋の90%以上を占める、深度が200mより深く海底より50m上の中深層は、酸素濃度も低く、光もほとんど届かず、多くの生物にとって厳しい環境ですが、最近の調査で、クラゲを中心に、多様な生物が生息していることが明らかになってきました。また、海底付近では窒素やリンなど、植物プランクトンの栄養分となる物質が溜まっているそうです。

冬になって気温が下がると、表層の海水が冷やされ重くなって沈み、深層の海水と入れ替わります。この時、沈む海水は酸素を深層に運び、深層の海水は海底に溜まっていた窒素やリンなど、植物プランクトンの栄養分となる物質を表層に運んできます。海水の循環によって、水深5000メートルの海水中にも酸素が含まれているそうです。

ところが温暖化によって表層の水が温められると軽くなって沈まず、蓋をしたような状態となって循環が起きなくなってしまうことが考えられています。中深層での酸素不足が発生します。酸素を必要とする生物にとっては、不毛の海になりかねないのです。

こちらのHPもご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月8日木曜日

サイクロン「Nargis(ナルギス)」

サイクロン「Nargis(ナルギス)」によるミャンマー国内の死者数は10万人を超える恐れがあると報道されています。

温暖化によって海水温度が上昇しています。米ワシントン大学の研究グループの研究によると、世界の海面温度はこの約50年間で約0.5℃上昇したそうです。

一般に海水は空気に比べて約1000倍もの熱を蓄えることができます。そこで、この海水温の上昇分を大気で考えた場合、なんと約40℃も上昇することになるそうです。

わずかだと思われる0.5℃の海水温度上昇は、じつは膨大なエネルギーの吸収を意味しているのです。そして、そのエネルギーの一部が強い台風やハリケーンを多発させると考えられています。

こちらのHPのご覧ください:http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月3日土曜日

上野動物園最後のパンダ?

ワシントン条約の正式名称は、少し長いのですが、正式には「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」と言います。1973年、ワシントンで採択されたことから通称「ワシントン条約」と呼ばれています。

この条約は、国際取引によって生存を脅かされていたり、絶滅してしまう恐れのある野生動植物を保護することを目的としており、「附属書」と呼ばれる規制の対象となる動植物のリストが付いています。2005年2月現在の締約国数は167カ国。日本は1980年、中国は1981年に加盟しました。

ワシントン条約で「今すでに絶滅する危険性がある生き物」 に指定されているパンダ、日本は日中国交正常化を記念して1972年に「ランラン」「カンカン」の寄贈を受けました。昨今、中国はパンダを無償で贈らず、共同繁殖の研究目的で貸し出し、野生動物保護事業への支援金名目で対価を受け取っているようです。

2007年11月現在、世界で飼育中のパンダ242頭のうち、当時生きていたリンリンも含め、中国以外の国が所有するパンダは、わずか5頭でした。

こちらのHPのご覧ください:
http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年5月2日金曜日

食糧価格高騰の『津波

食料品価格の値上がりを実感する毎日ですが、これは日本だけのことではないようです。

世界食糧計画(WFP)は、「世界は静かに押し寄せる食糧価格高騰の『津波』に直面している」と警鐘を鳴らしています。

これまで支援を必要としなかった1億人が、新たに食糧を購入できなくなる可能性があると指摘しています。これは新たに飢饉が発生することを意味しています。また、食糧価格の高騰は、最貧国での貧困対策と保健改善の取り組みを脅かしているとも言っています。

お金がなければ食糧を買うことができません。貧しい国、貧しい人ほど影響を受けやすいのですね。

こちらのHPのご覧ください
http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年4月30日水曜日

エコドライブ10のすすめ 

『エコドライブ10のすすめ』は、エコドライブ普及連絡会(警察庁、経済産業省、国土交通省及び環境省)が、エコドライブの普及・推進のために策定したものです。

ゴールデンウィーク中、車でお出かけの方も多いと思います。エコドライブは、環境にも優しい上に、お財布にも優しいんですよ。何よりも安全運転につながります。『エコドライブ10のすすめ』を実践して、楽しいCar Lifeをお過ごしください。

『エコドライブ10のすすめ』

1.ふんわりアクセル『eスタート』『最初の5 秒で時速20キロの加速』を目安に、普通の発進より少し緩やかに発進するだけで11%程度燃費が改善します。やさしいアクセル操作は安全運転にもつながります。

2.加減速の少ない運転「車間距離は余裕をもって、交通状況に応じた、できるだけ速度変化の少ない、安全な定速走行に努めましょう!!」 速度にムラのある走り方をすると、加減速の機会も多くなり、その分市街地で2%程度、郊外で6%程度燃費が悪化します。また、同じ速度であれば、高めのギアで走行する方が燃費がよくなります。

3.早めのアクセルオフ「エンジンブレーキを積極的に使いましょう!!」 エンジンブレーキを使うと、燃料の供給が停止される(燃料カット)ので、2%程度燃費が改善されます。停止位置が分かったら、早めにアクセルから足を離して、エンジンブレーキで減速しましょう。

4.エアコンの使用を控えめに「車内を冷やし過ぎないようにしましょう!!」 外気温25℃の時に、エアコンを使用すると、12%程度燃費が悪化します。

5.アイドリングストップ「無用なアイドリングをやめましょう!!」 10 分間のアイドリング(ニュートラルレンジ、エアコンOFF の場合)で、130cc程度の燃料を浪費します。

6.暖機運転は適切に「エンジンをかけたらすぐ出発しましょう!!」 寒冷地など特別な状況を除き、走りながら暖めるウォームアップ走行で充分です。暖機することにより走行時の燃費は改善しますが、5 分間暖機すると160cc 程度の燃料を浪費しますので、全体の燃料消費量は増加します。

7.道路交通情報の活用「出かける前に計画・準備をして、渋滞や道路障害等の情報をチェックしましょう!!」 1時間のドライブで、道に迷って10 分余計に走行すると14%程度の燃費悪化に相当します。

8.タイヤの空気圧をこまめにチェック「タイヤの空気圧を適正に保つなど、確実な点検・整備を実施しましょう!!」タイヤの空気圧が適正値より50kPa(0.5kg/c ㎡)不足した場合、市街地で2%程度、郊外で4%程度、それぞれ燃費が悪化します。

9.不要な荷物は積まずに走行「不要な荷物を積まないようにしましょう。」 100kg の不要な荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化します。

10.駐車場所に注意「渋滞などをまねくことから、違法駐車はやめましょう!!」 交通の妨げになる場所での駐車は交通渋滞をもたらし余分な排出ガスを出させる原因となります。平均車速が時速40km から時速20km に落ちると、31%程度の燃費悪化に相当すると言われています。不要なアイドリングはやめましょう!!

こちらのHPのご覧ください:http://www.thinking-eco.net/index.htm

2008年4月29日火曜日

「F1」も省エネ

常に最先端の技術を取り込み、時速300km前後でタイムを競う、自動車レースの最高峰「F1」レース、ご覧になったことはありますか?

1チームで数百人から数千人のスタッフが働き、数億人の人がテレビなどで視聴している「F1」レースの研究開発には何十億円というお金が注ぎこまれているそうです。

この「F1」に、2009年から段階的に、省エネ技術が導入されることになりました。「KERS」(Kinetic Energy System)と言われる、運動エネルギーの回収システムです。ブレーキング時の運動エネルギーを物理的に一時保存し、加速時などに再利用するそうです。

ブレーキング時の運動エネルギーを使って加速するということは、それだけ使う燃料も少なくなるのでしょうね。ひとつの車の中でエネルギーを循環できるのは素晴らしいことですね。一般の車にも応用されるときが待ち遠しいですね。

「F1」レースは世界十数か国を転戦しています。先日の27日(日)にはスペインでレースが行われ、中嶋選手が7位に入りました。10月には富士スピードウェイで行われる予定です。

2008年4月28日月曜日

今、電池が進化しています

何気なしに使っている電池、今この電池が進化しています。

電池はその仕組みによって物理電池と化学電池に分かれます。化学電池は、普段使っている乾電池やボタン電池などの1次電池と、充電式電池といわれる2次電池の二つに分かれます。今、この化学電池が新しいのです。

三洋電機の充電式電池「エネループ」は、「快適さの追求」と「環境への配慮」が共存するプロダクツ、生活をサステナブルに快適にしてくれる商品として評価されています。約1000回充電して繰り返して使えます。単3形電池では、充電器の値段を入れても、1回当たりわずか4円、充電時の電気代も1回当たりわずか0.2円だそうです。充電した後のパワーは、6ヶ月後で約90%、1年後でも約85%をキープし、寒さにも強く、スキー場でも使えるということですよ。

松下電器の新乾電池「エルボタ」は1次電池です。ギネスも認定する、世界No.1の長もちを実現しました。幅広い機器に使用できるように単1形~単4形電池まで揃っています。

東芝の2次電池『SCiB』は、将来の電気自動車などへの適用を目指しているそうです。プリウスなどに使われているニッケル水素を大幅にしのぐばかりか、現在実用化されているどのリチウムイオン電池より高い性能を持っています。5分間で容量90%まで充電できると言うことですから、電池というよりはコンデンサーのようですね。しかも充放電を3000回繰り返しても、新品時の90%以上の性能をキープ、マイナス30度でも80%以上の電圧をキープするというから、素晴らしいですね。

この進化、楽しみですね。

2008年4月25日金曜日

CO2削減量の「見える化」

皆さんはどのような照明器具をお使いですか。
54Wの白熱電球から12Wの電球形蛍光ランプに交換した場合には、年間で1850円の節約になり、CO2は43.4kg削減できるそうです。
家庭生活に限れば、一人当たりの年間排出量は、2200kgと言われていますから、ランプを交換するだけで、34.4kgも削減できるなんて、スゴイ!協力しよう!!と思いますね。

日常の省エネ行動が、CO2の重さで見えると、CO2削減にどれくらい役立っているのかが分かって励みになりますね。 冷蔵庫のドアの開閉回数を半分に減らすと、年間で230円節約でき、CO2を4.3kg削減できるようですよ。

環境省などは、CO2削減量の「見える化」を進めています。これには、食品のカロリー表示のように、排出量を「見える化」し、消費者にCO2排出の少ない製品を選んでもらって地球温暖化防止につなげる狙いがあります。

現在は、冷蔵庫やエアコン、照明器具などの家電製品を対象に、製造から使用、廃棄までにどの程度CO2を排出するかを店頭で表示できるようなシステムを開発中だとか。家電の買い替え時には、ちょっと注意して、製品説明を見ましょうね。

こちらのHPもご覧ください。エコ辞典:http://www.thinking-eco.net/

2008年4月23日水曜日

地球環境大賞

4月22日、17回「地球環境大賞」授賞式が行われ、大手電子部品メーカーのTDKへの大賞をはじめ、合計12の企業や高校に栄えある賞が授与されました。

地球環境大賞というのは、フジサンケイグループが、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、(財)世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を得て、1992年に創設したものです。環境保全に熱心に取り組み、持続可能な循環型社会の実現に貢献している企業などを毎年表彰しています。

今年のフジサンケイグループ賞は、「回収トナーカートリッジ 再資源化100%達成」を成したキャノンに授与されました。使用済みインクカートリッジの回収に協力している我が家にはとても身近に感じらます。回収したカートリッジを100%資源として使い、新たな資源の投入を抑えるシステムは、資源の乏しい日本にとっては必要不可欠なことですね。

都市鉱山と呼ばれる都会に眠る資源は、世界有数の資源国に匹敵する規模になっていると聞きますが、残念なことに、海外に輸出されているものもあるようですね。資源を回収し、回収したものを資源として使う、「クローズド・ループ・リサイクル」のシステムが、企業だけでなく国内でも早く確立されるといいですね。

2008年4月17日木曜日

ドイツの再生可能エネルギー

以前、このブログで、『ドイツは「環境先進国」として各国の模範とされ、日本は2007年12月の国連気候変動バリ会議で、不名誉な「化石賞」を受賞しまし・・・』と書いたことがありました。

今、世界で最も再生可能エネルギーの利用が進んでいるのはドイツです。風力発電や太陽光発電、バイオマスなどによる発電能力は、2500万キロワットを超え、原発25基分くらいになるそうです。2007年の再生可能エネルギーが全エネルギー消費に占める割合は、2003年の約2倍の6.7%となり、再生可能エネルギーの存在感は明らかに増しています。

では、化石燃料と比べるとコストのかかる再生可能エネルギーが、どうしてこのように普及したのでしょうか。
その一因は法整備にもあったようです。国などの補助金により太陽電池産業などは急成長しています。また、電力会社は、太陽電池によって家庭などが発電した電力を通常の卸価格より高い値段で買い取ることが義務付けられ、高くなった分は消費者が電気料金で平等に負担する仕組みになっています。一般的な家庭では電力料金は5%高くなったということですが、再生可能エネルギーへの挑戦よって、新たな産業や会社が育ち、雇用を生み出しています。Qセルズという会社は、2007年、日本のシャープを抜いて世界最大の太陽電池メーカーになりました。

再生可能エネルギーの普及により、CO2も一昨年で1億トン削減し、つい最近の速報ではマイナス20%を達成したそうです。石炭への依存度が高かった旧東ドイツ地域で大幅にCO2が削減されたこともありますが、自然エネルギー導入によるところが圧倒的に大きいようです。

こちらのHPもどうぞ : エコ辞典

2008年4月16日水曜日

洞爺湖のはなし(2)

洞爺湖の中央に浮かぶ、針葉樹・広葉樹の木々、野鳥などの自然豊かな無人島「中島」。中島は四島からなっており、中でも外周約11kmの大島には野生のシカが生息しています。かつて、人が持ち込んだシカが増殖したものです。

シカは、笹などのエサがなくなると、木の皮を食べるため木が枯れてしまいます。木が枯れると大量の土砂が洞爺湖に流れ込み、マスなどの漁業に大きな影響を与えます。そのため、15年程前に、350頭いるシカの100頭を生け捕りにしましたが、捕獲について賛否両論あり、結局そのまま放置していていたそうです。

すると、最近シカが小型化してきたのです。さらに、子供を産む時期が従来の春から夏にずれ込んでいます。かつては春に生まれて、子供が自分でエサを取れるようになって冬を迎えていたのですが、夏に生まれるために、成長しきれないうちに冬を迎え、冬を越せずに死んでしまうシカもいるのです。

結果的に、人間が放っておいたために、野生のシカは「中島」という孤立した場所で生きながらえるシカに変わってきました。自然の力で人間と共生できるようになった、といえるかもしれませんね。

かつて水質汚染が進んだときは獲れなかったサクラマスが、最近は洞爺湖のサクラマスとして有名になってきているそうです。(日経エコロミー「キーマンインタビュー」から)

こちらのHPもどうぞ
エコ辞典:環境問題に関する用語を分かりやすい言葉で説明している辞書です。

2008年4月15日火曜日

洞爺湖のはなし(1)

洞爺湖町は、「支笏湖洞爺国立公園」区域にあり、湖(洞爺湖)と山(有珠山)と海(噴火湾)に囲まれた自然豊かな町です。北海道の中では、気候が温暖で、北海道の湘南とも呼ばれています。

また、洞爺の「トー」が湖、「ヤー」が丘を意味するアイヌ語由来の名まえを持つ洞爺湖は、支笏湖と同様に、厳しい寒さのなかでも湖面が凍ることのない湖「不凍湖」としても知られています。

そんな洞爺湖ですが、昭和40年代は、近くの硫黄採掘鉱山から流れ込む硫黄によって汚染され、酸性化が進んでいました。
北海道の補助を受けて、中和剤を湖水にまく中和作業を進めていたのですが、なかなか改善しなかったそうです。
ところが、その汚染は1977年の有珠山噴火で発生した大量の火山灰によってとまりました。その火山灰はアルカリ性だったため、結果的に湖水を中和することにつながりました。

噴火による家屋や土地は甚大でしたが、人の手によって汚染された洞爺湖が、人の手では回復を果たせず、結果的に自然の力で改善したのでした。
(日経エコロミー「キーマンインタビュー」から)

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2008年4月14日月曜日

アースデイ

4月22日はアースデイ(地球の日)です。アースデイとは、「大人から子供まで、民族・国籍・宗派を越えて多くの市民が参加し、身近な生活から自然環境そして世界の未来について、その価値や意義を考え、思いを共にしましょう!!」という日です。毎年4月22日のアースデイとその前後の期間にはアースデイアクションとよばれる各種の催しが世界中で行なわれています。

アメリカで誕生したこのアースデイ、1970年、ウィスコンシン州選出のG・ネルソン上院議員が、4月22日を「地球の日」であると宣言をしたことから始まりました。その後、当時全米学生自治会長をしていたデニス・ヘイズ氏によって史上最大の市民運動として組織され、アースデイを通して、人々は環境のかかえる問題に対して関心を持つようになりました。

日本でのアースデイは、「1990年のアースデイを出発点とし、90年代を国際環境の10年にしよう」という呼びかけに賛同した人びとが、日本連絡所を結成、日本全国の市民団体、環境団体に呼びかけて始まりました。 今年も、日本各地で、19日(土)・20日(日)を中心に、多彩なイベントが準備されています。 
    アースデイJP : http://www.earthday.jp/

以下は、「アースデイ長野2002」の実行委員長を務められた、C.W.ニコル氏のメッセージです。(アースデイ長野2002プレスリリースより抜粋)
アースデイがはじまった1970年頃、いったい何があったか。ベトナム戦争が激しくなっていました。それでアメリカは、枯葉剤というダイオキシンが入った薬をベトナムの森に落とし始めたんです。この薬の被害は、今も尾を引きベトナムは苦しんでいます。 ちょうどそのころスウェーデンのストックホルムで行われた国連人間環境会議で、いろいろな国々がアメリカの枯葉剤に対する非難が集中しました。しかし、アメリカは、現状を回避するためにクジラの保護を訴え、反捕鯨の運動を非常に激しくおこなったのです。「ダイオキシンと捕鯨とどっちが悪い」という議論になりました。 そんな国際情勢の中、アースデイの考えを持っている人たちが「ちょっと待ってよ。これは政治的な問題じゃない。誰が悪い、誰が良い、とういうことじゃなくて、誰が何をするべきか、みんな集っておおいに議論をして、われわれの地球のことを考えようじゃないか」と始まったのがアースデイです。僕は、日本の自然が大好きでしたし、大好きです。だから長野に住んで22年になります。しかし黒姫に住んで最初の年から原生林がバサバサ切られた。川が暴れる。だんだん自然が破壊される。そして熊が出るからといって有害駆除で獲られたり。オリンピックは、長野に便利な新線、便利な道とともに大量の産業廃棄物をもってきました。・・・・・

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2008年4月13日日曜日

さくら広場


2008年10月1日付で、社名を「パナソニック株式会社」に変更する予定の松下電器は、千葉県習志野市、大阪府門真市、神奈川県茅ヶ崎市の3ヶ所で「さくら広場」を開園しています。

「地球環境との共存」を事業ビジョンのひとつの柱として企業活動を進めている松下電器は、環境共存に加え、地域貢献、都市景観等の観点から「さくら広場」を開園したそうです。

この「さくら広場」は日本を代表する建築家の安藤忠雄氏の設計によるものです。以下は、安藤さんのメッセージです。

桜は人の心をとらえる。なぜか?古来、わたしたちは自然を愛し、四季の変化に敏感に生活してきた。梅や桜の開花時期を心待ちにする国民性は他国にはない。気候異変が多発しているいま、地球環境を保全するために、一人ひとりが考えなければならない時期にきている。この桜の公園を訪れた人々の感動が、地域から、そしてアジア、世界各地へと広がり、地球環境を大切にする思いにつながってほしい。

写真は、習志野市のさくら広場です。幕張新都心の社有地32,000平米にソメイヨシノ505本を配した桜一色の公園です。

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2008年4月12日土曜日

新宿御苑


今日、新宿御苑で、福田康夫首相が主催する恒例の「桜を見る会」が開かれました。

少し目を上げれば、新宿の高層ビルが目に飛び込んでくる、そんな街中の新宿御苑。その中では、都会の喧騒とはかけ離れた世界が広がっています。広々とした芝生、美しい庭、たくさんの木々、花々、野鳥。

カワセミもいます。宝石にたたえられるその美しさに目を奪われ、あらためて、新宿御苑の豊かさに感激。まさに都会のオアシス!!

1591年に信州高遠藩の内藤氏が徳川家康よりこの地を拝領したことに始まり、旧皇室庭園であった新宿御苑、現在は環境省所管になっています。

公園内で利用する車は電気自動車、水が地下にしみこむようにした隙間の多いアスファルト、雨水の排水管には穴のあいた管を使用、電気にも太陽光を活用し、環境のことを勉強するにも最適の公園です。

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2008年4月4日金曜日

エコ文房具を使いましょう!!

新年度のスタートですね。
文房具を買い揃える方も多いことでしょう。

いろいろな文具を見たり探したりするのは楽しいですね。
ノート、鉛筆、シャープペンシル、消しゴム・・・
そのときは、ちょっと商品の説明も読んでくださいね。

そして、新しい文具の購入を考えている方、
「必要か否か?」を十分に考えて、
地球に優しいものを選んでみてはいかがでしょう。

たとえば、
☆ 素材がエコロジーなもの
☆ 最後まで使いきれるもの
☆ 中身が取り替えられるもの
☆ 捨てる時に分別できるもの
☆ 燃やした時に有害物質が出ないもの

これからエコ文具を使いましょう!!

2008年4月3日木曜日

近大マグロ 

日本食が見直され、世界的に魚の需要が増えてきました。
水産資源の保護のため漁獲枠も削減されています。
食卓から遠のいて行きそうですね。
とりわけマグロ、、、

天然マグロは超高級品。
一般に流通しているのは養殖マグロです。「畜養」と言って、日本近海でマグロの稚魚「ヨコワ」を捕獲し、海上の生簀(いけす)で育てたものだそうです。

そのマグロ、2002年に完全養殖ができるようになりました。
近畿大学が35年をこえる長年の研究を経て高度な養殖技術を開発したのです。
世界で初めてのことです。

海洋食物連鎖の頂点に存在するマグロは、回遊する間に、水銀などの有害物質が蓄積しやすいのですが、この完全養殖「近大マグロ」は、卵という最初の段階からトレーサビリティー(生産履歴)を提供できるのです。生年月日も餌の種類も分かり安全で安心というわけですね。

水産業界や自然保護団体、消費者にとって朗報ですね。

この「近大マグロ」は、ベンチャー企業「アーマリン近大」が、2004年から出荷を開始しました。これまでの出荷量は600匹弱だそうで、まだまだ高値なのは仕方ないかも知れませんね。関西・関東の一部のデパートで限定販売されていますが、即完売だそうですよ。

2008年4月1日火曜日

漁業のサステナビリティ

マグロの漁獲枠の削減、カニの密漁と輸出制限…  水産物の資源問題に関わるニュースを耳にする機会が多くなってきました。イギリスでは白身魚が捕れなくなって、フィッシュ・アンド・チップスが一時お店で出せなくなったり、食品会社自体が原料調達を危惧する事態もあったそうです。

漁業資源の枯渇が深刻な問題となっている今、漁業のサステナビリティ、持続可能な漁業の推進が急がれています。

海洋管理協議会(Marine Stewardship Council: MSC)は、責任ある漁業を推奨するために、WWFとユニリーバが1997年に立ち上げた組織です。1999年に非営利団体として独立し、MSC認証制度を発足させました。本部はイギリスのロンドンにあります。

MSC認証は、持続可能で適切に管理され、環境に配慮した漁業を認証する制度です。「持続可能な漁業のための原則と基準」に基づき、海洋管理協議会が認めた第三者の認証機関が漁業を認証し、その水産物にはMSCの認証マークが与えられます。 

海のエコラベル「MSC認証マーク」のついた水産物をご覧になったことはありますか?

WWFジャパン MSCについてhttp://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/msc/index.htm

今日は何の日?

今日は何の日?
今日は「省エネルギーの日」です。
正確には、毎月1日が「省エネルギーの日」となっています。

余り知られていないようですが、毎年2月は省エネルギー月間、8月1日は夏の省エネ総点検の日、12月1日は省エネルギー総点検の日と決められています。

これは、省エネルギー対策を国民運動として広めていくために、1980年に省エネルギー・省資源対策推進会議で決定されました。1979年の第二次オイルショックのあとのことです。

今は、地球温暖化対策として、省エネ、CO2の削減が求められています。
いつも省エネを心がけておられる方も、そうでない方も、エネルギーの無駄遣いをなくすために、今日一日、日常生活でのエネルギーの使い方を見直してみてはいかがでしょうか 。

2008年3月31日月曜日

WWF:世界自然保護基金

WWF(World Wide Fund for Nature)世界自然保護基金は、50カ国以上の国に拠点を置き、100を超える国々で地球規模の活動をする世界最大の自然保護団体です。

1961年に、世界野生生物基金(WWF:World Wildlife Fund) として、絶滅の危機にある野生生物の保護を目的としてスイスで設立されました。

やがて、その活動は、野生生物の保護だけではなく、地球環境の保全、持続可能な自然資源の利用へ拡大し、1986年には、世界自然保護基金(WWF:WorldWide Fund for Nature)へと名称を改めました。

WWFは、全世界的な危機となりつつある問題に取り組むために、現在6つのアプローチで地球環境の保全を目指しています。
「森林の保全と人間社会の共生を実現すること」「水環境を見直しすべての生命を育む水の保全に取り組むこと」「海洋汚染問題への取り組みや持続可能な漁業の推進」「絶滅危惧種の保護」「地球温暖化を抑える活動」「有害化学物質のない環境づくりのための活動」の6つです。

それらの活動はグーグルアース上でも紹介されています。WWFの可愛いパンダのロゴをクリックしながら、今の地球の様子を覘いてみてはいかがでしょうか。

参考) グーグル・アースを開き、サイドバーの「▼レイヤ」のビューで「すべてのレイヤ」を選択し、下に表示された項目の中のグローバルアウェアネスを開き、「WWF自然保護プログラム」に「+」をチェックします。次に、マウスを操作しながら、衛星写真上のパンダを探し、クリックすると、各地域でのWWFの活動の様子を見ることができます。

WWFジャパン:http://www.wwf.or.jp/index.htm

2008年3月25日火曜日

海水の淡水化

世界には衛生的な飲料水にアクセスできないひとが12億人以上います。深刻な水不足に悩まされている国は26カ国あり、2050年には少なくとも70カ国が水不足の問題を抱えると国連食糧農業機関は予測しています。

地球表面の70パーセントが水に覆われているのですが、、、
その97.4パーセントは海水、
残り2.6パーセントの淡水の大部分は、氷河や氷床、氷山に恒久的に貯えられ、
人間が直接利用できる水資源は全体のわずか1パーセントにも満たないそうです。

新たな水を求めて、海水の淡水化事業が世界各地で行われています。
淡水化には、大きく2つの方法があります。
「蒸発によって塩分を取り除く方法」と「ろ過によって塩素イオンを除去する方法」です。

蒸発させる方法は、加熱して蒸発を行なうため、多量のエネルギーが必要です。淡水化プラントと発電所や精油所が併設される場合が多くみられるのはそのためです。
ろ過する方法では、水は通すがイオンや塩類などの不純物は通しにくい半透膜(逆浸透膜)を使って真水をつくり出します。

将来、この逆浸透膜の研究が進めば、水中に蓄積してしまう農薬やヒ素、重金属、硝酸塩、医薬品の派生物などの除去も可能になるようです。

待ち遠しい限りです。

2008年3月24日月曜日

こんな環境ビジネスも

化石燃料の枯渇、地球温暖化、新たな資源・水の争奪、、、
環境の変化に伴い、新たに生まれる環境ビジネス。

環境・社会貢献意識の高い企業に対し、三井住友銀行は、環境ビジネスを通じて、単に温室効果ガスの削減だけに目を向けた活動を行なうのではなく、温暖化によって自然災害が頻発する地域への支援も同時に行なう、日本初のプログラム「Climate & Children Supporters」を開始しました。

アフリカ大陸のCO2排出量は世界全体の30分の1ほどですが、台風、洪水、旱魃といった深刻な環境の変化に見舞われ、感染症の拡大などの被害を大きく被っています。

気候変動の問題と開発途上国の子どもたちの問題の関連性を考え、そうした子どもたちへの支援の必要性を理解する、良い機会になって欲しいものです。

三井住友銀行ニュースリリース
温暖化対策活動を総合的に支援するプログラムの開始についてhttp://www.smbc.co.jp/news/j600284_01.html

2008年3月18日火曜日

バナナペーパー&ケナフペーパー

ケナフペーパー、バナナペーパーをご存知でしょうか。

紙の起源は、古代エジプトで使われた「パピルス」だと言われていますが、パピルスは茎の髄をたてに薄く削いで、縦・横・縦に重ね合わせて乾かし、一枚に仕上げたものです。現在の紙の原形となったものは、紀元前2世紀頃に中国で発明されたと考えられていています。

ケナフペーパーは、アオイ科フヨウ(英名:ハイビスカス)属のケナフの茎から作られる、木材パルプに似た良質な紙のことです。ケナフは、一年草で成長も早く、二酸化炭素を一般の樹木の4倍以上吸収し、地球温暖化にストップをかける環境保全植物として注目されています。また、クリーニング草とも言われ、土壌の浄化、地質改善にも優れているそうです。

バナナペーパーは、バナナの茎や葉の繊維から作られる紙です。2002年の調べでは、世界のバナナの総生産量は約1億トンで、そこから推量すると茎や葉の廃棄量は約10億トン。仮にすべての茎から繊維を取り出し、紙の原料として再利用すれば、バナナパルプ約5000万トンが製造でき、毎年消費される木材パルプの約30%に匹敵するそうです。

ケナフペーパー、バナナペーパーも、資源を有効に活用し、地球環境を守る大きな可能性を秘めた、木材に代わる資源として期待されています。

2008年3月17日月曜日

海水面の上昇

海水面の上昇と聞くと、「さんご礁の島、ツバル」を思い浮かべる方は多いと思います。首都があるフォンガファレ島の平均標高は1.5m、最も高い地点でも約4m。潮汐による干満の差は大きい時では2mを越すそうですから、標高が低い地域では海水面より低くなってしまうところも出てきます。

海水面の上昇の要因には大きく二つあります。温暖化により、氷河やグリーンランドの氷床の氷が融け、氷山や融けた水が海に流れ込み、海水の量が増えることと、水温が高くなって海水の体積が膨張することです。

今後、地球の気温が3~4℃上昇すれば、土地の水没により、バングラデッシュ、下エジプト、ベトナム、太平洋やカリブの小さな島国が大きな打撃を受け、3億3200万人が一時的または恒久的に住居を失う恐れがあるそうです。また、洪水の発生しやすい川岸のスラム地区で暮らす10億人の人々も脅威にさらされることでしょう。

海水面は、1993年以来約3mm/年の割合で上昇し、最新の予測結果では2100年までの海面上昇は18cm~59cmと見積もられていますが、海水温が上昇すると、熱帯性の暴風雨が激しくなり、台風も猛威を奮うと考えられます。「高潮による水浸し」の危険性も高まって来ます。今後は海面水位の監視を継続的に行うと共に、将来の海面上昇に備えて、海岸、河川の堤防などの施設整備を進めることが重要になると考えられます。
(参考:人間開発報告書、国立環境研究所HP)

2008年3月16日日曜日

炭素隔離技術

炭素隔離技術は、発電所などで発生する二酸化炭素を分離・回収し、圧力をかけて、それを排ガス田や地中の帯水層(地下水がある地層)に貯留する技術です。地中から石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を掘り出して、その炭素をエネルギーとして使い、その後二酸化炭素を再び地中に戻そうということのようです。

日本では、平成12年より、新潟県長岡市で、実用化に向けて実験が行なわれています。
ノルウェーのプロジェクトは北海の海上プラットフォームにて行われています。天然ガスを採掘するとき、一緒に出てくるCO2を分離して、天然ガスは陸へ輸送、CO2は帯水層に圧入しています。
カナダのプロジェクトでは、アメリカの工場からCO2だけを輸送して、深さ1000メートル程にある油層にCO2を圧入します。これによって、原油の回収がしやすくなると同時に、CO2を油層に貯留できるそうです。

海底下の地層へのCO2貯留は、海洋汚染防止のため、廃棄物海洋投棄などの制限を定めたロンドン条約議定書の改正により、2006年に例外規定として認められましたばかりです。

地下深部では、CO2が圧縮されるため、より多くのCO2を貯留することができます。
IPCCによると、世界全体での貯留可能量は少なくとも2兆トン(世界の総排出量の約100年分に相当)であると試算されています。

2008年3月15日土曜日

グーグル・アースで見る環境破壊

Google Earth は、まるで衛星写真を貼り付けた地球儀のようです。高度6000kmからの地球の衛星写真をズームインすると自宅の庭先まで見えるようになります。衛星写真の上には、さまざまな画像や内容が書かれたレイヤを重ねて載せることもできます。

国連環境計画UNEPでは、「変わりゆく環境」をテーマに、環境悪化が深刻な100の地域で、それぞれの画像や内容を著したレイヤをつくり、衛星写真の上に重ねて載せ、環境がどのように変化したかを一目で分かるようにしています。

グーグル・アースを開き、サイドバーの「▼レイヤ」のビューで「すべてのレイヤ」を選択し、下に表示された項目の中の「UNEP:変わりゆく環境地図」に「+」をチェックします。次に、マウスを操作しながら、衛星写真上の「UNEP」の四角い青いアイコンを探し、クリックすると、各地域での環境の変化の様子を見ることができます。

例えば、アフリカのタンザニアにあるキリマンジャロの「UNEP」の四角い青いアイコンをクリックすると、レイヤが現れます。キリマンジャロの温暖化による環境の変化を読み取ることができます。次にクリックすると、衛星写真はズームイン、新たな図が現れます。そこでまた、いろいろクリックすると、各地点での写真が映し出されます。九州の諫早湾の衛星写真、アマゾンのジャングルが変化していく様子など、是非、一度見てください。

グーグル・アースのダウンロード、詳しい操作方法については、下記のURLをご利用下さい。
HP http://earth.google.com/intl/ja/index.html  
ユーザーガイド http://earth.google.co.jp/userguide/v4/  

2008年3月12日水曜日

環境難民

環境難民とは、海面上昇や砂漠化、森林伐採など、環境・気候の著しい変化によって、住んでいた土地を離れなくてならなくなった人々のことを言います。

国連環境計画(UNEP)によると、世界では毎年、九州と四国を合わせた面積に等しい約6万平方㌔の土地が砂漠化しており、アフリカは最も深刻な状況にあるそうです。砂漠になった土地では人間は生きられません。環境難民になってしまいます。

インド洋に浮かぶ美しいリゾート地、モルディブの大統領は、1992年ブラジルで行われた地球サミットで「温暖化による海面上昇で海岸の侵食が進んでいる。このままでは国が水没する」と訴えていました。しかし、国際社会がモルディブの問題を認識するようになったのは、2005年に発生したスマトラ沖津波で大きな被害を受けてからでした。今なお多くの人々が家から遠く離れた場所で避難生活を送っています。

ブラジルは、製紙パルプの原料となるユーカリの世界最大の植林国です。農民たちは製紙会社に土地を売って都市部へと移住し、スラム街で厳しい生活を送っています。

2003年、国連は環境難民が初めて戦争難民と政治難民の数を上回ったと発表しました。地球温暖化の進行で、その数はさらに増加し、今世紀末には、環境難民が2億人に達すると予想されています。

環境難民は、戦争や突発的に発生する自然災害による難民と、住むところを追われたという点では変わらないのですが、ゆっくりとした環境の変化による影響を受けて難民になるため、認知されにくく、支援に関しては厳しい状況にあるようです。

2008年3月8日土曜日

シリコンカップ

毎朝のお弁当作りに、アルミカップ(アルミケース)をお使いになりますか?
アルミカップにおかずを入れると、おかず同士の味が混ざること減りますし、片方に寄ってしまうことも少なくなりますね。

そんなアルミカップですが、弁当箱を洗い、アルミカップを捨てるたびに、「もったいない」と思っていました。

数ヶ月前、新聞か何かで「シリコンカップ」を紹介する記事に、「洗って何度も使うことができる」と書いてありました。お弁当作りにはそれだけで十分でした。それ以来行く先々で探し、ようやく今日、買うことができました。

ささやかな買い物でしたが、マイ箸、マイカップに、マイシリコンカップが仲間入りし、お弁当作りもますます楽しくなりそうです。

2008年3月7日金曜日

キャップ・アンド・トレード

海水面の上昇、異常気象、砂漠化など地球温暖化による自然災害が増えてきています。気候変動を緩和するためには、太陽光発電や火力発電などのエネルギー生産のあり方と私たちのエネルギー消費のあり方を考え直すことが大切です。

京都議定書では、先進諸国が、2012年までに、温室効果ガスを目標値まで削減する約束をしましたが、大半がその目標に達していないのが現状のようです。

そこで、重要となってくるのが目標を具体的な政策に移すことです。今、考えられていることは、炭素の排出に料金を課すということです。それには、排出する二酸化炭素そのものに税金を課すという方法「炭素税」と排出権取引「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれる方法の2種類があります。

「キャップ・アンド・トレード」についてですが、<キャップ>には「帽子、ふた、上限、最高限度など」の意味があります。ここで使われている<キャップ>というのは、先ず政府が総排出量の上限を決め、次にそれぞれの企業ごとに守るべき排出量の上限を設定し、一定量の排出権を割り当てるということです。<トレード>は、割り当てられた排出権は譲渡が可能であり、排出量の削減に成功した企業が余った排出権を販売できるということです。

欧州連合(EU)では、欧州域内排出量取引制度という世界最大の排出権取引の仕組みをつくり、2005年1月から、EU加盟25カ国を対象に実施しています。米国でも導入の動きがあるそうです。

日本では、環境省が3月6日、温室効果ガスの国内排出量取引制度について、本格的な検討に着手しました。

2008年3月5日水曜日

阿蘇


阿蘇に行ってきました。

噴煙を上げる火口丘、連なる山々、広がる草原、いつ訪ねても、変わらぬ雄大な景色。そんな阿蘇で、自然に溶け込むようにそびえ立つ風車に目を奪われて、野焼きの迫力に心を奪われてしまいました。

プロペラが10基そびえ立つ集合型風力発電所は、「阿蘇にしはらウィンドファーム」という名称で、電源開発株式会社が設立したものでした。年間に一般家庭約7,000世帯分を発電し、CO2の削減効果は、乗用車に換算すると22,000台分に相当するそうです。

クリーンで、純国産、無尽蔵なエネルギーである風力は、地球温暖化防止の面からも大きな期待が寄せられています。また、アサヒビールは、ここでの風力発電事業を支援しており、企業の社会貢献の一端も見ることができました。

さて、野焼きです。野焼きは、草原の表面を焼くことで、火に強く牛馬がエサとして好むイネ科の多年草を残し、火に弱く利用の邪魔になる低木を除去するために行なうそうです。阿蘇の草原は、自然にできたものではなく、1,000年も前からの野焼きにより、人の手によって守られてきたものです。

この野焼きを担っているのは、地元の畜産農家だそうです。後継者不足、高齢化などで野焼きが中止に追い込まれないように、財団法人「阿蘇グリーンストック」が「野焼き支援ボランティア」を呼びかけるとともに、「あか牛産直」なども行い、独自の工夫で、生産者と消費者を結びつけ、農林畜産業の振興と阿蘇の大自然の保全とを行っているそうです。

自然に抱かれ、自然と共に息づく阿蘇での時間は最高でした。

2008年3月4日火曜日

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

「気候変動に関する政府間パネル:IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)」は、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立されました。

その任務は、温暖化に関する科学的な知見の評価、温暖化の環境的・社会経済的影響の評価を行い、得られた知識を、政策決定者始め、広く一般に利用してもらうことです。

第1次評価報告書(AR1、First Assessment Report)は1990年に公表。
第2次評価報告書(AR2、Second Assessment Report)は、ジュネーブで行われる気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2)に提出するため、1995年に発表されました。ここでは、CO2排出量の見通しと気温上昇の予測を行っています。
第3次評価報告書(AR3、Third Assessment Report)は、2001年に発表されました。
第4次評価報告書(AR4、Fourth Assessment Report)は、2007年に発表され、人為的な温室効果ガスの排出による気候変動の現状と今後の見通しについての最新の知見が取りまとめられています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、地球温暖化に警鐘を鳴らすなどの功績が評価され、2007年のノーベル平和賞を米国のゴア元副大統領とともに授与されました。

2008年3月3日月曜日

黄砂

春の訪れを知らせる「黄砂」ですが、洗濯物や車に降り注ぎ、困ってしまいますね。

黄砂は、中国内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥地域で発生する、大きさが0.005ミリメートルほどの塵ような砂です。黄土色をし、指でさわると、壁土みたいでちょっと粘っこい感じがします。このあたりで多発する低気圧の上昇気流によって、空高く巻き上げられ、偏西風に乗って、2、3日かけて、日本へ飛来します。

砂が乾燥し、風が強まるなど、条件がそろう2~5月が黄砂の本格的なシーズンですが、ハワイやアメリカにも届くことがあり、黄砂に含まれるリンやミネラル分が、ハワイ諸島の森林やハワイ沖のプランクトンの増殖に欠かせないそうです。

一方、黄砂には粘土鉱物の成分のほかに、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなどの汚染物質も付着しています。飛来する過程で、大気汚染物質を取り込んでいる可能性が示唆され、健康面への悪影響も懸念されています。

また、黄砂が空中を漂うことにより大きな日傘となり,太陽放射を宇宙へ反射し,地上へ届くエネルギーを減らし,温暖ガスとは反対の冷却ガスとしての効果もあるといわれています。

物理的、化学的には、必ずしも十分には解明されていない黄砂ですが、最近は、単なる自然現象ではなく、森林の減少、過放牧、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題としての認識が高まっています。

2008年2月29日金曜日

COP/MOP

【COP/MOP】という用語をご覧になったことはありますか。
【COP】は締約国会議「Conference of the Parties」の略です。多くの国際条約の中で,その加盟国が物事を決定するための最高決定機関として設置されています。気候変動枠組条約の締約国会議は【COP-FCCC】と言います。

【MOP】は「締約国会合」と言い、「the meeting of the Parties」の略です。
【COP/MOP】は、正式には「締約国会合として機能する締約国会議」と言い、「Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties」の略です。京都議定書に関することを審議するための会合で、COPの一部として開催されています。

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的に作られた「気候変動枠組条約」を締結しているのは、平成19年8月現在、191カ国及び欧州共同体です。また、先進国から排出される温室効果ガスの具体的な削減数値目標や、その達成方法などを定めた「京都議定書」を締結しているのは、アメリカは不参加を表明しており、平成19年12月現在、176カ国及び欧州共同体がです。

このように、「気候変動枠組条約」と「京都議定書」の締約国は必ずしも一致しません。そのために、京都議定書には別の最高決定機関が必要となりました。しかし、条約と議定書のメンバーはほぼ重複していますから、それぞれ別の日に会議を開いていたのでは効率が悪いため、京都議定書の場合には、条約のCOPが議定書のMOPを兼ねることになりました。そこで、COP/MOPと呼ばれているのです。

2005年カナダのモントリオールで、気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)と京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)が開催されました。